2025-2028 Code of Points Ver.1.1 (FX)
2025年版採点規則における主な変更点(ゆか)です。
7月に入り、2025年版採点規則が修正版にアップデートされました。修正箇所について赤字で記載します。
これまでにNewsletterや『男子体操競技情報』ですでに通達されている内容や新技については記載しませんので注意してください。なお「⇒」以降は私のコメント(戯言)です。
解釈の間違いや見落としがあるかもしれません。競技関係者の方は原本を直接確認するか、日本体操協会の公式な情報をお待ちください。
一般条項 General
ゆか FX
あん馬 PH
つり輪 SR
跳馬 VT
平行棒 PB
鉄棒 HB
ゆか FX
● 演技時間は最大で70秒であり、計時審判によって計測される。計時審判は経過時間を示すため、60秒と70秒に音で合図する。(p.25)
⇒2022年のルール改訂で75秒になったばかりですが、今回のルール改訂で8技になるため、また元に戻りました。
● 同じ対角線の連続使用は2回まで認められる。(p.26)
⇒対角線の連続使用ルールもころころ変わりますが、これも8技変更に伴うものでしょう。
● 技のグループ(p.26)
・グループI | 跳躍技以外の技 |
・グループII | 前方系の跳躍技 |
・グループIII | 後方系の跳躍技 |
・グループIV | 1回以上のひねりを伴う前方または後方の1回宙返り技 |
● 2回(3回)宙返り技は演技中に必要であり(シニアは終末技に必要)、カウントされる8技に含まれていなければならない。(p.26)
● ある技(グループII、III)が終末技として実施された場合、その技は終末技の要求のみ満たすことができ、技のグループの価値を得るためには同じグループから別の技を実施しなければならない。→削除(p.26)
⇒技が4グループに分けられたため、この複雑な条項はなくなります。
● 組合せ加点について:変更なし(p.26)
● 前向きに着地するロンダートは認められない。この場合、次に続けられる技も認定されない。(p.27)
⇒中国にちらほら使う選手がいました。
● 選手は難度表I-61または62の片足平均立ちを実施しなければならない。これはカウントされる8技に含まれていなくてもよい。(p.27)
⇒今さらバランスに何の意味があるのかよく分かりませんが、風情は出るでしょう。
● 力技は一演技中1回まで。(p.27)
⇒力技の定義には変更ありません。
● 閉脚・開脚旋回、ロシアン転向技は一演技中1回まで。(p.27)
⇒シュピンデル・ゴゴラーゼからゴゴラーゼとかが見られないのはちょっと寂しいものもあります。
● 減点(p.27)
・片足平均立ちがない:中欠点
・平面移動の歪み:小欠点または中欠点
⇒最近よく見られるタンブリングでの歪みが減点されるものと解釈しましたが、どれだけ歪めばどれだけ減点という基準は示されていないようです。
● 難度表(pp.28-38)
グループI
・上水平支持(2秒)(B→C) と 中水平支持 が同一枠
・上水平支持(2秒)から伸腕伸身力倒立(2秒)(C→D) と 中水平支持(2秒)から伸腕伸身力十字倒立(2秒)(アルバリーニョ) が同一枠
グループII
・前方かかえ込み2回宙返り1回ひねり(E→F)
・前方伸身2回宙返り3/2ひねり(サパタ2)(H→G)
⇒難度の記載漏れがありましたが、サパタはG難度への格下げでした。前方かかえ込み2回宙返り1回ひねりがF難度なのに、姿勢が伸身でひねりも1/2多いサパタ2がG難度というのはやや釈然としないものがあります。
グループIII
・後方かかえ込み2回宙返り1回ひねり(ツカハラ)(D)
・後ろとびひねり前方かかえ込み宙返り2回宙返り(ひねり)(D)
⇒難度は変わらないのですが、後ろとびひねり前方かかえ込み宙返りひねりの枠が変わりました。
・後ろとびひねり前方屈身2回宙返り(ひねり)(D→E)
⇒このあたりはころころ変わるのでとても難しいです。
・後方屈身2回宙返り(C→D)
・後方かかえ込み3回宙返り(リューキン)(H→I)
・後方屈身3回宙返り(ナゴルニー)(I→J)
・後方伸身2回宙返り(D→E) と 後方伸身2回宙返りひねり or 後ろとびひねり前方伸身2回宙返り(タマヨ)が同一枠
⇒タマヨは格上げではなくE難度のままでした。このような難度の再変更はやめてほしいです。
・後方伸身宙返り1回ひねり屈身宙返り→E難度
・後方伸身2回宙返り1回ひねり or 後ろとびひねり前方伸身2回宙返りひねり(ペネフ)(E→F)
・後方伸身2回宙返り3/2ひねり or 後ろとびひねり前方伸身2回宙返り1回ひねり(イポリト)(F→G)
・後方伸身2回宙返り2回ひねり(F→G)
・後方伸身2回宙返り5/2ひねり(G→H)
・後方伸身2回宙返り3回ひねり(シライ3)(H→I)
・後方かかえ込み2回宙返り7/2ひねり(ミナミ)(H)(変更なし)
・後方伸身2回宙返り7/2ひねり(ジャーマン)(I→J)
⇒後方伸身2回宙返り系の技が軒並み格上げになっています。ミナミはそのまま、ジャーマンはJ難度になりました。
グループIV
⇒グループIVに分類された技を全て列挙します。
・前方かかえ込み宙返り1回ひねり or 3/2ひねり(B)
・前方伸身宙返り1回ひねり or 3/2ひねり(C)
・前方伸身宙返り2回ひねり(D)
・前方伸身宙返り5/2ひねり(E)
・前方伸身宙返り3回ひねり(シライ2)(F)
・前方伸身宙返り7/2ひねり(ゴシマ)(G)
・後方伸身宙返り1回ひねり(B)
・後方かかえ込み宙返り3/2ひねり(B)
・後方伸身宙返り3/2ひねり or 2回ひねり(C)
・後方伸身宙返り5/2ひねり(D)
・後方伸身宙返り3回ひねり(D)
・後方伸身宙返り7/2ひねり(ゴンサレス)(E)
・後方伸身宙返り4回ひねり(シライ/グエン)(F)
前方・後方のひねり技のグループ統合、力技・旋回技の回数制限、終末技の2回宙返り制限などゆかはかなり大きく演技構成が変わりそうです。
この記事へのコメント
名無し
確かに五輪で見てて、いつが最終節か分からないなあとは思ってました。
バランス入れたら制限時間的には9技で70秒って感じで余裕はないですね。
Ka.Ki.
あき
Ka.Ki.
tokubay
難度に関係ないバランス技の必須化や後方二回/三回宙返り系の技のみの優遇と、ルール策定者の好み・思想が少し透けて見える感じがしますね。
ただ、バランス強制で十点満点制時代の風情のだったり、前方宙返りって力強く踏み切れないから窮屈になりがち・後方宙返りは雄大でみてて楽しい等自分の好みと似ていて理解はできてしまいます。
一回宙返りn回ひねり系の技は前ルールから規制の向きはありましたしね。(組み合わせ加点等)
あと、今回の改訂でアラビアン宙返りという概念が復活したと行くことでいいんですかね?