2022-2024 Code of Points (HB)
2022年版採点規則における主な変更点(鉄棒)です。
これまでにNewsletterや『男子体操競技情報』ですでに通達されている内容や新技については記載しませんので注意してください。なお「⇒」以降は私のコメント(戯言)です。
2021年12月にFIGのNewsletter #39が発行され、正誤表が記載されていますので、その内容について赤字で反映を行いました。
解釈に間違いがあるかもしれません。競技関係者の方は原本を直接確認するか、日本体操協会の公式な情報をお待ちください。
一般条項 General
ゆか FX
あん馬 PH
つり輪 SR
跳馬 VT
平行棒 PB
鉄棒 HB
鉄棒 HB
● 最初の振り出しには3回のスイングが許可される。3回を超えるスイングは0.3の減点となる。(p.136)
● 全ての種類のひねりを含む倒立は以下のように減点される。(p.136)
・0°~15° | 減点なし |
・16°~30° | 0.1 |
・31°~60° | 0.3 |
・61°~90° | 0.5 |
・水平より下 | 0.5 + 難度不認定 |
● 組合せ加点について(p.137)
手放し技 | 手放し技 | ||||
・C難度 | + | C難度以上 | = | 0.1 | (逆も可) |
・D難度以上 | + | D難度以上 | = | 0.2 | |
アドラー系の技 | 手放し技 | ||||
・D難度以上 | + | D難度 | = | 0.1 | |
・D難度以上 | + | E難度以上 | = | 0.2 |
・組合せ加点は、全ての技がカウントされる8技に入っている必要がある。
⇒アドラー系の技との組合せが復活します。また、カウント外の技による組合せはついに現れませんでしたが、正式にカウント内に限られることになります。
● ひねりを伴う全てのエンドー、シュタルダー、ワイラー、け上がりは2つの技の分割される。ただし、シュタルダーリバルコを除く。(p.138)
例:
エンドー + 1回ひねり大逆手 = B+C
シュタルダー + ひねり大逆手 = B+B
⇒エンドーやシュタルダーからのひねり系が削除されましたが、なぜかシュタルダーリバルコ(と片大逆手)だけ残りました。
● とびひねりを伴う車輪技(後方とび車輪1回ひねりやリバルコ)について(p.138)
後方とび車輪1回ひねり
・明確なとび局面と滑らかなひねりで行い、バーを支持してからはひねらないこと。
後方とび車輪3/2ひねり(大逆手=リバルコ)
・前提条件は、終了時に両手が片大逆手または大逆手であることである。
・明確なとび局面と滑らかなひねりで行い、バーを支持してからはひねらないこと。
・3/2ひねりを超える後方とび車輪(2回以上のひねり)は認められない。
・このルールはシュタルダーとび3/2ひねり系の技にも適用される。
⇒すでに通達されている部分もありますが、より厳しく判定されることになりそうです。
● 閉脚シュタルダーからのリバルコやピアッティは認められない。(p.138)
⇒「格上げはない」程度にしておけばいいのに「認められない」ときました。実施したら不認定になるのでしょうか。
● 足裏支持回転からのピアッティ系の技は認められない。(p.138)
⇒これまではピアッティ系に限り認められていました。男子における足裏支持回転の消滅となります。
● トカチェフ及びピアッティ系の技は2回まで認められる。コバチ系の技は2回まで認められる。手放し技が他の(いかなるタイプの)手放し技と
例:
コールマン → コバチ~ゲイロード2
コールマン~コバチ → カッシーナ
伸身トカチェフ~トカチェフ → リューキン
トカチェフ~ギンガー → 伸身トカチェフ → ピアッティ
⇒最後の例がちょっと分かりにくい気がしますが、「2つの技が直接連続された場合は、3つ目の実施が認められる」をいうルールをそのまま読めばこうなるのでしょうか。
