イリア・コフトゥン - 2023年ヨーロッパ選手権:個人総合の演技

KOVTUN Illia (UKR)
2023 Europeans Antalya (TUR) AA


2023年ヨーロッパ選手権・アンタルヤ大会、個人総合3位のイリア・コフトゥン(ウクライナ)の演技です。

#1 ゆか FX


1.前方伸身宙返り1回ひねりFront Lay 1/1CII
2.~前方かかえ込み2回宙返り+ Double FrontDII(CV:0.1)
3.前方屈身2回宙返りDouble Front PkEII
4.後方伸身宙返り7/2ひねりBack Lay 7/2EIII
5.前方伸身宙返り5/2ひねりFront Lay 5/2EII
6.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
7.~前方伸身宙返り+ Front LayBII(CV:0.1)
8.シュピンデル・ゴゴラーゼ1/1 Spindle to GogoladzeDI
9.ゴゴラーゼGogoladzeCI
10.後方伸身宙返り3回ひねりBack Lay 3/1DIII

D:6.1
E:7.900
Pen:0.1
Score:13.900

従来構成の演技。全体的に着地が止まらず、2本目の前方屈身ダブルでは片足がラインを割ってしまった。


#2 あん馬 PH


1.正交差倒立Front Scissor to HdstDI
2.横向き旋回CircleAII
3.シュテクリBDSBBII
Eフロップ〈失敗〉4 Flops
4.Eコンバイン2 Flops + R360EII
5.あん部馬背ロシアン1080°転向Russian 1080 btw PommelsEII
6.縦向き後ろ移動(2/3)Back Loop Travel 2/3BIII
7.トン・フェイTong FeiDIII
8.ウ・グォニアンRussian Travel 3/3 720EIII
9.馬端馬背ロシアン1080°転向Leather Russian 1080DII
10.DSA倒立3/3移動下りDSA to Hdst Travel 3/3DIV

D:5.6
E:7.366
Score:12.966

ブスナリ(F)は抜いている。フロップに失敗してシュテクリBの繰り返しになってしまった。終末技もE難度の450°ひねりを試みるが馬体に触れた程度の実施となりD難度判定になってしまったと思われる。


#3 つり輪 SR


1.中水平支持MalteseDII
2.後ろ振り上がり中水平支持Back Uprise to MalteseEIII
3.後ろ振り上がり開脚上水平支持Back Uprise to Strd PlancheBIII
4.ヤマワキYamawakiCI
5.屈身ヤマワキYamawaki PkDI
6.伸腕屈身力倒立Pike Press to HdstBII
7.ほん転逆上がり倒立Felge to HdstCI
8.後ろ振り上がり倒立Back Uprise to HdstCI
9.後方車輪倒立経過Back Giant thru HdstBI
10.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下りDouble Back 2/1EIV

D:5.3
E:8.200
Score:13.500

難度格下げになった後ろ振り上がり開脚上水平を一時は抜いていたが、再び取り入れている。ほん転逆上がり倒立でやや乱れた。新月面の着地は止める。


#4 跳馬 VT


DEPenScore
ドリッグスKasamatsu Lay 3/25.28.00013.200

ドリッグスの着地が不十分な体勢となり、まさかの尻もちを突いてしまう。


#5 平行棒 PB


1.棒下宙返りひねり倒立Basket 1/2 to HdstEIII
2.シャルロBasket to 1 Rail HdstEIII
3.単棒ヒーリー1 Rail HealyEI
4.前振り上がりひねり倒立Front Uprise 1/2 to HdstEII
5.後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持Back Uprise Front Pk to SupDII
6.ディアミドフひねり5/4 Diamidov to 1/4DI
7.マクーツMakutsEI
8.ヒーリーHealyDI
9.ピータースBack Toss 1/4 to HdstDI
10.前方かかえ込み2回宙返り下りDouble FrontEIV

D:6.6
E:8.833
Score:15.433

ここでフル構成の平行棒を持ってきた。実施も安定しており、着地も止めて15.433というハイスコアを出す。


#6 鉄棒 HB


1.ツォウ・リミンZou LiminCI
2.ヤマワキYamawakiCII
3.伸身トカチェフTkatchev LayDII
4.~トカチェフ+ TkatchevCII(CV:0.1)
5.~屈身トカチェフ+ Tkatchev PkCII(CV:0.1)
6.アドラー1回ひねり逆手Jam 1/1 to UGEIII
7.アドラーひねりJam 1/2DIII
8.シュタルダーStalderBIII
9.後方とび車輪1回ひねりHop 1/1CI
10.後方伸身2回宙返り2回ひねり下りDouble Back Lay 2/1EIV

D:5.7
E:8.333
Score:14.033

鉄棒でもトカチェフ系の3連続を入れ、安定した実施を見せる。着地も止めた。

Total Score:83.032 (Total D:34.5)
Rank:3rd



予選1位通過のコフトゥンでしたが、決勝では実施に苦しみました。あん馬では予定の演技ができず、跳馬では尻もち。4種目目を終えた時点での順位は18位まで落ち込んでいました。しかしここから不屈の精神力を見せます。平行棒で見事な演技を見せて一気に5位まで順位を上げると、最後の鉄棒でも力を見せ、表彰台に滑り込んでみせました。

決勝は本来の出来ではなかったと思われますが、合計Dスコア自体はかなり高いレベルまで上げてきており、あん馬で予定のDスコアを出していれば2022年以降では最高の合計Dスコアとなっていました。2024年パリオリンピックを到達点と見据えるならば、むしろ順調な道のりであると言えるのかもしれません。

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