張博恒 - 2023年アジア競技大会:個人総合の演技

ZHANG Boheng (CHN)
2023 Asian Games Hangzhou (CHN) AA


2023年杭州アジア競技大会、個人総合優勝の張博恒(中国)の演技です。

#1 ゆか FX


1.前方伸身宙返り2回ひねりFront Lay 2/1DII
2.~前方屈身2回宙返り+ Double Front PkEII(CV:0.2)
3.後方伸身宙返り7/2ひねりBack Lay 7/2EIII
4.前方伸身宙返り5/2ひねりFront Lay 5/2EII
5.後方伸身宙返り2回ひねりBack Lay 2/1CIII
6.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
7.~前方伸身宙返り+ Front LayBII(CV:0.1)
8.フェドルチェンコFedorchenkoCI
9.開脚座から力十字倒立Split Press to Japanese HdstCI
10.後方伸身宙返り3回ひねりBack Lay 3/1DIII

D:6.1
E:8.400
Score:14.500

従来構成のDスコア6.1をきっちり通す。着地は全体的に動き、特に後方7/2は大きく1歩踏み出してしまった。


#2 あん馬 PH


1.正交差倒立Front Scissor to HdstDI
2.後ろ振り倒立Back Swing to HdstCI
3.ショーンSohnEII
4.Dコンバイン2 Flops + R180DII
5.ロスRussian Travel 3/3 360DIII
6.トン・フェイTong FeiDIII
7.マジャールMagyarDIII
8.シバドSivadoDIII
9.馬端馬背ロシアン720°転向Leather Russian 720CII
10.一把手上縦向き旋回倒立3/3移動下りP Loop to Hdst Travel 3/3DIV

D:5.9
E:8.700
Score:14.600

セア倒立はやや安定感に欠ける実施となったが、その後は危なげなく演技を通す。終末技前のロシアン転向は720°に抑えている。終末技はD難度。


#3 つり輪 SR


1.後方伸腕伸身逆上がり中水平支持Back Roll to MalteseEII
2.後方け上がり中水平支持Back Kip to MalteseEIII
3.屈身ヤマワキYamawaki PkDI
4.ヤマワキYamawakiCI
5.後ろ振り上がり上水平支持Back Uprise to PlancheDIII
6.アザリアンBack Roll to CrossDII
7.ホンマ十字懸垂Whippet to CrossDIII
8.後ろ振り上がり倒立Back Uprise to HdstCI
9.ほん転逆上がり倒立Felge to HdstCI
10.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下りDouble Back 2/1EIV

D:6.0
E:8.933
Score:14.933

ワールドユニバーシティゲームズでも見せたDスコア6.0の抑えめの構成。水平系の技の姿勢は良いが、後ろ振り上がり上水平はややケーブルが揺れたか。アザリアンももう少しゆっくり捌けると良い。ほん転逆上がり倒立でぐらつくが、着地は小さな1歩に収める。


#4 跳馬 VT


DEPenScore
ロペスKasamatsu Lay 2/1I5.69.1000.114.600

跳馬はロペス。着地で片足1歩動き、ラインを割ってしまう。


#5 平行棒 PB


1.シャルロBasket to 1 Rail HdstEIII
2.単棒ヒーリー1 Rail HealyEI
3.リチャードFront Uprise DiamidovEII
4.後方車輪倒立Back Giant to HdstCIII
5.棒下宙返り倒立Basket to HdstDIII
6.前方開脚5/4宙返り腕支持5/4 Front StrdDI
7.バブサーBhavsarEIII
8.チッペルトTippeltDIII
9.ヒーリーHealyDI
10.前方かかえ込み2回宙返りひねり下りDouble Front 1/2EIV

D:6.4
E:9.066
Score:15.466

従来構成の演技。全体的に安定しているが、特に最初のシャルロから単棒ヒーリーは非常に良好な実施を見せる。着地は後ろに小さく1歩跳ねる。


#6 鉄棒 HB


1.アドラー1回ひねり逆手Jam 1/1 to UGEIII
2.アドラーひねりJam 1/2DIII
3.~コールマン+ KolmanEII(CV:0.2)
4.カッシーナCassinaGII
5.伸身トカチェフTkatchev LayDII
6.後方浮腰回転後ろ振り出し順手背面懸垂Stoop in to Back TossCIII
7.順手背面車輪Czech GiantDI
8.ケステKosteCIII
9.シュタルダーStalderBIII
10.後方伸身2回宙返り2回ひねり下りDouble Back Lay 2/1EIV

D:6.4
E:8.800
Score:15.200

安全策で演技をすれば優勝確実なこの状況でフル構成を持ってくる。雄大な演技を見せ、着地もピタリと止める。

Total Score:89.299 (Total D:36.4)
Rank:1st



Eスコアは全体的に甘めの印象がありますが、89点台という驚異的な得点で張博恒が優勝を飾りました。2位の北園丈琉に2点以上の差をつける圧勝。特に最後の鉄棒では12.933以上で優勝という状況でフル構成を実施し、圧巻の演技で突き放しました。

世界選手権ではなく自国開催のアジア競技大会に主力を集中させてきた中国ですが、2024年パリオリンピックでは間違いなく橋本大輝とのフル構成同士の戦いが見られるでしょう。ゆかの着地やあん馬、つり輪のDスコアなどまだまだ得点を伸ばせる箇所があり、来年にはさらに進化した姿を見せてくれそうです。楽しみでもあり恐ろしくもあります。

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