ユル・モルダウアー - 2021年ウィンターカップ:個人総合の演技

MOLDAUER Yul (USA)
2021 Winter Cup Indianapolis, IN AA


2021年ウィンターカップ、ユル・モルダウアーは3位でした。いくつか構成を上げている種目がありますので演技を紹介しておきます。ローテーションは跳馬からでした。

#1 跳馬 VT


DEPenScore
ドリッグスKasamatsu Lay 3/25.29.10014.300

跳馬はいつものドリッグス。やや低い跳越に見えるが、空中姿勢は相変わらず美しい。着地は前に両足1歩大きく跳ねる。


#2 平行棒 PB


1.前方開脚5/4宙返り腕支持5/4 Front StrdDI
2.ハラダFront Uprise Back Toss 1/2DII
3.車輪ディアミドフGiant DiamidovDIII
4.棒下宙返り倒立Basket to HdstDIII
5.棒下宙返りひねり倒立Basket 1/2 to HdstEIII
6.マクーツMakutsEI
7.ヒーリーHealyDI
8.後方車輪倒立Back Giant to HdstCIII
9.フォキンGiant Back Toss Lay 1/2EIII
10.前方かかえ込み2回宙返りひねり下りDouble Front 1/2FIV

D:6.4
E:7.900
Score:14.300

久々に爆弾カットを復活させたうえ、新たにマクーツを取り入れてDスコアを大きく上げている。大きなミスのない演技に見えるが、細かいミスがカウントされたかEスコアは伸びなかった。


#3 鉄棒 HB


1.ツォウ・リミンZou LiminCI
2.アドラー1回ひねり片逆手Jam 1/1 to MGDIII
3.ヤマワキYamawakiDII
4.トカチェフTkatchevCII
5.後方とび車輪HopBI
6.後方とび車輪1回ひねりHop 1/1CI
7.後方とび車輪3/2ひねりHop 3/2 to MGCI
8.アドラーひねりJam 1/2DIII
9.後方片手車輪1 Arm Back GiantBI
10.後方伸身2回宙返り1回ひねり下りDouble Back Lay 1/1DIV

D:5.2
E:6.600
Score:11.800

鉄棒はコバチ(D)を抜くなどしてDスコアを抑えている。アドラーひねりで振り戻ってしまい大きく減点を受けたほか、アドラー系では膝の曲がりや決めの角度で減点を重ねてしまった模様。


#4 ゆか FX


1.前方伸身宙返り5/2ひねりFront Lay 5/2EII
2.後ろとびひねり前方かかえ込み2回宙返りひねりArabian Double 1/2DIII
3.前方伸身宙返り2回ひねりFront Lay 2/1DII
4.~前方伸身宙返り1回ひねり+ Front Lay 1/1CII(CV:0.1)
5.シュピンデル・ゴゴラーゼ1/1 Spindle to GogoladzeDI
6.ゴゴラーゼGogoladzeCI
7.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
8.~前方伸身宙返りひねり+ Front Lay 1/2BII(CV:0.1)
9.後方伸身宙返り2回ひねりBack Lay 2/1CIII
10.後方伸身宙返り3回ひねりBack Lay 3/1DIII

D:5.8
E:8.100
Score:13.900

難しい組合せは抜いているが、Dスコア5.8の標準的な構成を持ってきた。得意の着地はあまり決まらず、Eスコアは伸びなかった。


#5 あん馬 PH


1.ミクラックMikulakDI
2.正交差横移動ひねり逆交差入れFront Double Scissor Travel SdwCI
3.Dコンバイン2 Flops + R180DII
4.横向き旋回ひねりFlair 1/2 SpindleBII
5.アイヒホルンFlair 1/1 Spindle Travel and ReturnEII
6.横向き旋回1回ひねりFlair 1/1 SpindleDII
7.正面横移動連続(あん部馬背着手)Front Travel 3/3 Hands btw PCIII
8.開脚マジャールFlair MagyarEIII
9.開脚シバドFlair SivadoEIII
10.一把手上縦向き旋回倒立3/3移動下りP Loop to Hdst Travel 3/3DIV

D:5.9
E:8.400
Score:14.300

久々に開脚マジャールとシバドを復活させたうえ、新たにアイヒホルンを取り入れてDスコアを大きく上げている。両ポメル上での横向き旋回ひねりはベルキ(E)を狙ったか。終末技はややバランスを崩すが堪えて下りる。


#6 つり輪 SR


1.後ろ振り上がり中水平支持Back Uprise to MalteseEIII
2.伸身ホンマWhippet LayCI
3.中水平支持MalteseDII
4.アザリアンBack Roll to CrossDII
5.ヤマワキYamawakiCI
6.屈身ヤマワキYamawaki PkDI
7.ホンマ十字懸垂Whippet to CrossDIII
8.後ろ振り上がり開脚上水平支持Back Uprise to Strd PlancheCIII
9.ほん転逆上がり倒立Felge to HdstCI
10.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下りDouble Back 2/1EIV

D:5.8
E:8.200
Score:14.000

後ろ振り上がり中水平の後は微妙だが伸身ホンマが成立しているものとした。ほん転逆上がり倒立の決めで動いてしまうが、着地はほぼ止める。

Total Score:82.600 (Total D:34.3)
Rank:3rd



Dスコアが上がっている種目、下がっている種目がありますが、合計Dスコア34.3は自己最高ではないでしょうか。一方、合計スコアは82点台で順位は3位に留まりました。

鉄棒で大きなミスが出ましたが、それ以上にこの選手の真骨頂であるEスコアが以前より出にくくなっているのが気になります。年を追うごとに採点が厳しくなっている影響もあるとは思いますが、ゆかや平行棒など細かい実施や着地を疎かにせず、取り組んでほしいと思います。

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