2022年版採点規則における主な変更点(あん馬)

2022-2024 Code of Points (PH)


2022年版採点規則における主な変更点(あん馬)です。

これまでにNewsletterや『男子体操競技情報』ですでに通達されている内容や新技については記載しませんので注意してください。なお「⇒」以降は私のコメント(戯言)です。

解釈に間違いがあるかもしれません。競技関係者の方は原本を直接確認するか、日本体操協会の公式な情報をお待ちください。

一般条項 General
ゆか FX
あん馬 PH
つり輪 SR
跳馬 VT
平行棒 PB
鉄棒 HB


あん馬 PH

● ロシアン転向技は両足を揃えて実施しなければならない。ロシアン転向技での脚の開きは実施欠点として1回転ごとに減点される。(p.54)

● 単独の倒立下りまたは横向き支持から270°のひねりを伴う倒立下りは、馬体を越え、馬体の長軸方向に対して縦向きに、また着地の際は最後に支持した手の真横に下りなければならない。これらの要件が満たされない場合、E審判によって0.3の減点となる。(p.55)

● 横向き支持での全ての移動技は、開始位置が1-2、終了位置が4-5であれば要求を満たすことができる。(p.57)
⇒今日見られるC難度扱いの「1回の旋回で正面横移動」がD難度として扱われるということでしょうか。

● (開脚)旋回倒立下ろして片足振動技は削除。(p.58)
⇒オレグ・ベルニャイエフ(ウクライナ)の得意技でもある下ろして開脚支持の旋回技は削除となります。

● フロップの構成技にベルトンチェリ、3/4ベズゴを追加。(p.59)
⇒フロップについては、これ以外は全て今までどおりの記載のため、ベルトンチェリや3/4ベズゴは、ループなどB難度の技と同等に扱われるようです。

● コンバインの構成技にベルトンチェリ、3/4ベズゴを追加。(pp.59-60)

R180R360R720R1080
1フロップ+DEF
2フロップ+DEFG
ベルトンチェリ or 3/4ベズゴ
+ 1フロップ
+EFGH

⇒コンバインについては、ベルトンチェリや3/4ベズゴが入ると1段階格上げの扱いになるようです。Hコンバインが誕生することになります。

● ロシアン転向技は終末技を含めて演技中2回まで。また、馬端馬背ロシアン転向とロシアン転向下りは同一技と見なされる。(p.62)
例:
・馬端馬背ロシアン1080°転向~ロシアン720°転向下り:繰り返し+C難度
・あん部馬背ロシアン360° ~馬端馬背ロシアン1080°転向~ロシアン360°転向下り:C難度+繰り返し+B難度
※終末技が最初にカウントされる。
※一把手上で行われるコンバインは除外される。

● ロシアン転向移動技は演技中2回まで。この制限に該当する技は以下のとおり。(pp.62-63)
・III-70 下向き正転向移動(馬端~馬端、把手または把手間に着手なしで)(トン・フェイ)
・III-75 下向き正転向移動(把手間に着手なしで逆馬端へ)
・III-76 馬端横向き支持(1-2)からロシアン630°以上転向移動(3/3部分)
・III-77 ロシアン720°以上転向移動(3/3部分)(ウ・グォニアン)
・III-81 把手を挟んだ横向き支持からロシアン360°転向移動(クロル)
・III-82 ロシアン360°転向移動(3/3部分)(ロス)
・III-89 両把手を越えてロシアン360°正転向(ヴァメン)

● ひねりを伴う3/3移動技は演技中2回まで。この制限に該当する技は以下のとおり。(p.63)
・III-23 正面横移動ひねり、背面横移動ひねり(馬端~馬端)
・III-28 縦向き1/3前移動直ちに縦向き2/3移動ひねり(ニン・レイエス)
・III-29 両把手を越えて縦向き3/3前移動直ちに1/2ひねり(ニン・レイエス2)

