ニキータ・ナゴルニー - 2020年友情と絆の大会:6種目の演技

NAGORNYY Nikita (RUS)
2020 Friendship and Solidarity Competition Tokyo (JPN) 6 Apparatus


2020年友情と絆の大会では6種目を演技した選手が4人いました。団体戦のみの大会であり個人総合の順位は付いていませんが、上位3人の演技を紹介しておこうと思います。まずは最高となる86.600をマークしたニキータ・ナゴルニー(ロシア)の6種目の演技です。ローテーションは跳馬からでした。

#1 跳馬 VT


DEPenScore
ドラグレスクHdsp Double Front 1/25.69.00014.600

得意のドラグレスク。着地は2歩ほど後ずさるがEスコアは9点台に乗せる。


#2 平行棒 PB


1.後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持Back Uprise Front Pk to SupDII
2.シャルロBasket to 1 Rail HdstEIII
3.単棒ヒーリー1 Rail HealyEI
4.棒下宙返りひねり倒立Basket 1/2 to HdstEIII
5.後方車輪倒立Back Giant to HdstCIII
6.マクーツMakutsEI
7.ヒーリーHealyDI
8.ディアミドフDiamidovCI
9.ディアミドフひねり5/4 Diamidov to 1/4DI
10.前方かかえ込み2回宙返りひねり下りDouble Front 1/2FIV

D:6.4
E:8.300
Score:14.700

平行棒は従来構成。安定した実施で着地もほぼ止めるが、手を回してしまった。Eスコアは思ったより伸びず。


#3 鉄棒 HB


1.ヤマワキYamawakiDII
2.伸身トカチェフTkatchev LayDII
3.モズニクMoznikEII
4.アドラー1回ひねり片逆手Jam 1/1 to MGDIII
5.アドラーひねりJam 1/2DIII
6.トカチェフTkatchevCII
7.~リンチ+ LynchDII(CV:0.1)
8.ツォウ・リミンZou LiminCI
9.シュタルダーStalderBIII
10.後方伸身2回宙返り2回ひねり下りDouble Back Lay 2/1EIV

D:5.9
E:8.300
Score:14.200

ほぼ従来構成だが、トカチェフとリンチを連続させてDスコアを上げている。着地はピタリと止める。最初のヤマワキの後がけ上がりになり、さらにバーを越せずに振り下ろして後方車輪になっているため、構成上の欠点として0.3の減点を受けているはずだが、その割にはEスコアが出ている。


#4 ゆか FX


1.前方伸身宙返り2回ひねりFront Lay 2/1DII
2.~前方かかえ込み2回宙返り+ Double FrontDII(CV:0.2)
3.前方屈身2回宙返りひねりDouble Front Pk 1/2FII
4.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
5.~前方伸身宙返り1回ひねり+ Front Lay 1/1CII(CV:0.1)
6.~前方伸身宙返り3/2ひねり+ Front Lay 3/2CII
7.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねりDouble Back 2/1EIII
8.後方伸身宙返り2回ひねりBack Lay 2/1CIII
9.開脚座から力十字倒立Split Press to Japanese HdstCI
10.後方かかえ込み2回宙返り1回ひねりDouble Back 1/1DIII

D:6.2
E:8.000
Score:14.200

リューキン(H)を回避し、4本目に新月面を入れている。3本目の3連続の最後は前方3/2としているが、全体的には抑えめの構成。にも関わらず、全体的に着地が止まらなかった印象。ゆかに合わせることに苦しんだか。


#5 あん馬 PH


1.逆交差倒立Back Scissor to HdstDI
2.ショーンSohnEII
3.Eフロップ4 FlopsEII
4.Dコンバイン2 Flops + R180DII
5.シュテクリBDSBBII
6.一把手上縦向き旋回Pommel LoopBII
7.ウ・グォニアンRussian Travel 3/3 720EIII
8.マジャールMagyarDIII
9.シバドSivadoDIII
10.一把手上縦向き旋回倒立3/3移動下りP Loop to Hdst Travel 3/3DIV

D:5.9
E:8.300
Score:14.200

ロス(D)を抜いてDスコアを抑えた構成。ウ・グォニアンの後で旋回が乱れ、その後のマジャール、シバドも苦しい実施になったが堪えた。本来どおりの実施。


#6 つり輪 SR


1.後方伸腕伸身逆上がり中水平支持Back Roll to MalteseFII
2.後方け上がり中水平支持Back Kip to MalteseEIII
3.ナカヤマBack Lever to CrossDII
4.屈身ヤマワキYamawaki PkDI
5.ヤマワキYamawakiCI
6.ホンマ十字懸垂Whippet to CrossDIII
7.後ろ振り上がり開脚上水平支持Back Uprise to Strd PlancheCIII
8.ほん転逆上がり倒立Felge to HdstCI
9.後ろ振り上がり倒立Back Uprise to HdstCI
10.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下りDouble Back 2/1EIV

D:6.0
E:8.700
Score:14.700

つり輪は従来構成。ここまでEスコアが思ったより伸びない感があったが、最後は高得点を出した。

Total Score:86.600 (Total D:36.0)




6種目の合計スコアではトップとなりましたが、全体としては思ったよりもEスコアが伸びなかった印象でしょうか。目立ったミスとしては跳馬の着地、鉄棒の構成上の欠点があったほか、ゆかでもなかなか着地が合いませんでした。

合計Dスコアは36.0で、2019年世界選手権と比べると0.4~0.5のダウン。今大会はかなり収えめの構成で臨みました。しかし、2021年に向けて徐々に戻してくることは確実であり、現時点で最強の選手であることは間違いありません。

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