本家本元:モズニク

Originators : Moznik


本家本元、モズニク(伸身トカチェフひねり片大逆手後ろ振り上がり倒立)です。リンチ(トカチェフひねり片大逆手後ろ振り倒立)は旧ブログで取り上げていますが、モズニク選手はついこの間まで現役だったため記事にしていませんでした。

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発表者はマリヨ・モズニク(クロアチア)。発表年はおそらく2007年です(1)。発表年に近い動画としては2008年ブルーメ・メモリアルのものがありました。



停滞気味であったトカチェフ系の手放し技の発展に大きな一石を投じた技であったと思います。この技の発表によって、開脚での実施が再び見られるようになり、遡ってリンチの名前が付いたことはすでに書きました。「後ろ振り倒立」までが要件とされていることもすでに書いたとおりです。

手を交差させているだけのような微妙な捌きが散見される技でもあります。しかし、そのような捌きでも不認定にまでなる事例はまず見られません。相応の減点はされていると思いますが、難度自体はほぼ認められているのが現状です。

一方、この本家の実施はバーを掴むまでに明確なひねりが見られとても良好だと思います。モズニク選手は発表以降この技を使い続け、2014年には世界選手権で3位、2015年にはヨーロッパ王者に輝いており、まさに本家本元のあるべき姿を示したと思います。動画は2015年ヨーロッパ選手権です。




参考文献
(1) Moriatsu Nakasone:ELEMENTS DEVELOPMENT ON HORIZONTAL BAR IN MEN’S ARTISTIC GYMNASTICS IN JAPAN LITERATURE, Science of Gymnastics Journal Vol.7-3 (2015)

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