● 1回ひねりを伴う技は演技中2回まで。この制限に該当する技は以下のとおり。(p.63)
・II-28 横向き旋回1回ひねり(2回以内の旋回で)
・II-29 横向き旋回1回ひねり移動(2回以内の旋回で逆馬端へ移動し再び戻る)(アイヒホルン)
・II-30 両把手を挟んで横向き旋回1回ひねり(2回以内の旋回で)(ケイハ) or 馬端外向き縦向き支持から両把手を越えて縦向き旋回1回ひねり(2回以内の旋回で)(ケイハ5)
・II-34 縦向き旋回1回ひねり(2回以内の旋回で)(マジャール・シュピンデル)
・II-35 あん部馬背縦向き旋回1回ひねり(2回以内の旋回で)
・II-41 両把手上横向き旋回1回ひねり(2回以内の旋回で)(ベルキ)

● 減点(p.64)
・技で脚が曲がる、開く:小欠点(0°~30°)、中欠点(31°~60°)、大欠点(61°~90°)
・交差倒立技で脚を閉じない:小欠点(肩幅以下)、中欠点(肩幅を超える)

● 難度表(pp.65-76)

グループI
・正交差1/4ひねり一把手上倒立経過、下ろして開脚支持(リ・ニン) と 正交差1/4ひねり倒立1/4ひねり逆把手に片腕支持逆交差入れ(ブライアン) が同一枠
・逆交差1/4ひねり一把手上倒立経過、下ろして開脚支持(逆交差倒立)(D→C) と 逆交差1/4ひねり倒立1/4ひねり逆把手に片腕支持逆交差入れ(逆ブライアン)(D→C)が同一枠
・(開脚)支持から後ろ抜き倒立、下ろして閉脚(開脚)旋回→削除
セア倒立に思う(その2)でも指摘したとおり、逆交差倒立が格下げになりました。「逆交差倒立」の日本語表記も見直すべきではないかと思います。

グループII
・横向き旋回1/4ひねり縦向き支持 と 馬端縦向き旋回1/4ひねり横向き支持 が同一枠。名称が「全ての馬端旋回1/4ひねり」になる。
・横向き旋回ひねり と 馬端縦向き旋回ひねり が同一枠。名称が「全ての馬端旋回ひねり」になる。
・1/3後ろ移動しながら縦向き旋回1回ひねり(2回以内の旋回で)(セラスライ)→削除
・1/3後ろ移動しながらあん部馬背縦向き旋回1回ひねり(2回以内の旋回で)(セラスライ2)→削除
・(開脚)旋回倒立、下ろして開脚支持→削除
・背面とび横移動倒立経過、下ろして開脚支持→削除
・下向き逆移動(DSA)倒立経過、下ろして開脚支持→削除
・シュテクリBのあん部での実施の図が削除
・把手上上向きとび転向→削除
・下向きとび転向(スイス・ドゥーブル)→削除
⇒把手上上向きとび転向やスイス・ドゥーブルといったあん馬の基本的な技術が難度表から消えるのは、今日では滅多に見られない技群とはいえ、寂しいものがあります。

グループIII
・背面横移動→削除
・背面横移動連続(馬端~馬端)→削除
・背面横移動連続(馬端~馬端:あん部馬背着手)→削除
・2回の旋回で背面横移動(馬端馬背から両把手を越えて逆馬端馬背)→削除
・背面とび横移動連続(馬端~馬端)→削除
・背面とび横移動(馬端~馬端)→削除
両把手を越えて縦向き前移動→E難度
・両把手を越えて縦向きとび前移動(ドリッグス)(E→F)
・開脚旋回縦向き前移動(開脚マジャール)→削除
・開脚旋回縦向き後ろ移動(開脚シバド)→削除
馬端横向き支持(1-2)からロシアン630°以上転向移動(3/3部分)→D難度
⇒開脚マジャール、開脚シバドが削除となります。個人的には眉をひそめて見ていたので妥当な結果になったと思います。



あん馬も数多くの変更点がありますが、おおむね妥当な内容ではないかと思います。

開脚旋回縦向き3/3移動1回ひねり(2回以内の旋回で)(ウルジカ2)、両把手を越えて縦向き後ろ移動ひねり(5-1)(ケイハ4)の記載がないようです。削除ではなく記載漏れと思われますが、ひねりを伴う3/3移動技や1回ひねり技の回数制限にも関わりますので、早急に修正されることが望ましいと思います。

"2022年版採点規則における主な変更点(あん馬)"へのコメントを書く

お名前:[必須入力]
メールアドレス:
ホームページアドレス:
コメント:[必須入力]