Originators : Driggs (PH)
今回の本家本元は、最近ちらほら実施する選手が出てきている技、あん馬のドリッグス(縦向きとび前移動(馬端~馬端))です。
ドリッグス(F) Driggs

発表者は跳馬の技で知られるアベル・ドリッグス(キューバ)。2003年世界選手権・アナハイム大会で発表されていますが、予選でしか演技をしていないため映像は一瞬を切り取ったこの動画くらいしかないようです。
馬端から両把手をとばして逆馬端まで一気に移動する縦向き前移動。当時はE難度で認定されていました。当初は単に両把手をとばして背面支持で逆馬端に着手する捌きもドリッグスとして認定されていましたが、2009年に「明確なとびの後、両手同時正面支持」を示すことが必要と通達されています。
動画はナリマン・クルバノフ(カザフスタン)の背面支持で着手する捌き。マジャール(D)と同じ扱いで認定されています。
2009年の通達後は滅多に見られないレア技の状態が続いていたドリッグスですが、2022年のルール改訂で、背面支持で着手する捌きは「両把手を越えて縦向き前移動」としてE難度に、ドリッグスはF難度に格上げとなりました。
あん馬のグループIIIでは唯一のF難度技。こうなると使う選手が一気に出てきます。日本では2022年全日本団体選手権でドリッグスを使う選手が複数現れました。筆頭はやはり杉野正尭ですが、実は杉野はE難度の時代からドリッグスを使っていたりします。ここではキャプテンとしてチームを優勝に導いた全日本団体の演技を貼っておきます。
縦向き3/3移動技は回数制限もあり、ここで難度を稼いでおくことは大きなポイントになります。一方、両手正面支持を示す局面は一瞬で、ここで詰まった印象を与えずスムーズに捌くためにはかなりの熟練が必要となってくるでしょう。今サイクルの注目技の一つです。
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かみん
Ka.Ki.