HASHIMOTO Daiki (JPN)
2024 Olympics Paris (FRA) AA SR Judgements
個人総合の演技の紹介は来週からになるのですが、この件について先行して触れておきます。
オリンピック個人総合2連覇を狙っていた橋本大輝ですが、序盤からあん馬で落下するというミスが出てしまいました。しかし、橋本によりショックを与えたのは、その後、立て直そうとした矢先のつり輪で起きた難度の不認定だったように思います。橋本のつり輪はDスコア5.7を予定していましたが、表示されたDスコアは5.3。問合せ(インクワイヤリー)も認められず、その後の演技にも影響を及ぼしたと言わざるを得ない結果となりました。認められなかった技は何だったのでしょうか。
橋本の演技は通しでは収められていませんがこちら。
🇫🇷#パリオリンピック™️#体操 男子個人総合決勝
— 日テレ系パリ2024オリンピック (@ntv_olympic) July 31, 2024
ただいま #日テレ 系で生中継💫
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🇯🇵 #橋本大輝
第3種目 つり輪🤸
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予定していた構成は以下のとおりです。
1. | 後ろ振り上がり中水平支持 | Back Uprise to Maltese | E | III |
---|---|---|---|---|
2. | 中水平支持 | Maltese | D | II |
3. | ヤマワキ | Yamawaki | C | I |
4. | 屈身ヤマワキ | Yamawaki Pk | D | I |
5. | ホンマ十字懸垂 | Whippet to Cross | D | III |
6. | アザリアン | Back Roll to Cross | D | II |
7. | ほん転逆上がり倒立 | Felge to Hdst | C | I |
8. | 後ろ振り上がり倒立 | Back Uprise to Hdst | C | I |
9. | 後方車輪倒立経過 | Back Giant thru Hdst | B | I |
10. | 後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下り | Double Back 2/1 | E | IV |
D:5.7
表示されたDスコアは5.3で、予定より0.4足りません。テレビ中継ではホンマ十字懸垂が認定されなかったのではないかと言われていましたが、個人的にはそこまで悪い実施であったようには見えず、本当にこのホンマ十字懸垂が認定されなかったのか疑問が残ります。
続くアザリアンで、振動を使っており後方け上がり十字懸垂として判定されたのではないか(この場合、ホンマ十字懸垂と同じグループの十字懸垂となるため、不認定となってしまいます)という見方もありますが、このアザリアンもそこまで怪しい実施とは到底思えません。
十字懸垂以外では、中水平の肩の位置が高いと見られた可能性もありますが、この場合は上水平として判定されるため、やはりDスコアが合いません。
結局のところ、何が不認定になったのかは明確には分からないのですが、他に取れる技もないことからいずれかのD難度技が不認定になったものと考えられます。橋本は2021年東京オリンピック:個人総合のつり輪でもDスコアが減じられています。この時のような「体操あるある」と言わざるを得ない微妙な判定が今回も起こってしまったことは非常に残念です。
なお、この問題を取り扱ったこちらのニュース記事では明らかな事実誤認がありますので、指摘をしておきます。
この記事では、ホンマ十字懸垂が分割され、ホンマ(B:I)+十字懸垂(B:II)+アザリアン(不認定)と判定されたとしていますが、選手の意図と異なる技は認められないのでホンマは取れないはずですし、そもそもグループIが5技を超えてしまいます。
ホンマの後の十字懸垂自体は2秒静止しているので認められますが、その後にアザリアン(D:II)を実施しており、このように姿勢とグループが被った場合は難度が高い方が採用されます。よってアザリアン(D:II)は認定されており、十字懸垂(不認定)+アザリアン(D:II)が正しいと思われます。まぁ結果(Dスコア)は変わらないのですが。
この記事へのコメント
ガウチョ
むしろ良い部類の実施ではないかとすら思います。
岡選手も同じような採点でしたし、ホンマ十字に対してだけやたら厳しくないですかね。
Ka.Ki.
Hong Asher.