ユル・モルダウアー - 2023年ウィンターカップ:個人総合の演技

MOLDAUER Yul (USA)
2023 Winter Cup Louisville, KY AA


シーズンの到来を告げる体操界の風物詩ウィンターカップですが、今年も種目別ワールドカップと重なったため、紹介がすっかり遅くなりました。優勝したユル・モルダウアーの演技内容を確認しておきます。ローテーションは鉄棒からでした。

#1 鉄棒 HB


1.エンドーEndoBIII
2.ツォウ・リミンZou LiminCI
3.アドラー1回ひねり逆手Jam 1/1 to UGEIII
4.アドラーひねりJam 1/2DIII
5.コールマンKolmanEII
6.トカチェフTkatchevCII
7.後方とび車輪3/2ひねりHop 3/2 to MGCI
8.後方とび車輪1回ひねりHop 1/1CI
9.後方片手車輪1 Arm Back GiantBI
10.後方伸身2回宙返り1回ひねり下りDouble Back Lay 1/1DIV

D:5.4
E:8.100
Score:13.500

構成は2022年から変わっていない。手放し技をもっと雄大に捌けるようになるとさらに良い。着地はほぼ止める。


#2 ゆか FX


1.前方伸身宙返り5/2ひねりFront Lay 5/2EII
2.前方伸身宙返り2回ひねりFront Lay 2/1DII
3.~前方伸身宙返り1回ひねり+ Front Lay 1/1CII
4.後ろとびひねり前方かかえ込み2回宙返りひねりArabian Double 1/2DIII
5.シュピンデル・ゴゴラーゼ1/1 Spindle to GogoladzeDI
6.ゴゴラーゼGogoladzeCI
7.後方伸身宙返り2回ひねりBack Lay 2/1CIII
8.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
9.~前方伸身宙返り+ Front LayBII(CV:0.1)
10.後方伸身宙返り3回ひねりBack Lay 3/1DIII

D:5.7
E:8.700
Score:14.400

ゆかも構成は2022年から変わっていない。ゴゴラーゼで下ろして旋回して正面支持になる前にブレイクダンスの動きに入っている。ここでは認定されているようだが、不認定となる可能性もあるためしっかり正面支持まで実施しておきたい。全体的に着地をよく止めるが、終盤の後方5/2~前方伸身は着地が動く。多くの選手が使っている連続だけにしっかり止めておきたいところ。


#3 あん馬 PH


1.正交差横移動ひねり逆交差入れFront Double Scissor Travel SdwCI
2.正交差倒立Front Scissor to HdstDI
3.アイヒホルンFlair 1/1 Spindle Travel and ReturnEII
4.横向き旋回1回ひねりFlair 1/1 SpindleDII
5.Eコンバイン2 Flops + R360EII
6.Dフロップ3 FlopsDII
7.マジャールMagyarDIII
8.シバドSivadoDIII
9.一把手上縦向き旋回Pommel LoopBII
10.一把手上縦向き旋回倒立3/3移動下りP Loop to Hdst Travel 3/3DIV

D:5.9
E:7.950
Bonus:0.107
Score:13.957

ミクラック(D)を正交差倒立に替えている。また、2022年にはベルキ(E)も見せていたが、今回はシュピンデルにしている。開脚のシバドでは角度減点を受けているか。


#4 つり輪 SR


1.後ろ振り上がり中水平支持Back Uprise to MalteseEIII
2.後ろ振り上がり上水平支持Back Uprise to PlancheDIII
3.伸身ホンマ支持後ろ振り倒立Homma Lay Swing to HdstDI
4.アザリアンBack Roll to CrossDII
5.ヤマワキYamawakiCI
6.屈身ヤマワキYamawaki PkDI
7.ホンマ十字懸垂Whippet to CrossDIII
8.後ろ振り上がり倒立Back Uprise to HdstCI
9.後方車輪倒立経過Back Giant thru HdstBI
10.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下りDouble Back 2/1EIV

D:5.8
E:8.200
Bonus:0.114
Score:14.114

2022年は伸身ホンマ(C)や中水平(D)を実施していたが、今回は以前使っていたアザリアンを復活させている。着地は1歩跳ねる


#5 跳馬 VT


DEPenScore
ドリッグスKasamatsu Lay 3/25.29.1500.114.250

跳馬はドリッグス。着地は横に跳ねて片足ラインオーバーとなる。


#6 平行棒 PB


1.棒下宙返り倒立Basket to HdstDIII
2.棒下宙返りひねり倒立Basket 1/2 to HdstEIII
3.ディアミドフDiamidovCI
4.ハラダFront Uprise Back Toss 1/2DII
5.バウマンGiant MakutsFIII
6.車輪ディアミドフGiant DiamidovEIII
7.マクーツMakutsEI
8.ヒーリーHealyDI
9.懸垂前振り後方かかえ込み宙返りひねり腕支持Giant Back Toss 1/2DIII
10.前方かかえ込み2回宙返りひねり下りDouble Front 1/2EIV

D:6.5
E:8.300
Bonus:0.321
Score:15.121

バウマンを入れて難度を上げている。一方で開脚前宙(D)を抜いたり、フォキン(E)をかかえ込みにしており、全体的にはそこまでDスコアは上がっていない。着地をピタリと止める。

Total Score:85.342 (Total D:34.5)
Rank:1st



2023年のウィンターカップはモルダウアーが優勝。合計Dスコア34.5、内規加点を除く合計点84.200は高いスコアとは言えませんが、この時期としては決して悪くありません。

ウィンターカップの優勝は4年ぶり3回目。すっかりベテランの感も出てきましたが、実はまだ26歳。2024年パリオリンピックに向けて中心となれる世代でもあります。頑張ってほしいと思います。

この記事へのコメント