橋本大輝 - 2023年全日本選手権:個人総合の演技

HASHIMOTO Daiki (JPN)
2023 JPN Nationals AA


2023年の全日本選手権は橋本大輝が3連覇を達成しました。演技を見ていきましょう。

#1 ゆか FX


1.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねりDouble Back 2/1EIII
2.後方伸身宙返り7/2ひねりBack Lay 7/2EIII
3.前方伸身宙返り1回ひねりFront Lay 1/1CII
4.~前方伸身宙返り5/2ひねり+ Front Lay 5/2EII
5.後方伸身宙返り2回ひねりBack Lay 2/1CIII
6.フェドルチェンコFedorchenkoCI
7.開脚座から力十字倒立Split Press to Japanese HdstCI
8.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
9.~前方伸身宙返り+ Front LayBII(CV:0.1)
10.後方伸身宙返り3回ひねりBack Lay 3/1DIII

D:5.8
E:8.166
Score:13.966

今大会はリ・ジョンソン(G)は抜いている。最初の2本は新月面と後方7/2で、着地はともに軽く跳ねる。最後の後方3回も大きく1歩踏み出してしまう。


#2 あん馬 PH


1.アイヒホルンFlair 1/1 Spindle Travel and ReturnEII
2.横向き旋回1回ひねりFlair 1/1 SpindleDII
3.正交差倒立Front Scissor to HdstDI
4.Eフロップ4 FlopsEII
5.Dコンバイン2 Flops + R180DII
6.ウ・グォニアンRussian Travel 3/3 720EIII
7.ロスRussian Travel 3/3 360DIII
8.マジャールMagyarDIII
9.シバドSivadoDIII
10.一把手上縦向き旋回倒立3/3移動下りP Loop to Hdst Travel 3/3DIV

D:6.3
E:8.100
Score:14.400

2022年までロシアン転向移動技に苦しみ、ウ・グォニアンやロスを入れたり抜いたりしていたが、今大会はこの両技をしっかり成功させている。フロップで少し旋回が揺れた以外は全体的に安定した実施を見せた。


#3 つり輪 SR


1.後ろ振り上がり中水平支持Back Uprise to MalteseEIII
2.後ろ振り上がり十字倒立Back Uprise to Inv-CrossEIII
3.屈身ヤマワキYamawaki PkDI
4.ヤマワキYamawakiCI
5.ホンマ十字懸垂Whippet to CrossDIII
6.アザリアンBack Roll to CrossDII
7.ほん転逆上がり倒立Felge to HdstCI
8.後ろ振り上がり倒立Back Uprise to HdstCI
9.後方車輪倒立経過Back Giant thru HdstBI
10.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下りDouble Back 2/1EIV

D:5.8
E:8.000
Score:13.800

従来構成の演技。終末技は2022年全日本学生選手権で伸身新月面(F)を見せたが、今大会は新月面。全体的にはまとまった実施を見せる。着地は前に両足1歩跳ねる。


#4 跳馬 VT


DEPenScore
ロペスKasamatsu Lay 2/1I5.68.60014.200

跳馬はロペス。着地が低くなり、手を突くことは免れたが、膝がマットに付いたと判定されたか、Eスコアは伸びなかった。


#5 平行棒 PB


1.後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持Back Uprise Front Pk to SupDII
2.ヒーリーHealyDI
3.棒下宙返りひねり倒立Basket 1/2 to HdstEIII
4.棒下宙返り倒立Basket to HdstDIII
5.後方車輪倒立Back Giant to HdstCIII
6.前方開脚5/4宙返り腕支持5/4 Front StrdDI
7.バブサーBhavsarEIII
8.チッペルトTippeltDIII
9.前振りひねり倒立Stützkehr to HdstCI
10.前方かかえ込み2回宙返りひねり下りDouble Front 1/2EIV

D:6.1
E:8.666
Score:14.766

平行棒は従来構成だが、正確で落ち着いた演技という印象。終末技も脚を開くことなく、着地も止めた。


#6 鉄棒 HB


1.後ろ振り上がり倒立Back UpriseAI
2.アドラーひねりJam 1/2DIII
3.カッシーナCassinaGII
4.コールマンKolmanEII
5.伸身トカチェフTkatchev LayDII
6.~トカチェフ+ TkatchevCII(CV:0.1)
7.アドラー1回ひねり片逆手Jam 1/1 to MGDIII
8.シュタルダーStalderBIII
9.後方とび車輪1回ひねりHop 1/1CI
10.後方伸身2回宙返り2回ひねり下りDouble Back Lay 2/1EIV

D:5.9
E:8.400
Score:14.300

鉄棒は安全策。リューキンを抜き、アドラー1回ひねりも片逆手にしている。その分、雄大で安定した捌きを見せ、伸身新月面の着地もピタリと止めてみせた。

Total Score:85.432 (Total D:35.5)
Combined Total:171.497
Rank:1st



予選1位を三輪哲平に譲り、決勝は2位からのスタートとなりましたが、1種目目のゆかを終えた時点で早くも暫定首位に立ち、そのまま最後の鉄棒までトップで突っ走りました。鉄棒では余裕を持って着地を止め、有終の美を飾っています。

合計Dスコアは35.5と、2022年全日本学生選手権の36.6と比べるとかなり抑え気味ですが、報道によれば1月に腰の疲労骨折が発覚し、練習もままならない日々が続いたとのこと。今回は、困難な状態にありながらも、難度や実施の調整を尽くして勝ち切ったところに橋本の強さ、巧さを見た気がします。

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