岡慎之助 - 2025年全日本選手権:個人総合の演技

OKA Shinnosuke (JPN)
2025 JPN Nationals AA


2025年全日本選手権、2位の岡慎之助の演技構成です。

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#1 ゆか FX

1.前方伸身宙返り1回ひねりFront Lay 1/1CIV
2.~前方かかえ込み2回宙返り+ Double FrontDII(CV:0.1)
3.シュピンデル・ゴゴラーゼ1/1 Spindle to GogoladzeDI
4.マンナから伸腕屈身力倒立Manna Press to HdstDI
5.後方伸身宙返り2回ひねりBack Lay 2/1CIV
6.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIV
7.~前方伸身宙返り+ Front LayBII(CV:0.1)
8.後方伸身2回宙返りDouble Back LayEIII

D:5.1
E:9.033
SB:0.1
Score:14.233

大きく構成を変えている。最初は前方1回~前方ダブル。グループIを実施した後はサイドラインで後方2回、後方5/2~前方伸身と続き、このあたりはやや平凡な構成となっている。終末技は伸身ダブル、着地をピタリと止める。素晴らしい演技を見せたが、個人的には伸身月面(F)を抜いてしまっているのが非常に惜しい。


#2 あん馬 PH

1.後ろ振り倒立Back Swing to HdstCI
2.シュテクリBDSBBII
3.一把手上縦向き旋回Pommel LoopBII
4.ブスナリBusnariFII
5.横移動(馬端~馬端)Side Travel 3/3 1-2 to 4-5DIII
6.マジャールMagyarDIII
7.ウルジカ2Urzica2EIII
8.下向き逆移動倒立3/3移動下りBack Stöckli to Hdst Travel 3/3DIV

D:4.9
E:8.600
Score:13.500

あん馬も開脚旋回技の回数制限により大きく構成を変えている。セア倒立の後はB難度技を2つ入れ、シュピンデル技を抜いている。ブスナリ、横移動、マジャールと実施した後はウルジカ2を取り入れてきた。最後はD難度の下り。ひねり切れなかったか。


#3 つり輪 SR

1.後ろ振り上がり中水平支持Back Uprise to MalteseEIII
2.中水平支持MalteseDII
3.後ろ振り上がり十字倒立Back Uprise to Inv-CrossEIII
4.ほん転逆上がり倒立Felge to HdstCI
5.屈身ヤマワキYamawaki PkC→DI
6.~後ろ振り上がり倒立+ Back Uprise to HdstCI
7.後方車輪倒立経過Back Giant thru HdstBI
8.後方伸身2回宙返り2回ひねり下りDouble Back Lay 2/1FIV

D:5.3
E:8.400
SB:0.1
Score:13.800

つり輪はヤマワキ(B)とホンマ十字懸垂(D)を抜いた構成。屈身ヤマワキからは後ろ振り上がり倒立につなげて格上げ措置を得ている。振動倒立技の実施が良い。伸身新月面の着地も止める。


#4 跳馬 VT

DEPenSBScore
ドリッグスKasamatsu Lay 3/2I4.89.3660.114.266

跳馬は従来構成のドリッグス。着手した後の腰の曲がりはやや気になるが、着地は高い姿勢でピタリと止める。思わず笑みがこぼれた。


#5 平行棒 PB

1.後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持Back Uprise Front Pk to SupDI
2.棒下宙返りひねり倒立Basket 1/2 to HdstEIII
3.棒下宙返り倒立Basket to HdstDIII
4.マクーツMakutsEII
5.前方開脚5/4宙返り腕支持5/4 Front StrdDII
6.バブサーBhavsarEIII
7.チッペルトTippeltDIII
8.前方かかえ込み2回宙返りひねり下りDouble Front 1/2EIV

D:5.6
E:8.966
SB:0.1
Score:14.666

車輪ディアミドフ(E)とヒーリー(C)を抜いた構成。車輪ディアミドフを抜いたのは意外だったが課題があるということか。実施は安定しており、目立ったミスはない。前方ダブルひねりの着地を止める。


#6 鉄棒 HB

1.アドラーひねり〈失敗して再試技〉Jam 1/2DIII
2.コールマンKolmanEII
3.リューキンLiukinGII
4.後方浮腰回転後ろ振り出し順手背面懸垂Stoop in to Back TossCIII
5.順手背面車輪Czech GiantDI
6.ケステKosteCIII
7.閉脚シュタルダーStalder PkCIII
8.後方伸身2回宙返り2回ひねり下りDouble Back Lay 2/1EIV

D:5.4
E:8.266
SB:0.1
Score:13.766

アドラー1回ひねり(E)を抜いている。アドラーひねりが大きく反って振り戻ってしまう。アドラーひねりをやり直してからは順調で、リューキンを決め、順手背面車輪も伸びやかに実施する。伸身新月面の着地も止める。

Total Score:84.231 (Total D:31.1)
Combined Total:169.095
Rank:2nd



予選で84.864を出し、トップで迎えた決勝でした。決勝でも5種目目の平行棒までは本来どおりで、最終種目の鉄棒で予選と同じスコア14.466を出していれば橋本大輝を0.100差でかわして優勝というところでしたが、これはタラレバです。惜しい2位ではありましたが、予選、決勝を通じて橋本と息詰まる勝負を繰り広げ、日本の二大エースの一角であることを見事に証明してみせました。

いくつかの種目は構成が大きく変わっていて、今後も変化する可能性があり楽しみです。今回の合計Dスコアは予選、決勝とも31.1。これだけで橋本とは合計4点近い差がありましたが、Eスコアで戦える得点を出しているのもすごいところです。着地も決まりまくりました。決勝では全ての終末技の着地を止め、着地加点のルールがないあん馬以外の5種目全てで加点を得ました。こんなことが可能なのかと思ってしまうほどです。

この記事へのコメント

  • あんぎゃ

    元々のDが低いので完成度重視の構成に思えました。着ピタ加点をほぼ全てで取れるのは美味しいですね。ただ、床の前方ダブルの実施が岡選手にしては脚割れが大きいように思えました。
    2025年04月30日 20:59
  • Ka.Ki.

    前方ダブルは新たに取り入れた技で、熟練度はまだまだかもしれませんね。着地加点を全て取ってしまうのは、狙ってできることでもないので、やはりすごいと思います。
    2025年05月01日 21:04