肖若騰 - 2021年中国全運会:個人総合の演技

XIAO Ruoteng (CHN)
2021 CHN National Games Shaanxi AA


4年に一度、オリンピックの翌年に行われる中国全運会。個人総合は肖若騰が優勝しています。その演技を見ていきましょう。

#1 ゆか FX


1.前方伸身宙返り5/2ひねりFront Lay 5/2EII
2.後方伸身宙返り7/2ひねりBack Lay 7/2EIII
3.~前方伸身宙返りひねり+ Front Lay 1/2BII(CV:0.1)
4.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねりDouble Back 2/1EIII
5.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
6.~前方伸身宙返り3/2ひねり+ Front Lay 3/2CII(CV:0.1)
7.シュピンデル・ゴゴラーゼ1/1 Spindle to GogoladzeDI
8.ゴゴラーゼGogoladzeCI
9.後方伸身宙返り2回ひねりBack Lay 2/1CIII
10.後方伸身宙返り3回ひねりBack Lay 3/1DIII

D:6.0
E:8.800
Score:14.800

中盤の後方5/2~前方2回(D+D)を~前方3/2として少し難度を抑えている。全体的には大きなミスなく演技を通す。


#2 あん馬 PH


1.マジャール・シュピンデルLoop 1/1 SpindleDII
2.ウ・グォニアンRussian Travel 3/3 720EIII
3.トン・フェイTong FeiDIII
4.Eフロップ4 FlopsEII
5.逆交差倒立Back Scissor to HdstDI
6.Dコンバイン2 Flops + R180DII
7.馬端馬背ロシアン1080°転向Leather Russian 1080DII
8.開脚マジャールFlair MagyarEIII
9.開脚シバドFlair SivadoEIII
10.一把手上縦向き旋回倒立3/3移動下りP Loop to Hdst Travel 3/3DIV

D:6.4
E:8.666
Score:15.066

あん馬はDスコア6.4のフル構成を持ってくる。ウ・グォニアンは720°転向できていないが認定されているようだ。最後まで淀みなく流れるように演技を通す。


#3 つり輪 SR


1.後方伸腕伸身逆上がり中水平支持Back Roll to MalteseFII
2.後ろ振り上がり中水平支持Back Uprise to MalteseEIII
3.ヤマワキYamawakiCI
4.後ろ振り上がり上水平支持Back Uprise to PlancheDIII
5.アザリアンBack Roll to CrossDII
6.屈身ヤマワキYamawaki PkDI
7.ホンマ十字懸垂Whippet to CrossDIII
8.ほん転逆上がり倒立Felge to HdstCI
9.後方車輪倒立経過Back Giant thru HdstBI
10.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下りDouble Back 2/1EIV

D:5.7
E:8.400
Score:14.100

つり輪もフル構成を持ってくるが、何らかの技(アザリアンの静止時間不足か、あるいはホンマ十字懸垂で支持が入ったか?)が不認定になったようで、Dスコアは5.7となっている。問合せをしたが、却下された模様。


#4 跳馬 VT


DEPenScore
ロペスKasamatsu Lay 2/15.69.33314.933

跳馬はロペス。小さな1歩に留め高得点を出す。


#5 平行棒 PB


1.前振り上がり開脚抜き倒立Front Uprise Strd Cut to HdstBII
2.ドミトリエンコDimitrenkoEII
3.ヒーリーHealyDI
4.棒下宙返りひねり倒立Basket 1/2 to HdstEIII
5.後方車輪倒立Back Giant to HdstCIII
6.棒下宙返り倒立Basket to HdstDIII
7.ベーレBelleDIII
8.前方開脚5/4宙返り腕支持5/4 Front StrdDI
9.チッペルトTippeltDIII
10.前方かかえ込み2回宙返りひねり下りDouble Front 1/2FIV

D:6.1
E:8.800
Score:14.900

入り技を腕支持カットにして難度を抑えている。この腕支持カットはもう少しスムーズに捌けないものかと思ってしまうが、それ以外は目立ったミスもなく淡々と演技を進めていく。着地も止める。


#6 鉄棒 HB


1.伸身トカチェフTkatchev LayDII
2.モズニクMoznikEII
3.アドラー1回ひねり片逆手Jam 1/1 to MGDIII
4.ヤマワキYamawakiDII
5.エンドーEndoBIII
6.アドラーひねりJam 1/2DIII
7.後方浮腰回転後ろ振り出し順手背面懸垂Stoop in to Back TossCIII
8.順手背面車輪Czech GiantDI
9.ケステKosteCIII
10.後方伸身2回宙返り2回ひねり下りDouble Back Lay 2/1EIV

D:5.8
E:7.933
Score:13.733

リューキン(F)は抜いている。アドラー1回ひねりが振り戻ってしまった。順手背面車輪の後のケステも倒立からはほど遠い出来となっているが、ケステで認定されているようだ。着地はほぼ止める。

Total Score:87.832 (Total D:35.9)
Rank:1st



全運会を制したのは肖若騰でした。張博恒が予選を1位通過し、決勝では1種目ごとに暫定1位が入れ替わるシーソーゲームが繰り広げられましたが、張博恒の跳馬にミスが出た後は肖若騰が1位を駆け抜けました。しかし最終的な点差は0.067という際どいものでした。

今大会は多くの種目で難度を抑えつつ、高いEスコアで決定点の最大化を図りました。張博恒が急成長を見せていますが、まだまだ肖若騰も譲らないと言ったところでしょうか。これからの中国は肖若騰、張博恒、孫煒のトリプルエース体制となりそうな気配です。

この記事へのコメント

  • toolucky

    いつも楽しみに拝見しています。
    あん馬のウ・グォニアンについてのコメントがありましたが、私は以前からトン・フェイの実施が気になっておりまして、素人ながら今回の実施も180°しか回っていないように見えます。同様の実施は結構見かける印象です。
    旧サイトでの本家本元の記事で、270°で認定、180°ではC難度とあったかと思いますが、いかがでしょうか?(素人の的外れな指摘でしたらすみません)
    2021年09月28日 20:59
  • Ka.Ki.

    いつもご覧いただきありがとうございます。

    トン・フェイは2017年のルール改訂で縦向き~縦向きの180°転向でも認定されるようになりました。今サイクル、トン・フェイの実施が増えているのはそのためです。

    よって、旧サイトの記事はそれで合っているのですが、現在の180°転向での認定もまた正しいということになります。ややこしいですね。
    2021年09月28日 22:06
  • toolucky

    そうだったのですね!
    大変失礼しました&ありがとうございました。
    モヤモヤがスッキリしました。
    2021年09月28日 22:49