ZOU Jingyuan (CHN)
2022 Worlds Liverpool (GBR) QF SR
2022年世界選手権・リバプール大会では2つの新技が申請され、ともに失敗なく実施されました。今週はこの2技を見ていきます。
まずは鄒敬園(中国)のつり輪。種目別決勝でも実施されていますが、初めて発表された予選の演技をあらためて確認しておきましょう。
後ろ振り上がり十字倒立の後に行っているのが、今大会発表した新技。正式な日本語表記は「十字倒立からゆっくり下ろして逆懸垂経過伸腕伸身逆上がり脚上挙十字懸垂」になると思われます。E難度で認定されました。同じ系統の動きをする技としてボロビオフ(十字倒立からゆっくり下ろして逆懸垂経過伸腕伸身逆上がり十字懸垂)(D)があり、ボロビオフ脚上挙十字懸垂とも言える技です。
脚上挙十字懸垂になる技はほぼ出揃ったかと思われましたが、まだこれがあったか、という感じの技です。しかしながらボロビオフ系は、力技の連続に加点が付いていた2001-2004年ルールによって生み出された技群とも言え、つり輪の組合せ加点が廃止された今日では難度表に残っているのが不思議なくらいのレア技でした。
2022年のルール改訂で十字倒立が格上げされたことで、再び脚光を集めていると言えるのかもしれませんが、逆懸垂を経過するという技の形態には正直疑問を感じずにはいられません。今回の実施でツォウ・ジンユアンの名が付くのは間違いないでしょうが、今後も難度表に在り続けるかは微妙かもしれません。
1. | 後ろ振り上がり十字倒立 | Back Uprise to Inv-Cross | E | III |
---|---|---|---|---|
2. | 逆懸垂経過伸腕伸身逆上がり脚上挙十字懸垂 | Inv-Hang to V-Cross | E | II |
3. | 後ろ振り上がり上水平支持 | Back Uprise to Planche | D | III |
4. | 屈身ヤマワキ | Yamawaki Pk | D | I |
5. | ヤマワキ | Yamawaki | C | I |
6. | 後ろ振り上がり中水平支持 | Back Uprise to Maltese | E | III |
7. | ホンマ十字懸垂 | Whippet to Cross | D | III |
8. | 伸腕伸身中水平支持 | Press to Maltese | E | II |
9. | 後ろ振り上がり倒立 | Back Uprise to Hdst | C | I |
10. | 後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下り | Double Back 2/1 | E | IV |
D:6.3
E:8.366
Score:14.666
QF Rank:2nd
この記事へのコメント
コフトゥン
逆懸垂経過は今のところOKなんですね
マイコ
名前は残るという道かもしれませんね
Ka.Ki.
一応ボロビオフと、中水平になるヨブチェフがあるのでボロビオフ系としましたが、そんなことを言っているのはこのブログだけかもしれません。
逆ナカヤマとはピネダのことでしょうか?
Ka.Ki.
なるほどです。つり輪では、終末姿勢が同じ力静止技は各グループ1技ずつなので、ナカヤマとアザリアンもすでに同一枠の様なものなんですよね。そうなると、ルール上どちらかしか使えない技の同一枠ってどのような意味があるのだろうと考えてしまうこともあります。
前サイクルのバランディン1とバランディン3のように、違う姿勢の同一枠なら分かるんですけどね。
コフトゥン
はいピネダでしたね正面水平懸垂経過十字懸垂
昔にナカヤマよく見るけどピネダは見ないなとかホンマ十字はあるけど前振り上がり後方屈身宙返りから十字懸垂は見ないなとか前方支持回転中水平って新しい技なんだとか定番の技を逆向きでやる技ないのかなと考えたりしてました