2021年ワールドカップ・ドーハ大会:種目別ゆかの演技

2021 Individual Apparatus World Cup Doha (QAT) EF FX


いよいよ種目別ワールドカップシリーズ枠での東京オリンピック出場選手が決まります。今週は種目別ワールドカップシリーズ最終戦、ドーハ大会の演技を見ていきたいと思います。まずはゆかです。

DOLGOPYAT Artem (ISR)


1.サパタDouble Front 3/2GII
2.前方伸身宙返り1回ひねりFront Lay 1/1CII
3.~前方伸身宙返り5/2ひねり+ Front Lay 5/2EII(CV:0.1)
4.リ・ジョンソンDouble Back 3/1GIII
5.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
6.~前方伸身宙返り2回ひねり+ Front Lay 2/1DII(CV:0.2)
7.後方伸身宙返り3/2ひねりBack Lay 3/2CIII
8.~前方伸身宙返り3/2ひねり+ Front Lay 3/2CII
9.フェドルチェンコFedorchenkoCI
10.後ろとびひねり前方かかえ込み2回宙返りひねりArabian Double 1/2DIII

D:6.6
E:8.433
Score:15.033

リ・ジョンソンを入れたDスコア6.6の構成。着地をおおむねまとめていたが、終末技は体勢が低くなり前に大きく1歩踏み出してしまった。


ZAPATA Rayderley (ESP)


1.伸身サパタDouble Front Lay 3/2H?II
2.後方伸身宙返り3/2ひねりBack Lay 3/2CIII
3.~前方屈身2回宙返り+ Double Front PkEII(CV:0.1)
4.前方屈身2回宙返りひねりDouble Front Pk 1/2FII
5.前方かかえ込み2回宙返りひねりDouble Front 1/2EII
6.開脚座SplitAI
7.開脚座から力十字倒立Split Press to Japanese HdstCI
8.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
9.~前方伸身宙返り1回ひねり+ Front Lay 1/1CII(CV:0.1)
10.後方伸身2回宙返りDouble Back LayDIII

D:6.4
E:8.533
Score:14.933

1本目で新技の伸身サパタを実施し、見事に決める。H難度で判定されたものと思われる。今後、サパタ2の名前が付くことになるだろう。構成にA難度技が入るが、本来は後方2回(C)を実施しており、この場合Dスコアは6.6まで伸びることになる。着地をよく止めていたが、終末技は2歩ほど後ずさってしまった。


TANTALIDIS Antonios (GRE)


1.前方屈身2回宙返りひねりDouble Front Pk 1/2FII
2.前方伸身宙返り1回ひねりFront Lay 1/1CII
3.~前方伸身宙返り5/2ひねり+ Front Lay 5/2EII(CV:0.1)
4.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
5.~前方伸身宙返り2回ひねり+ Front Lay 2/1DII(CV:0.2)
6.前方かかえ込み2回宙返りひねりDouble Front 1/2EII
7.フェドルチェンコFedorchenkoCI
8.正面支持臥から伸腕屈身力倒立Prone Press to HdstBI
9.後方伸身宙返り2回ひねりBack Lay 2/1CIII
10.後方伸身宙返り3回ひねりBack Lay 3/1DIII

D:6.2
E:8.500
Score:14.700

以前はシライ/グエンを使っていたが、現在は構成に入っていない。全体的に着地をよく止めるが、後方5/2~前方2回はやや低い着地となった。終末技はピタリと止める。


4th ASIL Adem (TUR)


1.前方かかえ込み2回宙返りひねりDouble Front 1/2EII
2.前方伸身宙返りFront LayBII
3.~前方屈身2回宙返りひねり+ Double Front Pk 1/2FII(CV:0.1)
4.前方伸身宙返り1回ひねりFront Lay 1/1CII
5.~前方屈身2回宙返り+ Double Front PkEII(CV:0.1)
6.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねりDouble Back 2/1EIII
7.後ろとびひねり前方かかえ込み2回宙返りArabian DoubleDIII
8.フェドルチェンコFedorchenkoCI
9.開脚座から力十字倒立Split Press to Japanese HdstCI
10.後ろとびひねり前方かかえ込み2回宙返りひねりArabian Double 1/2DIII

D:6.2
E:8.266
Score:14.466

全てのタンブリングに2回宙返りが入るという力強い構成。連続技の2本の前方屈身ダブルは圧巻。着地もよく止めるが、新月面では少し跳ねる。


5th KARIMI Milad (KAZ)


1.前方かかえ込み2回宙返りひねりDouble Front 1/2EII
2.後方伸身宙返り7/2ひねりBack Lay 7/2EIII
3.~前方伸身宙返り3/2ひねり+ Front Lay 3/2CII(CV:0.1)
4.前方伸身宙返り1回ひねりFront Lay 1/1CII
5.~前方伸身宙返り5/2ひねり+ Front Lay 5/2EII
6.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねりDouble Back 2/1EIII
7.開脚座から力十字倒立Split Press to Japanese HdstCI
8.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
9.~前方伸身宙返り2回ひねり+ Front Lay 2/1DII(CV:0.2)
10.後方伸身宙返り3回ひねりBack Lay 3/1DIII

