Front Uprise + Back Swing to Hdst on PB
最近の平行棒における気になる動きとして、倒立から単純な前振り上がり(A)~後ろ振り倒立(A)(後ろ振り倒立ひねりを含む。以下同様)をするというムーブがあります。
2023年の世界選手権、平行棒で優勝したルーカス・ダウザー(ドイツ)の演技では、5技目の前振り上がりひねり倒立(E)の後に入っています。
もちろん、前振り上がりも後ろ振り倒立も難度表に記載されているれっきとしたA難度技であり、この動きは現在のルールにおいては何らの問題もありません。チャンピオンもやっている動きの何が悪いのかと言われてしまうかもしれません。
しかし、この動きは多くの選手によってディアミドフ(C)のように倒立への収めが難しい技の後によく行われており、調整やごまかしといった性質が強い動きと言わざるを得ないのが実情です。ダウザーもルーチンのように常にこの動きを入れていますが、前振り上がりひねり倒立の後の倒立の調整が目的と思われます。
以下は、アレク・ヨーダー(アメリカ)の2018年全米選手権での演技。1日目はディアミドフからディアミドフひねりに続けていますが、2日目はディアミドフの倒立がはまらなかったか、Dスコアに関与しない前振り上がり~後ろ振り倒立を挟んでいます。
前振り上がりでしかグループIIが取れない選手もいますから、その場合の実施はやむを得ないと思います。演技の入り技としての前振り上がり~後ろ振り倒立についても(個人的にはあまり好きではないですが)ここで問題にするつもりはありません。宙返り技のように腕支持で受ける技からの前振り上がり~後ろ振り倒立も必然の動きなので同様です。
しかし、B難度以上の技でグループIIが取れている演技において倒立から単純な前振り上がり~後ろ振り倒立をする場合は、ダブルスイングや無価値な動きとまでは言いませんが、どうにも違和感を感じてしまいます。
2023年7月に発行されたニュースレター No.3では新たに「ディアミドフのように倒立で完了する技では、選手は懸垂や腕支持などの次の技に続ける前に、明確な倒立姿勢を示さなければならない。そうでない場合は、技が不認定となる可能性がある。」と通達されましたが、厳格に適用されるかは微妙な気がします。もちろん、前振り上がり~後ろ振り倒立の実施についての通達は現時点では何もありません。
個人的には倒立から単純にこの動きをするのであれば、その前に倒立の2秒静止または倒立ひねりを入れることを必須条件としたい気持ちです。2025年からは新ルールとなるため、今年中には新たな採点規則が公開されるはずですが、何らかの対策が取られるでしょうか。
この記事へのコメント
かみん
Ka.Ki.
演技の流れという意味でも、前振り上がり~後ろ振り倒立は非常によくない印象がありますし、やはり何とかならないものかと思ってしまいます。