ジェイク・ジャーマン - 2024年全英選手権：個人総合の演技

JARMAN Jake (GBR)
2024 GBR Nationals Liverpool AA

2024年全英選手権、個人総合2位のジェイク・ジャーマンの演技です。ローテーションはあん馬からでした。

#1 あん馬 PH

1.	正交差倒立	Front Scissor to Hdst	D	I
2.	Eフロップ	4 Flops	E	II
3.	Dコンバイン	2 Flops + R180	D	II
4.	トン・フェイ	Tong Fei	D	III
5.	ロス	Russian Travel 3/3 360	D	III
6.	馬端馬背ロシアン1080°転向	Leather Russian 1080	D	II
7.	縦向き前移動(1-2-5)	Front Loop Travel 1-2-5	D	III
8.	シバド	Sivado	D	III
9.	一把手上縦向き旋回	Pommel Loop	B	II
10.	一把手上縦向き旋回倒立3/3移動下り	P Loop to Hdst Travel 3/3	D	IV

D:5.9
E:8.500
Score:14.400

ところどころ旋回の乱れはあるが、全体的には安定した実施を見せる。あん馬は徐々に難度も上げているが、今回は実施も無難に通し、おそらく自身初となる14点台のハイスコアを出している。

#2 つり輪 SR

1.	後ろ振り上がり上水平支持	Back Uprise to Planche	D	III
2.	十字懸垂	Cross	B	II
3.	前方懸垂回転	Inlocate	A	I
4.	ヤマワキ	Yamawaki	C	I
5.	後ろ振り上がり開脚前挙支持	Back Uprise to Strd L-Sit	B	I
6.	伸腕屈身力倒立	Pike Press to Hdst	B	II
7.	ほん転逆上がり倒立	Felge to Hdst	C	I
8.	後方車輪倒立経過	Back Giant thru Hdst	B	I
9.	後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下り	Double Back 2/1	E	IV

D:4.4
E:8.350
Score:12.750

屈身ヤマワキ(D)を抜いているためDスコアは下がっている。開脚前挙支持では輪が大きく揺れ、その後の倒立も安定しなかったが、最後に新月面の着地を止め切るところには強さを感じる。

#3 跳馬 VT

			D	E	Pen	Score
ヨネクラ	Kasamatsu Lay 5/2	I	6.0	8.050		14.050

跳馬はヨネクラを跳ぶが、着地が低くなり尻もちを突いてしまう。

#4 平行棒 PB

1.	後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持	Back Uprise Front Pk to Sup	D	II
2.	ヒーリー	Healy	D	I
3.	棒下宙返り倒立	Basket to Hdst	D	III
4.	棒下宙返りひねり倒立	Basket 1/2 to Hdst	E	III
5.	ディアミドフ	Diamidov	C	I
6.	屈膝モイ	Bent Legs Moy	B	III
7.	バブサー	Bhavsar	E	III
8.	チッペルト	Tippelt	D	III
9.	前振りひねり倒立	Stützkehr to Hdst	C	I
10.	前方かかえ込み2回宙返りひねり下り	Double Front 1/2	E	IV

D:6.0（正しくはD:5.9）
E:8.650
Score:14.650

従来構成の演技でDスコアは5.9のはずだが、6.0が出ている。実施はツイストで大きく反るなど多少の乱れもあるが、全体的には無難に通す。着地をピタリと止める。

#5 鉄棒 HB

1.	後ろ振り上がり倒立	Back Uprise	A	I
2.	アドラーひねり	Jam 1/2	D	III
3.	伸身トカチェフ	Tkatchev Lay	D	II
4.	トカチェフ	Tkatchev	C	II
5.	アドラー	Jam	C	III
6.	大逆手車輪	Giant El	B	I
7.	逆手背面車輪	Russian Giant	C	I
8.	エンドー	Endo	B	III
9.	シュタルダー	Stalder	B	III
10.	後方伸身2回宙返り2回ひねり下り	Double Back Lay 2/1	E	IV

D:4.9
E:9.000
Score:13.900

カッシーナ(G)を入れることもあるが、通常はこの程度の構成を用いることが多い。スムーズな実施を見せる。着地は後ろに1歩跳ねる。

#6 ゆか FX

1.	後転とび	Back Hdsp	A	III
2.	シライ3	Double Back Lay 3/1	H	III
3.	後方伸身宙返り5/2ひねり	Back Lay 5/2	D	III
4.	～前方かかえ込み2回宙返り	+ Double Front	D	II	(CV:0.2)
5.	リ・ジョンソン	Double Back 3/1	G	III
6.	後方伸身宙返り3回ひねり	Back Lay 3/1	D	III
7.	フェドルチェンコ	Fedorchenko	C	I
8.	前方伸身宙返り1回ひねり	Front Lay 1/1	C	II
9.	～前方伸身宙返り5/2ひねり	+ Front Lay 5/2	E	II
10.	後方伸身宙返り7/2ひねり	Back Lay 7/2	E	III

D:6.6
E:8.000
Score:14.600

シライ3は空中でひねり切り余裕を持って着地する素晴らしい実施。これまでは後方5/2～前方伸身～前方2回(D+B+D)の3連続を入れたDスコア6.7の構成を使っていたが、今回は後方5/2～前方ダブルにしており、A難度技が1つ入る6.6の構成。こちらの方が効率的に実施できるか。序盤は着地を止めていたが、中盤以降は動く。

Total Score:84.350 (Total D:33.8)
Rank:2nd

---

跳馬でのミスが響き、優勝をジョー・フレイザーに譲っての2位となりましたが、全体的には良好な実施を揃えました。ヨネクラの尻もちがなければ85点台に乗せており、現時点でのイギリスのエースはジャーマンと言っても問題ないと思いますが、（シニアでの）全英選手権の優勝経験はいまだありません。是非とも欲しいタイトルでしょう。

このままいけばパリオリンピックの代表は濃厚と見られます。今回は個人総合ですが、何よりゆかと跳馬に抜き出た力を持つ選手。オリンピックでの活躍が大いに期待されます。