FIG Newsletter 15th Cycle No.1
FIGのNewsletterが発行されました。Newsletterはこれまで通番で発行され、前号まで#39を数えていましたが、今回からサイクルごとの附番となったようで、No.1として発行されています。サイクルは第15サイクルと記載されており、初めて難度が体系的に整理された1964年版採点規則を第1サイクルとしているようです。
以下、内容をまとめておきたいと思います。なお「⇒」以降は私のコメント(戯言)です。解釈に間違いがあるかもしれません。競技関係者の方は原本を直接確認するか、日本体操協会の公式な情報をお待ちください。
一般条項 General
● 器械への霧吹きの使用は認められない(平行棒を除く)。ただし、選手は濡れた手で器械を触ることがある。選手の安全は常にMTCの最重要事項である。
⇒いまいちよく分からない事項です。霧吹きの使用は認められないが、濡れた手で触るのはOKということでしょうか。
あん馬 PH
● 採点規則11-2条-2 2. a.1)に記載されているように、すべての旋回技の開始と終了は正面支持である。マジャール移動でD難度を得るためには、馬端外向きの縦向き正面支持で技を終了する必要がある。マジャールからシバドに直接連続する場合は例外としてD+D難度を得る(11-2条-2 2. a.3) vii)。マジャール移動が、縦向き背面支持から1/4逆転向して横向き支持で終了した場合は、B難度の縦向き前移動(2/3 or 1/2部分)となる。
跳馬 VT
● ウォームアップ時間には、選手は2本の跳越を試技する権利しか与えられていない。馬体の上に立ってジャンプや宙返りで着地することはウォームアップの試技と見なされる。選手が助走から2本の試技を実施し、その後に馬体に上がってジャンプや宙返りを行って着地した場合は3回目の試技と見なされ、採点規則に従って0.3のペナルティが課される。
種目別ワールドカップ、ワールドチャレンジカップで発表された新技が3技掲載されています。いずれもあん馬の技です。FIGの動画が埋め込みでは見られないようなので、YouTubeからご覧ください。
あん馬 PH
ダフチャン 発表者:DAVTYAN Artur (ARM)
・一腕上下向き270°転向(横向き~縦向き)
・C難度(II-81)(すでに難度表にあり)
・2022年ワールドカップ・カイロ大会で発表

すでに難度表にあった技ですが、今大会からこの3/4ベズゴがフロップやコンバインの要素として認められることになりました。ただ、ベルトンチェリはともかくとしてこの3/4ベズゴでフロップやコンバインを実施する選手が現れるかは微妙です。そして、このダフチャンの実施はさらに微妙。名前は付いてしまったようですが、かなり危うい実施です。
ティトフ 発表者:TITOV Pavel (FIN)
・横移動ひねり(馬端~馬端)
・D難度(III-28)(ニン・レイエスと同一枠)
・2022年ワールドチャレンジカップ・オシエク大会で発表

3/3横移動しながらの1/2シュピンデル。ニン・レイエスと同一枠の技になりました。
バーカート 発表者:BURKHART Taylor (USA)
・横移動1回ひねり(馬端~馬端)
・E難度(III-35)(ウルジカ2と同一枠)
・2022年ワールドチャレンジカップ・ヴァルナ大会で発表

こちらは3/3横移動しながらの1回シュピンデルです。説明だけだとティトフの発展技のように感じますが、移動技とシュピンデル技が組み合わさるとあまりそういう感じではありません。ウルジカ2と同一枠の技となっています。
3技とも実施された大会ではノーマークでした。どの技もすでに難度表にあった技や既存の技と同一枠の技ということで、一見独創性は乏しいようにも思えますが、横移動技の発展という視点で見ると興味深いものがあります。
この記事へのコメント
コフトゥン
あとバーカートはE難度ですね
Ka.Ki.
コフトゥン
あん馬の移動技はもう出そろったように思えます、ただヴァメンみたいに馬端への移動で往復するような技がもっと認められれば…増えたりするんのかな?
Ka.Ki.
Iruuuuuuka
また昨日、日本体操協会より、技の認定に関する情報が追加されましたので、記事を書いていただけると幸いです。(https://www.jpn-gym.or.jp/artistic/wp-content/uploads/sites/2/2022/07/1370fa948f13a62ea0567cf056bd9fe0-1.pdf)