Requirement for Basket 1/2 to Hdst on PB
平行棒の棒下宙返り1/4ひねり倒立と棒下宙返りひねり倒立は、2021年までは同一枠のE難度技でしたが、2022年のルール改訂で棒下宙返り1/4ひねり倒立はD難度の棒下宙返り倒立と同一枠となり、格下げという扱いになりました。
どのような捌きであれば棒下宙返り1/4ひねり倒立あるいは棒下宙返りひねり倒立と見なされるのかについては、採点規則に以下のような記載があります。
棒下宙返りひねり倒立は、倒立が完成する前に、最大1回の握り替えで実施する必要がある。棒下宙返り倒立が2回以上の握り替えで実施される場合、それは棒下宙返り1/4ひねり倒立としてみなされる。
とても分かりにくい記述だと思いますが、日本人選手の実施動画を見ながら、どういうことか確認していきましょう。
この橋本大輝の実施では、棒下宙返りから1/4ひねりをしてまず単棒横向き倒立になります。さらに1/4ひねって両棒倒立(合わせて1/2ひねり倒立)になりますが、これが1回目の握り替えとカウントされます。ここからが重要なポイントになりますが、両棒倒立になった後、左手が外手握りになっているため、内手握りに握り替えています。これが2回目の握り替えとカウントされます。2022年ルールではこの実施が棒下宙返り1/4ひねり倒立、つまり棒下宙返り倒立と同じ技と見なされるということになります。
北園丈琉の実施も同様です。棒下宙返りひねり倒立を演技構成に入れている選手は、棒下宙返り倒立も使うことが多いため、同一枠と判定されてしまうことは技の不認定、すなわち大幅なDスコアダウンにつながることになってしまいます。
一方、萱和磨の実施は、1/4ひねって単棒横向き倒立となった時点で左手が内手握りになっており、両棒倒立になった後の握り替えはありません。このような実施であれば、問題なく棒下宙返りひねり倒立と判定されるものと思われます。
三輪哲平の実施は、一気に1/2ひねるような捌きで、もちろん両棒倒立になった後の握り替えもありません。
引退した内村航平も、一気に1/2ひねるような捌きで棒下宙返りひねり倒立を実施していました。もともと、棒下宙返りひねり倒立という技はこういった捌きで実施する技であったと思います。
棒下宙返り1/4ひねり倒立が難度表に登場したのは2009-2012年ルールの時です。この時からすでに棒下宙返りひねり倒立とは同一枠だったのですが、当時は一気に1/2ひねる捌きが主流だったように思います。時代とともに1/4ひねって持ち替える捌きが増え、2017-2021年ルールの頃にはすっかり逆転していたような印象があります。
今回のルール改訂の趣旨はその安直な捌きへの警鐘のようなものでしょうか。日本でも上に挙げたように棒下宙返りひねり倒立を使う選手は多いですが、北園は3月に開催されたKOHEI UCHIMURA THE FINALですでに対応を見せていました。今週開催される全日本選手権ではこの辺りへの対応も注目ポイントになるのではと思います。
この記事へのコメント
toolucky
記事にもあるように、最近は4/1ひねりを経過したような、持ち替えの回数が多いい実施が増えたような気がしていました。個人的には内村さんや田中佑典選手の実施がとてもスマートに見えて好きでした。
先日の全日本個人総合では、橋本選手、北園選手ともにこの棒下ひねりで落下がありましたが、新ルール対応の影響があったのでしょうか?
Ka.Ki.
橋本選手や北園選手の落下は、ルール改訂があった箇所ということで意識してしまう部分があったのかもしれません。