Rules of 2025 JPN Worlds Team Selection
2025年の世界選手権は10月にインドネシアのジャカルタで開催されます。毎サイクルのことではありますが、オリンピック翌年の世界選手権には団体戦がありません。ジャカルタでは、予選の後は個人総合決勝と種目別決勝のみが行われます。
日本代表として派遣できる選手は最大6人。団体戦のある年はチーム得点を用いた選考方法となりますが、個人戦のみとなる今年は個人総合枠2人、種目別枠として最大4人を選出します。スペシャリストにも大きなチャンスが巡ってくる大会になるわけです。
具体的な選考方法については日本体操協会公式サイトのこちらのPDFに公式にまとめられています。
これによると、個人総合枠の2人はNHK杯の上位2人が選出されます。これは団体戦があってもなくても例年どおりといったところです。ただし、今年のNHK杯の順位は全日本予選・決勝の合計の1/2とNHK杯1日目・2日目の合計とのことで、この辺りは毎年ちょこちょこ変わるので気を付けておいた方がいいところだと思います。
続いて種目別枠の最大4人です。種目別枠を決定するための得点は、全日本、NHK杯の2大会4試合のうち各種目高得点上位2つの試合の平均得点(以下、持ち点とします)が用いられ、各種目でこの持ち点がトップの選手最大6人が候補選手となります。
複数種目でトップを取った選手がいるなどして、これらの選手が4人以内で充足された場合はここで全ての代表が決定しますが、そうでない場合は、日本体操協会が設定した基準得点と持ち点との差が大きい選手から順に選出することになります[1]。
[1] 協会のPDFには世界ランキングが云々と書かれていますが、結局のところ選考にはランキング1位の得点である基準得点しか用いられないので、こういった理解でよいと思います。
この基準得点は、以下の国際大会で出た最高得点が用いられます。予選、団体決勝、個人総合、種目別と全ての競技の得点が対象です。
1. | 種目別ワールドカップ・コトブス大会 | (2025.2.20-2.23) |
2. | 種目別ワールドカップ・バクー大会 | (2025.3.6-3.9) |
3. | 種目別ワールドカップ・アンタルヤ大会 | (2025.3.20-3.23) |
4. | 種目別ワールドカップ・オシエク大会 | (2025.4.10-4.13) |
5. | 種目別ワールドカップ・ドーハ大会 | (2025.4.16-4.19) |
6. | 種目別ワールドカップ・カイロ大会 | (2025.4.25-4.28) |
7. | ワールドチャレンジカップ・ヴァルナ大会 | (2025.5.8-5.11) |
8. | ワールドチャレンジカップ・コペル大会 | (2025.5.15-5.18) |
9. | ヨーロッパ選手権・ライプツィヒ大会 | (2025.5.26-5.31) |
10. | アジア選手権・チェチョン大会 | (2025.6.5-6.8) |
11. | ワールドチャレンジカップ・タシュケント大会 | (2025.6.18-6.21) |
12. | ライン=ルール・ワールドユニバーシティゲームズ | (2025.7.22-7.26) |
つまり、すでに日本国内における代表選考は静かに始まっていて、世界で大会が行われるたびに基準得点が更新されているということになります。そして、国内における各選手の持ち点は5月18日のNHK杯を持って確定しますが、代表選手が最終的に決定するのは7月26日のワールドユニバーシティゲームズの後になるのです。なかなかの長期戦です。
基準得点について特筆すべきこととしては、
・対象となる国際大会に出場している日本人選手の得点は除かれる。
・NHK杯終了後、個人総合枠で選出された2人の得点(4試合のうち上位2つの試合の平均得点)が基準得点の計上対象となる。
ことがあげられます。ともに、世界選手権で表彰台を狙える選手を選考するという趣旨から考えて妥当な措置と思われます。
というわけで今後はこの基準得点についても随時更新記事としてお伝えできればと思っています。
今回の選考方法は、追加のワールドカップ等の大会が開催される場合は対象大会に追加する可能性があることや、基準得点の信用性が著しく低い場合の対応など、不測の事態に備えた記述も整っています。また、タイブレイクについての手順もかなり詳細に定められており、かなり練り込まれたものになっていると感じます。
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