萱和磨 - 2025年DTBポカール・チームチャレンジ:団体の演技

KAYA Kazuma (JPN)
2025 DTB-Pokal Team Challenge Stuttgart (GER) TF/AA


2025年DTBポカール・チームチャレンジに日本は萱和磨、谷川航、土井陵輔、角皆友晴という強力なメンバーを派遣。見事に団体優勝を果たしています。萱、谷川航、角皆の3人は全6種目を演技し、個人総合でもそれぞれ1位、5位、8位に入りました。今日からはこの3人の6種目の演技を見ていきます。まずは萱です。日本のローテーションはつり輪からでした。

#1 つり輪 SR


1.後ろ振り上がり中水平支持Back Uprise to MalteseEIII
2.中水平支持MalteseDII
3.屈身ヤマワキYamawaki PkCI
4.ホンマ十字懸垂Whippet to CrossDIII
5.アザリアンBack Roll to CrossDII
6.ほん転逆上がり倒立Felge to HdstCI
7.後ろ振り上がり倒立Back Uprise to HdstCI
8.後方伸身2回宙返り2回ひねり下りDouble Back Lay 2/1FIV

D:5.3
E:8.300
Score:13.600

ヤマワキ(B)と後方車輪倒立経過(B)をトップ8技から抜き、さらに終末技はF難度の伸身新月面と、萱としてはほぼ従来構成でありながら、ルール改訂で追い風になった種目ではないだろうか。安定した実施で演技を通し、着地も1歩跳ねる程度に収める。


#2 跳馬 VT


DEPenSBScore
ロペスKasamatsu Lay 2/1I5.28.650-0.313.550

跳馬はロペス。後半の空中姿勢が乱れ、ひねりも不足気味、着地も乱れて両足ラインオーバーとなる。


#3 平行棒 PB


1.後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持Back Uprise Front Pk to SupDI
2.マクーツMakutsEII
3.棒下宙返りひねり倒立Basket 1/2 to HdstEIII
4.棒下宙返り倒立Basket to HdstDIII
5.前方開脚5/4宙返り腕支持5/4 Front StrdDII
6.バブサーBhavsarEIII
7.チッペルトTippeltDIII
8.前方かかえ込み2回宙返りひねり下りDouble Front 1/2EIV

D:5.6
E:8.650
SB:0.1
Score:14.350

ヒーリー(C)、車輪(C)を抜いた構成になっている。公式リザルトではD:5.7になっているが、おそらくはD:5.6、SB:0.1をまとめてしまっているものと思われる。いわゆるホンマやバブサーなどもう少し大きさを表現できればという技もあるが、全体的には安定感の高い演技を見せる。着地もピタリと止める。


#4 鉄棒 HB


1.コールマンKolmanEII
2.屈身トカチェフTkatchev PkCII
3.トカチェフTkatchevCII
4.アドラー1回ひねり逆手Jam 1/1 to UGEIII
5.アドラーひねりJam 1/2DIII
6.後方とび車輪1回ひねりHop 1/1CI
7.閉脚シュタルダーStalder PkCIII
8.後方伸身2回宙返り2回ひねり下りDouble Back Lay 2/1EIV

D:5.1
E:7.850
Score:12.950

順手背面車輪(D)の技群を抜き、ホップターン(C)を入れた構成。屈身トカチェフは伸身(D)の予定だったか。伸身新月面の着地は大きく1歩前に足が出る。


#5 ゆか FX


1.前方屈身2回宙返りDouble Front PkEII
2.シュピンデル・ゴゴラーゼ1/1 Spindle to GogoladzeDI
3.開脚座から力十字倒立Split Press to Japanese HdstCI
4.後方伸身宙返り3回ひねりBack Lay 3/1DIV
5.後方伸身宙返り2回ひねりBack Lay 2/1CIV
6.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIV
7.~前方伸身宙返り+ Front LayBII(CV:0.1)
8.後方かかえ込み2回宙返り1回ひねりDouble Back 1/1DIII

D:5.0
E:8.750
Score:13.750

前方屈身ダブルから入るのは従来どおりだが、その後すぐにグループIの技に入る。これまでフェドルチェンコ(C)だった旋回技はシュピンデル・ゴゴラーゼに変わっている。中盤はひねり技が主体で、終末技は月面。全体的に着地をよくまとめている。


#6 あん馬 PH


1.正交差倒立Front Scissor to HdstDI
2.ブスナリBusnariFII
3.Eフロップ4 FlopsEII
4.Dコンバイン2 Flops + R180DII
5.横移動(馬端~馬端)Side Travel 3/3 1-2 to 4-5DIII
6.トン・フェイTong FeiDIII
7.ウ・グォニアンRussian Travel 3/3 720EIII
8.DSA倒立3/3移動下りDSA to Hdst Travel 3/3DIV

D:5.5
E:8.100
Score:13.600

マジャール、シバドを抜いたほか、2023年から入れていたショーン(D)を抜き、6種目を演技する際は近年抜くことの多かったブスナリを入れている。目立ったミスなく、無難に演技を通す。

Total Score:81.800 (Total D:31.7)
Rank:1st



「失敗しない男」がその名のとおりの6種目をしっかり通してチームチャレンジの優勝に大きく貢献、個人総合でも1位となりました。構成面ではトップ8技となったことで、難度の低い技を抜いたり、(シュピンデル・ゴゴラーゼやブスナリなど)ところどころで難度アップを図ったりしながら、巧く新ルールを味方につけていたという印象です。萱らしい頭脳的な展開が随所に見られました。

他方、国内においては全日本、NHK杯を控えたこの段階で、日本のトップ選手の一角である萱の6種目が見られたのは大きい出来事だったのではないかと思います。伸身トカチェフ以外はほぼノーミスの構成、合計Dスコアは31.7となりました。おそらく萱は国内でもこの構成で臨むでしょう。多くの選手が自らの構成と比べて算盤を弾いているのではないでしょうか。

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