D:6.4
E:8.066
Pen:0.1
Score:14.366

優勝した前々週のワールドチャレンジカップ・オシエク大会と同じ構成。新月面や後方5/2~前方2回で着地が乱れた。


6th ONDER Ahmet (TUR)


1.前方屈身2回宙返りひねりDouble Front Pk 1/2FII
2.前方伸身宙返り1回ひねりFront Lay 1/1CII
3.~前方かかえ込み2回宙返りひねり+ Double Front 1/2EII(CV:0.1)
4.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
5.~前方伸身宙返りひねり+ Front Lay 1/2BII(CV:0.1)
6.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねりDouble Back 2/1EIII
7.後方伸身宙返り2回ひねりBack Lay 2/1CIII
8.フェドルチェンコFedorchenkoCI
9.開脚座から力十字倒立Split Press to Japanese HdstCI
10.後方伸身宙返り3回ひねりBack Lay 3/1DIII

D:6.0
E:8.233
Pen:0.3
Score:13.933

全体的に着地をよく止めていたが、後方5/2~前方1/2がライン外に着地し、両足ラインオーバーとなる。


7th PAKHNIUK Petro (UKR)


1.前方伸身宙返り1回ひねりFront Lay 1/1CII
2.~前方伸身宙返り5/2ひねり+ Front Lay 5/2EII(CV:0.1)
3.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
4.~前方伸身宙返り3/2ひねり+ Front Lay 3/2CII(CV:0.1)
5.後ろとびひねり前方かかえ込み2回宙返りArabian DoubleDIII
6.フェドルチェンコFedorchenkoCI
7.開脚座から力十字倒立Split Press to Japanese HdstCI
8.後方伸身宙返り3/2ひねりBack Lay 3/2CIII
9.~前方伸身宙返りひねり+ Front Lay 1/2BII
10.後方伸身宙返り3回ひねりBack Lay 3/1DIII

D:5.6
E:8.033
Score:13.633

Dスコアは5.6と決勝進出者の中では最も低い。アラビアンダブルの着地が低くなったほか、終末技でも横に跳ねてしまった。


8th AZIZOV Ilyas (KAZ)


1.後方伸身2回宙返りDouble Back LayDIII
2.前方伸身宙返り1回ひねりFront Lay 1/1CII
3.~前方伸身宙返り5/2ひねり+ Front Lay 5/2EII(CV:0.1)
4.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
5.~前方伸身宙返り2回ひねり+ Front Lay 2/1DII(CV:0.2)
6.後方かかえ込み2回宙返り1回ひねりDouble Back 1/1DIII
7.後方伸身宙返り3/2ひねりBack Lay 3/2CIII
8.~前方伸身宙返り3/2ひねり+ Front Lay 3/2CII
9.開脚座から力十字倒立Split Press to Japanese HdstCI
10.後方伸身宙返り3回ひねりBack Lay 3/1DIII

D:6.0
E:7.766
Pen:0.2
Score:13.566

序盤は着地を止めていたが、後半はやや乱れる。片足ラインオーバーを2回取られてしまった。

最終ランキング Ranking
2018/20192019-2021
GERAUSAZEQATGERAUSAZEQATT
1.ZAPATA Rayderley (ESP)-2530302518-3090
2.SORAVUO Emil (FIN)18-2525----68
3.PROKOPEV Kirill (RUS)----142525-64
4.SCHMIDT Casimir (NED)3020----8-58
5.REMKES Chiristopher (AUS)-181818----54
6.RYU Sunghyun (KOR)-----3020-50
6.ASIL Adem (TUR)------302050
9.荒屋敷響貴 (JPN)-30----30
9.南一輝 (JPN)----30-30
20.佐藤巧 (JPN)--1012--22



着地のわりにEスコアが出たドルゴピャットが優勝。サパタは0.1差の2位でしたが、何より新技の衝撃がありました。予選3位だったカリミは5位に後退しています。

最終ランキングはサパタがトップ。大会前からトップを確定させていましたが、30ポイントを獲って上限の90ポイントまで積み重ねました。文句なしの東京オリンピック出場となります。

この記事へのコメント

  • 初心者

    そういえば、前方伸身2回宙返りってありそうでなかったんですよね
    見た目よりは難しそうな印象ですが、案外その気になればできる人がいるのでしょうか・・

    ただサパタ選手って前方3宙も練習してるレベルだし
    そのレベルでようやくってとこなのかしら・・・
    2021年06月30日 00:22
  • Ka.Ki.

    いや非常に難しいと思いますよ。しかし、前方の伸身2回宙返りはどうしても屈身気味になってしまいそうですよね。タマヨ(後ろとびひねり前方伸身2回宙返り)のように反り身でできればすごいと思いますが…。
    2021年06月30日 21:21
  • 初心者

    コメントありがとうございます
    タマヨですら実施がサルト気味だったり足が曲がったりの微妙な実施ばかりだった記憶ありますからね・・
    2021年06月30日 23:19