2022-2024 Code of Points (SR)
2022年版採点規則における主な変更点(つり輪)です。
これまでにNewsletterや『男子体操競技情報』ですでに通達されている内容や新技については記載しませんので注意してください。なお「⇒」以降は私のコメント(戯言)です。
2021年12月にFIGのNewsletter #39が発行され、正誤表が記載されていますので、その内容について赤字で反映を行いました。
解釈に間違いがあるかもしれません。競技関係者の方は原本を直接確認するか、日本体操協会の公式な情報をお待ちください。
一般条項 General
ゆか FX
あん馬 PH
つり輪 SR
跳馬 VT
平行棒 PB
鉄棒 HB
つり輪 SR
● つり輪の高さは床面から290cm。(p.77)
⇒つり輪においても20cmのマット上に厚さ10cmの着地マットが必須となったための措置です。
● 振動からの力静止技や力技で肩や身体が完全な位置で静止しない場合がある。この場合の減点は最終的な位置の減点とは異なる。(p.77)
例:後ろ振り上がり十字懸垂(25°の逸脱)から下降して10°の逸脱で静止した場合:0.3+0.1減点
● 静止技は正しい身体、腕、脚の位置から45°を超えている場合は認定されない。(p.79)
例:肩の角度が45°を超える十字懸垂、腰の曲がりが45°を超える上水平支持
⇒特に新しい事項ではないと思います。
● リ・ニン系の技は認められず、実施した場合は構成上の欠点として減点される。(p.79)
● ヤマワキ系の技は肩を輪の高さより上にして停滞することなく動かなくてはならない。明確な支持が見られた場合は技は不認定となり、0.5の減点となる。この場合、「ホンマ」と「支持後ろ振り前に回りながら懸垂」に分割して難度を認めることはない。これらの技がゆっくり実施された場合、難度は認定されるが、0.3または0.1の減点となる。(p.80)
● 振動倒立や振動からの力静止技において最初の静止位置から45°を超える脚の下がりは不認定となり0.5の減点となる。(p.80)
● 懸垂からの力技は、振動からの力静止技と分類または減点されないように、ゆっくりと伸腕伸身で捌かれなければならない。肘が45°を超えて曲がった場合は不認定となり0.5の減点となる。(p.80)
⇒主にバランディン系に関する事項です。伸腕伸身で捌かれることも明確になりました。
● 中水平支持は、肩が握り手と同じ高さで、身体を一直線に保持しなければならない。また、腕は広げられ、上体に触れない様に実施されなければならない。腕が上体に触れた場合は小欠点、腕による身体の明確な支持が見られる場合は中欠点となる。(p.80)
● 減点(p.82)
・2回を超えたグチョギーの技:削除
・ヤマワキや屈身ヤマワキにおけるゆっくりとした実施や停滞、支持:小欠点、中欠点、大欠点および不認定
・静止技から力静止技における肘の曲がり:小欠点、中欠点、大欠点
・中水平支持の上体に対する腕の接触または支持:小欠点、中欠点
・振動技で力を使う:小欠点、中欠点
● 難度表(pp.83-100)
グループI
・背面懸垂前振り上がり支持前方回転振り出し懸垂後ろ振り(ショラニー)→削除
・懸垂後ろ振り出し、背面懸垂前振り上がり(リ・ニン)→削除
・支持後ろ振り出し、背面懸垂前振り上がり(リ・ニン2)→削除
・前方屈身車輪倒立経過→削除
・支持後ろ振り前方かかえ込み宙返り支持→削除
⇒前方屈身車輪倒立経過と同一枠の前方車輪倒立経過や、支持後ろ振り前方かかえ込み宙返り支持と同一枠の屈身は残っています。
グループII
・開脚上水平支持(B→A)
・伸腕伸身正面水平懸垂経過十字倒立(2秒)(ペトロウニアス)→削除
・伸腕伸身正面水平懸垂経過十字懸垂(2秒)(ピネダ)→削除
・伸腕伸身正面水平懸垂経過脚上挙十字懸垂(2秒)(ツカハラ2)→削除
・伸腕伸身正面水平懸垂経過上水平支持(2秒)(ファム)→削除
・伸腕伸身正面水平懸垂経過中水平支持(2秒)(バブサー)→削除
・脚前挙支持から伸腕屈身力十字倒立(2秒)→削除
・後方伸腕伸身逆上がり中水平支持(F→E)
・十字懸垂(脚前挙十字懸垂を除く)から伸腕伸身力十字倒立(2秒)
・十字懸垂(脚前挙十字懸垂を除く)から伸腕伸身中水平支持(2秒)
・懸垂から伸腕で引き上げ中水平支持(2秒)(バランディン) と 懸垂から伸腕で引き上げ中水平支持経過上水平支持(2秒)(バランディン3) が別枠
⇒正面水平懸垂を経過する技は削除されました。また、後転中水平が格下げとなっています。
グループIII
・リ・ニン(リ・ニン2)十字懸垂(2秒)→削除
・リ・ニン(リ・ニン2)脚上挙十字懸垂(2秒)(ツカハラ)→削除
・ほん転逆上がり開脚上水平支持(2秒)(C→B)
・後ろ振り上がり開脚上水平支持(2秒)(C→B)
・後方け上がり開脚上水平支持(2秒)→削除
・ほん転逆上がり十字倒立(2秒)(D→E)
・後ろ振り上がり十字倒立(2秒)(D→E)
・後方け上がり十字倒立(2秒)(D→E)
⇒振動からの開脚上水平は格下げまたは削除されました。一方、十字倒立は格上げとなっています。
グループIV
・前方屈身(伸身)宙返りひねり下り(B→A)
・前方屈身(伸身)宙返り1回ひねり下り(C→B)
・後ろ振り上がり後方かかえ込み宙返り下り(ケステ)→削除
・後ろ振り上がり後方屈身(伸身)宙返り下り→削除
・後ろ振り上がり後方伸身宙返り1回ひねり下り→削除
・後方屈身(伸身)宙返りひねり下り(B→A)
つり輪は大きな変更は少ないですが、全面的に記載が書き換えられており、読むのに少し苦労しました。
後転中水平の格下げや十字倒立の格上げは演技構成にどのような影響をもたらすでしょうか。また、振動からの開脚上水平もスペシャリスト未満の多くの選手が使っている技です。影響が出るかもしれません。
この記事へのコメント
初心者
割と十字倒立好きなので増えると嬉しいですが
Ka.Ki.