岡慎之助 - 2024年全日本選手権:個人総合の演技

OKA Shinnosuke (JPN)
2024 JPN Nationals AA


2024年全日本選手権、2位の岡慎之助の演技です。

#1 ゆか FX


1.後方伸身2回宙返り1回ひねりDouble Back Lay 1/1EIII
2.前方伸身宙返り1回ひねりFront Lay 1/1CII
3.~前方伸身宙返り5/2ひねり+ Front Lay 5/2EII
4.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねりDouble Back 2/1EIII
5.シュピンデル・ゴゴラーゼ1/1 Spindle to GogoladzeDI
6.ゴゴラーゼGogoladzeCI
7.マンナから伸腕屈身力倒立Manna Press to HdstDI
8.前転脚前挙支持経過閉脚倒立Endo Roll Pk to HdstCI
9.後方伸身宙返り2回ひねりBack Lay 2/1CIII
10.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII

D:5.9
E:8.633
Score:14.533

2023年と同じ構成で、最初の伸身月面、中盤の4技連続のグループIが見どころ。構成が変わらない分、熟練度は上がっており、今大会は予選、決勝を通じて安定した実施で14.5点台を揃えた。


#2 あん馬 PH


1.正交差倒立Front Scissor to HdstDI
2.ブスナリBusnariFII
3.アイヒホルン〈落下して再試技〉Flair 1/1 Spindle Travel and ReturnEII
4.横向き旋回1回ひねりFlair 1/1 SpindleDII
5.両把手を越えて横移動Side Hop Travel 3/3DIII
6.マジャールMagyarDIII
7.シバドSivadoDIII
8.縦向き前移動(1/2)Front Loop Travel 1/2BIII
9.あん部馬背縦向き旋回Loop btw PommelsBII
10.下向き逆移動倒立450°ひねり3/3移動下りBack Stöckli to Hdst Travel 3/3 450EIV

D:6.0
E:7.633
Score:13.633

動画は予選の演技。決勝も構成は同じだったが、アイヒホルンで落下し、再試技してDスコアを確保している。


#3 つり輪 SR


1.後ろ振り上がり中水平支持Back Uprise to MalteseEIII
2.中水平支持MalteseDII
3.後ろ振り上がり十字倒立Back Uprise to Inv-CrossEIII
4.後ろ振り上がり倒立Back Uprise to HdstCI
5.屈身ヤマワキYamawaki PkDI
6.ヤマワキYamawakiCI
7.ホンマ十字懸垂Whippet to CrossDIII
8.ほん転逆上がり倒立Felge to HdstCI
9.後方車輪倒立経過Back Giant thru HdstBI
10.後方伸身2回宙返り2回ひねり下りDouble Back Lay 2/1FIV

D:5.9
E:8.566
Score:14.466

つり輪のDスコアは膝の負傷前の2022年と比べると、なんと1.0も上がっている。十字倒立はやや揺れるが、全体的には安定した実施を見せる。伸身新月面の着地は手を回すが何とか止める。


#4 跳馬 VT

DEPenScore
ドリッグスKasamatsu Lay 3/2I5.29.13314.333

動画がないが、跳馬はドリッグス。着手姿勢や空中姿勢では膝の緩みや脚の開きが気になる。着地もやや沈み込み前に跳ねるが、その割にはEスコアは出た印象。


#5 平行棒 PB


1.後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持Back Uprise Front Pk to SupDII
2.棒下宙返りひねり倒立Basket 1/2 to HdstEIII
3.棒下宙返り倒立Basket to HdstDIII
4.車輪ディアミドフGiant DiamidovEIII
5.マクーツMakutsEI
6.ヒーリーHealyDI
7.前方開脚5/4宙返り腕支持5/4 Front StrdDI
8.バブサーBhavsarEIII
9.チッペルトTippeltDIII
10.前方かかえ込み2回宙返りひねり下りDouble Front 1/2EIV

D:6.5
E:8.700
Score:15.200

いわゆるツイスト(C)を爆弾カットに替えてDスコアを0.1上げている。棒下ひねり倒立では少し乱れ歩いてしまったが、それ以外は安定した実施を見せ、熟練した技捌きと言ってもよい。着地はわずかに跳ねるが、15.200という高い決定点を出す。


#6 鉄棒 HB


1.アドラー1回ひねり逆手〈振り戻って再試技〉Jam 1/1 to UGEIII
2.アドラーひねりJam 1/2DIII
3.コールマンKolmanEII
4.伸身トカチェフTkatchev LayDII
5.トカチェフTkatchevCII
6.後方浮腰回転後ろ振り出し順手背面懸垂Stoop in to Back TossCIII
7.順手背面車輪Czech GiantDI
8.ケステKosteCIII
9.閉脚シュタルダーStalder PkCIII
10.後方伸身2回宙返り2回ひねり下りDouble Back Lay 2/1EIV

D:5.9
E:8.033
Score:13.933

動画は予選の演技。決勝も構成は同じだが、アドラー1回ひねりで振り戻り、技をやり直している。アドラー系などの振り戻りは以前のルールでは0.5の減点だったが、2022年のルール改訂で不認定かつ0.3の減点に変更されたため、Dスコアを確保するためにはこのようにやり直しが必要となる。手放し技はいずれも安定した実施を見せる。着地は後ろに小さく動く。

Total Score:86.098 (Total D:35.4)
Combined Total:172.264
Rank:2nd



大怪我から復帰した新星がオリンピックイヤーの2024年に一気に躍進。予選で86.166を出して2位に付けると、決勝でもあん馬で落下、鉄棒で技の失敗がありながらも86点台を出して、橋本大輝に続く2位の位置をキープしました。あん馬や鉄棒の失敗がなければ、それだけで87.5点程度は出ていたことになり、橋本の2日目に迫っていました。合計Dスコアも35.4と大幅にアップしています。

NHK杯はこの全日本の得点との合計で競われるため、現時点でかなりパリオリンピックに近づいたと言っても過言ではないでしょう。NHK杯も全日本と同様、2試合あるのでまだまだ分かりませんが、ミスのない、より安定した6種目×2日間の演技を通すことができれば、パリで躍動する姿を見ることができそうです。

この記事へのコメント

  • コッコ

    岡選手は倒立の美しさが凄く際立っていると思います。特に吊り輪の倒立であそこまで肩の線がまっすぐな選手は過去を遡っても殆どいないレベルだと思います。

    無事に代表入りして日本が掲げる「美しい体操」を世界に見せつけてほしいですね。
    2024年04月16日 23:37
  • Ka.Ki.

    平行棒の倒立や鉄棒の車輪も真っ直ぐで、体操センスは際立ったものがありますね。気になるのはまだ少し波があることでしょうか。とにかく安定感を突き詰めて頑張ってほしいです。
    2024年04月17日 20:31