● トカチェフやヤマワキから1/2ひねる技について、十分なひねりが見られないものや、直接倒立まで持ち込むことができないもの(あるいは直接手放し技に連続することができないもの)は、不認定となる。(p.139)
⇒これまでは「ひねりがないものと判定される」という扱いでした。
● 大逆手エンドーは大逆手による倒立から始まり、大逆手でバーを越して終わらなければならない。(p.139)
⇒これまでは「大逆手エンドーは、開始局面が大逆手であれば、終末局面で逆手、片逆手、順手に持ち換えて完了しても、難度が認められる」とされていました。
● エンドー、シュタルダー、ワイラー、アドラーが認定されるためにはバー上で意図した方向に継続する必要がある。(p.139)
● 減点(p.141)
技が意図した方向に続かない:中欠点
演技を開始する際の余分な振動:中欠点
⇒アドラーなどの振り戻りはこれまで0.5の減点でしたが、不認定+0.3の減点になるようです。
● 難度表(pp.143-159)
グループI
・後方とび車輪2回ひねり→削除
グループII
・マルケロフ と プリンチピ(D→C) が同一枠
・ヤマワキ(D→C) と ムニョス/ポッツォ(E→C) が同一枠
・トカチェフ と リンチ(D→C) が同一枠
・屈身トカチェフ と サミログ(D→C) が同一枠
・伸身トカチェフ と モズニク(E→D) が同一枠
・ピアッティ と ピアッティひねり(E→D) が同一枠
・屈身ピアッティ と 屈身ピアッティひねり(D) が同一枠
・伸身ピアッティ と キエジュコヴスキ(F→E) が同一枠
・ヤンセン→削除
⇒ひねって片大逆手でキャッチする技が格下げとなり、ひねらない技との同一枠になりました。そしてついにヤマワキがC難度へ格下げ。ムニョス/ポッツォは2段階の格下げとなります。地味なところではトカチェフと屈身トカチェフが別枠に分かれています。
グループIII
・け上がりひねり倒立→削除
・け上がり倒立1回ひねり片大逆手→削除
・け上がり倒立1回ひねり大逆手→削除
・ワイラーひねり→削除
・ワイラー1回ひねり片大逆手→削除
・ワイラー1回ひねり大逆手→削除
・懸垂振り出しひねり倒立 or 後方浮支持回転ひねり倒立→削除
・懸垂振り出しひねり大逆手 or 後方浮支持回転ひねり大逆手→削除
・懸垂振り出しとび1回ひねり倒立 or 後方浮支持回転とび1回ひねり倒立→削除
・エンドーひねり→削除
・エンドー1回ひねり片大逆手→削除
・エンドー1回ひねり大逆手→削除
・閉脚エンドー→C難度
・大逆手閉脚エンドー→D難度
・シュタルダーひねり倒立→削除
・シュタルダーひねり大逆手→削除
・シュタルダーとび1回ひねり倒立→削除
・閉脚シュタルダー→C難度
・閉脚シュタルダーとび逆手持ち換え→C難度
・大逆手エンドー1回ひねり逆手(片逆手)→削除
・リホヴィツキー→削除
⇒閉脚エンドー、閉脚シュタルダーが復活したのは個人的には嬉しいところです。大逆手閉脚エンドーではD難度が取れます。見られるようになるでしょうか。
鉄棒は手放し技、バー上の技、組合せ加点と随所で大幅な変更がなされました。演技構成が大きく変わることになりそうです。
この記事へのコメント
初心者
如何せん、良くない実施をする人が多かったから致し方なしって感じなんでしょうかね?
Ka.Ki.
光一
一点、質問させてください~。
アドラー系の技 手放し技
・D難度以上 + D難度 = 0.1
・D難度以上 + D難度以上 = 0.2
の記載ですが、
原文を見ると0.2の加点がつくのは手放し技がE難度以上ではないでしょうか?(^^;)
Ka.Ki.
ご指摘ありがとうございます。訂正させていただきます。
抱え込み旋回
閉脚エンドーと開脚エンドー
大逆手閉脚エンドーと大逆手開脚エンドー
この両方は別技として演技に両方使えるのでしょうか?
それともどちらかしか使えないのでしょうか?
Ka.Ki.