橋本大輝 - 2024年全日本選手権:個人総合の演技

HASHIMOTO Daiki (JPN)
2024 JPN Nationals AA


いよいよ2024年パリオリンピックの代表選考が始まりました。その最初の試合、全日本選手権は橋本大輝が圧勝して4連覇を達成しています。演技を見ていきましょう。

#1 ゆか FX


1.リ・ジョンソンDouble Back 3/1GIII
2.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねりDouble Back 2/1EIII
3.前方伸身宙返り1回ひねりFront Lay 1/1CII
4.~前方伸身宙返り5/2ひねり+ Front Lay 5/2EII
5.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
6.~前方伸身宙返り+ Front LayBII(CV:0.1)
7.後方伸身宙返り7/2ひねりBack Lay 7/2EIII
8.フェドルチェンコFedorchenkoCI
9.開脚座から力十字倒立Split Press to Japanese HdstCI
10.後方伸身宙返り3回ひねりBack Lay 3/1DIII

D:6.2
E:8.800
Score:15.000

リ・ジョンソン、新月面、後方7/2の全てを入れた新構成。後方2回(C)が構成から外れており、後方5/2~前方伸身の連続をサイドラインで行っている。リ・ジョンソンの着地は動くが、新月面は止める。最後の後方3回はやや足が開いたが着地自体は止めてみせた。15.000は2022年以降では自己最高のスコア。


#2 あん馬 PH


1.アイヒホルンFlair 1/1 Spindle Travel and ReturnEII
2.横向き旋回1回ひねりFlair 1/1 SpindleDII
3.正交差倒立Front Scissor to HdstDI
4.Eフロップ4 FlopsEII
5.Dコンバイン2 Flops + R180DII
6.ウ・グォニアンRussian Travel 3/3 720EIII
7.ロスRussian Travel 3/3 360DIII
8.マジャールMagyarDIII
9.シバドSivadoDIII
10.一把手上縦向き旋回倒立450°ひねり3/3移動下りP Loop to Hdst Travel 3/3 450EIV

D:6.4
E:8.733
Score:15.133

終始安定した旋回で演技を通す。かつてあれほど苦しんでいたロシアン転向移動技も危なげなく実施している。終末技もしっかりE難度で下りて、Dスコア6.4は2022年全日本の予選以来、決定点15.133はこちらも2022年以降の自己最高スコア。


#3 つり輪 SR


1.中水平支持MalteseDII
2.後ろ振り上がり中水平支持Back Uprise to MalteseEIII
3.ヤマワキYamawakiCI
4.屈身ヤマワキYamawaki PkDI
5.ホンマ十字懸垂Whippet to CrossDIII
6.アザリアンBack Roll to CrossDII
7.ほん転逆上がり倒立Felge to HdstCI
8.後ろ振り上がり倒立Back Uprise to HdstCI
9.後方車輪倒立経過Back Giant thru HdstBI
10.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下りDouble Back 2/1EIV

D:5.7
E:8.466
Score:14.166

2022年のルール改訂を機に入れた十字倒立を抜いて、け上がり中水平を入れており、Dスコアは0.1下がっている。力技の決めは安定しており、振動倒立もピタリと決めている。新月面の着地は低い体勢になり、前に1歩跳ねる。


#4 跳馬 VT


DEPenScore
ロペスKasamatsu Lay 2/1I5.69.50015.100

雄大で安定したロペスを見せる。着地は後ろに1歩跳ねたが、Eスコアは9.500とかなり伸びる。


#5 平行棒 PB


1.後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持Back Uprise Front Pk to SupDII
2.棒下宙返りひねり倒立Basket 1/2 to HdstEIII
3.棒下宙返り倒立Basket to HdstDIII
4.マクーツMakutsEI
5.ヒーリーHealyDI
6.前方開脚5/4宙返り腕支持5/4 Front StrdDI
7.バブサーBhavsarEIII
8.チッペルトTippeltDIII
9.前振りひねり倒立Stützkehr to HdstCI
10.前方かかえ込み2回宙返りひねり下りDouble Front 1/2EIV

D:6.3
E:8.466
Score:14.766

マクーツを入れるのは2022年全日本種目別以来だが、フル構成となるDスコア6.3を通すのは初めて。最初のいわゆるホンマで腕が攣ってしまったしまったそうだが、それを感じさせないいつもどおりの安定した演技を見せた。着地は後ろに前に跳ねてしまった。


#6 鉄棒 HB


1.後ろ振り上がり倒立Back UpriseAI
2.アドラーひねりJam 1/2DIII
3.カッシーナCassinaGII
4.コールマンKolmanEII
5.伸身トカチェフTkatchev LayDII
6.~トカチェフ+ TkatchevCII(CV:0.1)
7.アドラー1回ひねり逆手Jam 1/1 to UGEIII
8.シュタルダーStalderBIII
9.後方とび車輪1回ひねりHop 1/1CI
10.後方伸身2回宙返り2回ひねり下りDouble Back Lay 2/1EIV

D:6.0
E:7.800
Score:13.800

予選ではDスコア6.7のフル構成を見せていたが、決勝ではリューキンを抜く安全策で挑んだ。アドラー1回ひねりが流れ気味の実施になる。終末技の伸身新月面も着地が前にかかり、大きく乱れてしまった。

Total Score:87.965 (Total D:36.2)
Combined Total:176.164
Rank:1st



橋本大輝が、2位の岡慎之助に3.900差を付ける圧巻の演技で堂々の4連覇。予選では88.199という高得点を出し、いち早く決めたパリオリンピック代表の実力を示しました。Dスコアを上げる姿勢も素晴らしく、予選の合計Dスコアは自己最高の36.9まで上がっています。

一方決勝では平行棒で腕が攣り、鉄棒の着地では大きく乱れるという体力的な課題も顕わになりました。NHK杯も今回と同様の連戦となりますが、次はしっかりと克服して最後まで素晴らしい演技を見せてくれるものと期待しています。

この記事へのコメント

  • おんちっち

    こんにちは。
    五輪代表が内定しているだけに、かなり攻めの構成で
    楽しめました❗
    あん馬も精神的に楽だったのだと思います(^_^)
    十字倒立やヨネクラ、リューキン等も持っている筈なので
    体調や試合展開次第で見てみたいですね❗

    また、二位以下の混戦ぶりもNHK杯では面白そうです。
    2024年04月16日 12:55
  • Ka.Ki.

    橋本選手、圧勝でした。十字倒立やヨネクラはもうやってこないような気もしますが、リューキンはここ一番の場面では躊躇なく入れてくるでしょうね。

    NHK杯での代表争いも目が離せませんが、個人的には全日本種目別が秋開催になり、2大会で全ての代表が決まってしまうのが惜しい気もします…。
    2024年04月16日 20:31