張博恒 - 2022年中国選手権:個人総合の演技

ZHANG Boheng (CHN)
2022 CHN Nationals Hangzhou QF


2022年中国選手権、2日間の合計得点で競われた個人総合は2021年の世界チャンピオン・張博恒が優勝しています。得点の良かった予選の演技を確認しておきましょう。

#1 ゆか FX


1.前方伸身宙返り1回ひねりFront Lay 1/1CII
2.~前方屈身2回宙返り+ Double Front PkEII(CV:0.1)
3.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
4.~前方伸身宙返り+ Front LayBII(CV:0.1)
5.前方伸身宙返り5/2ひねりFront Lay 5/2EII
6.後方伸身宙返り2回ひねりBack Lay 2/1CIII
7.前方伸身宙返り2回ひねりFront Lay 2/1DII
~前方伸身宙返りひねり+ Front Lay 1/2BII
8.フェドルチェンコFedorchenkoCI
9.開脚座から力十字倒立Split Press to Japanese HdstCI
10.後方伸身宙返り3回ひねりBack Lay 3/1DIII

D:5.8
E:8.750
Score:14.550

2021年の構成と比べるとルール改訂の影響でかなりDスコアが落ちている。実施は良好だが、着地はあまり止まらなかった。


#2 あん馬 PH


1.正交差倒立Front Scissor to HdstDI
2.後ろ振り倒立Back Swing to HdstCI
3.把手上下向き転向CzechkehrBII
4.Dコンバイン2 Flops + R180DII
5.ロスRussian Travel 3/3 360DIII
6.トン・フェイTong FeiDIII
7.マジャールMagyarDIII
8.シバドSivadoDIII
9.馬端馬背ロシアン1080°転向Leather Russian 1080DII
10.一把手上縦向き旋回倒立3/3移動下りP Loop to Hdst Travel 3/3DIV

D:5.7
E:8.500
Score:14.200

あん馬は2021年と同じ構成だが、後ろ振り倒立の格下げによりDスコアは0.1下がっている。目立ったミスなく演技を通すが、決勝ではロシアン転向が720°になり、Dスコアをさらに0.1落としている。


#3 つり輪 SR


1.後方伸腕伸身逆上がり上水平支持Back Roll to PlancheEII
2.後方伸腕伸身逆上がり中水平支持Back Roll to MalteseEII
3.後ろ振り上がり十字倒立Back Uprise to Inv-CrossEIII
4.屈身ヤマワキYamawaki PkDI
5.後ろ振り上がり中水平支持Back Uprise to MalteseEIII
6.アザリアンBack Roll to CrossDII
7.後ろ振り上がり上水平支持Back Uprise to PlancheDIII
8.後ろ振り上がり倒立Back Uprise to HdstCI
9.ほん転逆上がり倒立Felge to HdstCI
10.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下りDouble Back 2/1EIV

D:6.3
E:8.100
Score:14.400

つり輪は、後転中水平の格下げを考えると実質0.3という大幅な難度アップを見せている。オールラウンダーでこのDスコアは驚異的。技の決めはやや動く場面も見られた。着地は軽く跳ねる。


#4 跳馬 VT


DEPenScore
ロペスKasamatsu Lay 2/1I5.69.40015.000

空中姿勢の良いロペスを見せるが、着手時の身体の向きが曖昧なように感じる。側転とびであるなら明確な1/4ひねりで着手してほしい。


#5 平行棒 PB


1.シャルロBasket to 1 Rail HdstEIII
2.単棒ヒーリー1 Rail HealyEI
3.リチャードFront Uprise DiamidovEII
4.後方車輪倒立Back Giant to HdstCIII
5.棒下宙返り倒立Basket to HdstDIII
6.前方開脚5/4宙返り腕支持5/4 Front StrdDI
7.バブサーBhavsarEIII
8.チッペルトTippeltDIII
9.ヒーリーHealyDI
10.前方かかえ込み2回宙返りひねり下りDouble Front 1/2EIV

D:6.4
E:8.900
Score:15.300

シャルロ、単棒ヒーリー、リチャードと前半の技が大きく変わっており、Dスコアを実質0.4上げている。雄大なホンマ(D)が見られなくなったのが残念。また、いわゆる爆弾カットは開脚の表現が不十分で減点の可能性がある。(棒端に移動する必要があるのかもしれないが)この2技を入れ替えてもいいのではないかと個人的には思う。


#6 鉄棒 HB


1.アドラー1回ひねり逆手Jam 1/1 to UGEIII
2.アドラーひねりJam 1/2DIII
3.伸身トカチェフTkatchev LayDII
4.カッシーナCassinaGII
5.コールマンKolmanEII
6.後方浮腰回転後ろ振り出し順手背面懸垂Stoop in to Back TossCIII
7.順手背面車輪Czech GiantDI
8.ケステKosteCIII
9.シュタルダーStalderBIII
10.後方伸身2回宙返り2回ひねり下りDouble Back Lay 2/1EIV

D:6.2
E:8.350
Score:14.550

Dスコアは2021年から変わっていないが、コバチ系の技数制限により伸身トカチェフを入れているほか、アドラー系の技を最初に持ってきている。手放し技がいずれもバーに近くなり、キャッチ時とその後の車輪で肘が大きく曲がっている。決勝ではカッシーナから車輪につなげられず、その後のコールマンを抜いており、手放し技とその処理は改善が求められる。

Total Score:88.000 (Total D:36.0)
Combined Total:174.900
Rank:1st



張博恒が中国選手権初優勝を果たしました。特に予選は好調で合計Dスコアを36点に乗せ、88点台を出しています。2位の孫煒には2日間の合計で4点近い差を付けました。一方、決勝では鉄棒で大きなミスが出ており、6種目を通すという観点からはまだまだ不安要素もあるようにも感じます。

2022年世界選手権・リバプール大会の個人総合は、昨年同様、橋本大輝とこの張博恒の一騎打ちになることが濃厚でしょう。現時点では橋本が難度、実施ともリードしている感がありますが、2人とも伸び盛りの選手であり、短期間でさらなる成長を見せる可能性が十分あります。両者からは片時も目が離せません。

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