ダヴィド・ベルヤフスキー - 2021年ヨーロッパ選手権:個人総合の演技

BELYAVSKIY David (RUS)
2021 Europeans Basel (SUI) AA


2021年ヨーロッパ選手権・バーゼル大会、個人総合2位のダヴィド・ベルヤフスキー(ロシア)の演技です。



#1 ゆか FX

1.コリバノフKolyvanovFII
2.後方伸身宙返り3/2ひねりBack Lay 3/2CIII
3.~前方伸身宙返り2回ひねり+ Front Lay 2/1DII(CV:0.1)
4.後ろとびひねり前方かかえ込み2回宙返りひねりArabian Double 1/2DIII
5.フェドルチェンコFedorchenkoCI
6.力十字倒立Press to Japanese HdstBI
7.前方伸身宙返り3/2ひねりFront Lay 3/2CII
8.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
9.~前方伸身宙返り1回ひねり+ Front Lay 1/1CII(CV:0.1)
10.後方伸身宙返り3回ひねりBack Lay 3/1DIII

D:5.8
E:8.600
Score:14.400

2019年ヨーロッパ競技大会と同等の構成。コリバノフの着地を決める。全体的に着地をよく止め、良い実施を見せる。


#2 あん馬 PH

1.逆交差倒立Back Scissor to HdstDI
2.ショーンSohnEII
3.Eコンバイン2 Flops + R360EII
4.ウ・グォニアンRussian Travel 3/3 720EIII
5.ロスRussian Travel 3/3 360DIII
6.マジャール・シュピンデルLoop 1/1 SpindleDII
7.Eフロップ4 FlopsEII
8.マジャールMagyarDIII
9.シバドSivadoDIII
10.一把手上縦向き旋回倒立3/3移動下りP Loop to Hdst Travel 3/3DIV

D:6.4
E:8.533
Score:14.933

Dスコア6.4のフル構成を安定した実施でこなす。終末技もいつものようにスムーズに上げた。


#3 つり輪 SR

1.後方伸腕伸身逆上がり中水平支持Back Roll to MalteseFII
2.ナカヤマBack Lever to CrossDII
3.後ろ振り上がり開脚上水平支持Back Uprise to Strd PlancheCIII
4.ヤマワキYamawakiCI
5.屈身ヤマワキYamawaki PkDI
6.ホンマ十字懸垂Whippet to CrossDIII
7.ほん転逆上がり倒立Felge to HdstCI
8.後ろ振り上がり倒立Back Uprise to HdstCI
9.後方車輪倒立経過Back Giant thru HdstBI
10.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下りDouble Back 2/1EIV

D:5.7
E:7.566
Score:13.266

動画はないがDスコア5.7のため、この構成と思われる。Eスコアが低く、ミスがあった模様。


#4 跳馬 VT

DEPenScore
ロペスKasamatsu Lay 2/15.68.6660.114.166

跳馬は今サイクルはドリッグス(D:5.2)やロペスを使うことが多くなっている。空中での脚の乱れが気になる。ペナルティの0.1は着地時に一瞬手がライン外に触れたことによるものか。


#5 平行棒 PB

1.棒下宙返りひねり倒立Basket 1/2 to HdstEIII
2.棒下宙返り倒立Basket to HdstDIII
3.リチャードFront Uprise DiamidovEII
4.前振り上がりひねり倒立Front Uprise 1/2 to HdstEII
5.チッペルトTippeltDIII
6.バブサーBhavsarEIII
7.後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持Back Uprise Front Pk to SupDII
8.ピータースBack Toss 1/4 to HdstDI
9.前振りひねり倒立Stützkehr to HdstCI
10.前方かかえ込み2回宙返りひねり下りDouble Front 1/2FIV

D:6.5
E:8.866
Score:15.366

ヒーリー(D)を抜いたDスコア6.5の構成。実施は安定しており、終末技を脚を閉じて下り、着地も止めている。高いEスコアを出した。


#6 鉄棒 HB

1.ツォウ・リミンZou LiminCI
2.アドラー1回ひねり片逆手Jam 1/1 to MGDIII
3.アドラーひねりJam 1/2DIII
4.伸身トカチェフTkatchev LayDII
5.リンチLynchDII
6.ヤマワキYamawakiDII
7.後方浮腰回転後ろ振り出し順手背面懸垂Stoop in to Back TossCIII
8.順手背面車輪Czech GiantDI
9.シュタイネマンSteinemanBIII
10.後方伸身2回宙返り1回ひねり下りDouble Back Lay 1/1DIV

D:5.6
E:8.133
Score:13.733

アドラーの角度がやや低いが、鬼門のリンチも掴んで演技を通す。最近の順手背面車輪の実施ではもはやケステ(C)を狙わず、シュタルダー(B)で処理しているが、この場合『情報27号 追加情報』でも通達されているようにシュタイネマンがカウントされる。いずれにしてもDスコアは変わりない。着地を止める。

Total Score:85.864 (Total D:35.6)
Rank:2nd



ベルヤフスキーが予選、個人総合とも85点台を揃え2位に入りました。奇数年のヨーロッパ選手権は過密日程で、今大会も男子は予選の翌日が個人総合という強行軍でした。29歳のベルヤフスキーとしてはかなりきつい日程であったことが想像されますが、そこはさすがの健在ぶりを見せつけました。

合計Dスコアは予選が35.4、個人総合が35.6と決して高いDスコアではありませんが安定感があります。アルトゥール・ダラロヤン(ロシア)が今大会直前にアキレス腱を部分断裂し、東京オリンピック出場が危ぶまれる現在にあって、その存在感が以前にも増して際立っています。

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