サミュエル・ミクラック - 2020年アメリカンカップ:個人総合の演技

MIKULAK Samuel (USA)
2020 American Cup Milwaukee, WI (USA) AA


2020年個人総合ワールドカップシリーズがいよいよ始まります。初戦のアメリカンカップは各選手にミスが相次ぐ荒れた展開となりました。そんな中、優勝したのはサミュエル・ミクラック(アメリカ)。ローテーションはあん馬からでした。

#1 あん馬 PH


1.ミクラックMikulakDI
2.正交差横移動ひねり逆交差入れFront Double Scissor Travel SdwCI
3.ブスナリBusnariFII
4.横向き旋回1回ひねりFlair 1/1 SpindleDII
5.縦向き後ろ移動(2/3)Back Loop Travel 2/3BIII
6.馬端馬背ロシアン1080°転向Leather Russian 1080DII
7.縦向き前移動(1-2-5)Front Loop Travel 1-2-5DIII
8.トン・フェイTong FeiDIII
9.シバドSivadoDIII
10.一把手上縦向き旋回倒立3/3移動下りP Loop to Hdst Travel 3/3DIV

D:5.9
E:7.900
Score:13.800

構成については6種目とも2週間前のウィンターカップに準じている。あん馬は終末技で450°ひねり切れず下りてしまったためDスコアが0.1下がっている。


#2 つり輪 SR


1.後ろ振り上がり中水平支持Back Uprise to MalteseEIII
2.後ろ振り上がり上水平支持Back Uprise to PlancheDIII
3.十字懸垂CrossBII
4.ヤマワキYamawakiCI
5.後ろ振り上がり十字懸垂Back Uprise to CrossCIII
6.屈身ヤマワキYamawaki PkDI
7.後ろ振り上がり倒立Back Uprise to HdstCI
8.ほん転逆上がり倒立Felge to HdstCI
9.後方車輪倒立経過Back Giant thru HdstBI
10.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下りDouble Back 2/1EIV

D:5.4
E:8.700
Score:14.100

つり輪は十字懸垂で難度を抑えている。着地をピタリと決めて高いEスコアを出す。


#3 跳馬 VT


DEPenScore
ドリッグスKasamatsu Lay 3/25.29.20014.400

跳馬はドリッグス。着地はわずかに後ろに跳ねただけでまとめる。


#4 平行棒 PB


1.後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持Back Uprise Front Pk to SupDII
2.ヒーリーHealyDI
3.棒下宙返りひねり倒立Basket 1/2 to HdstEIII
4.棒下宙返り倒立Basket to HdstDIII
5.懸垂前振り後方かかえ込み宙返りひねり腕支持Giant Back Toss 1/2DIII
6.ササキ5/4 Front Strd to HangEI
7.バブサーBhavsarEIII
8.チッペルトTippeltDIII
9.前振りひねり倒立Stützkehr to HdstCI
10.前方かかえ込み2回宙返りひねり下りDouble Front 1/2FIV

D:6.4
E:8.266
Score:14.666

平行棒はさすがに安定した実施を見せる。着地もピタリと止めてみせた。


#5 鉄棒 HB


1.カッシーナCassinaGII
2.コールマンKolmanEII
3.伸身トカチェフTkatchev LayDII
4.トカチェフTkatchevCII
5.~リンチ+ LynchDII(CV:0.1)
6.ツォウ・リミンZou LiminCI
7.アドラーひねりJam 1/2DIII
8.後方とび車輪1回ひねりHop 1/1CI
9.シュタルダーStalderBIII
10.後方伸身2回宙返り2回ひねり下りDouble Back Lay 2/1EIV

D:6.1
E:7.933
Score:14.033

トカチェフからリンチを連続させてDスコアは6.1。もともとこちらが本来構成だが、リンチの振り上がりでは少し肘が曲がってしまった。


#6 ゆか FX


1.前方かかえ込み2回宙返りひねりDouble Front 1/2EII
2.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
3.~前方かかえ込み2回宙返り+ Double FrontDII(CV:0.2)
4.前方伸身宙返り2回ひねりFront Lay 2/1DII
5.~前方かかえ込み宙返り1回ひねり+ Front 1/1BII(CV:0.1)
6.シュピンデル・ゴゴラーゼ1/1 Spindle to GogoladzeDI
7.ゴゴラーゼGogoladzeCI
8.後方伸身宙返り3/2ひねりBack Lay 3/2CIII
9.~前方伸身宙返り1回ひねり+ Front Lay 1/1CII
10.後方伸身宙返り3回ひねりBack Lay 3/1DIII

D:5.9
E:8.433
Score:14.333

最後の後方3回は大きく動いてしまったが、全体としては着地をよく止めた。後方5/2~前方ダブルの連続も安定感がある。

Total Score:85.332 (Total D:34.9)
Rank:1st



ミクラック自身も絶好調という感じではなく、あん馬では終末技でミスが出て、つり輪では構成を抑えています。今大会は、他の選手がそれ以上に良くなかったという印象。ほとんどの選手がシーズン初戦であり、2週間前にウィンターカップを戦っていたミクラックが1歩リードしたという感じです。

スコアは85点台前半と低調で、合計Dスコアも34.9とウィンターカップより0.2下げています。オレグ・ベルニャイエフ(ウクライナ)をかわして首位に立ったのは5種目を終えた時点でしたが、地力を見せての素晴らしい優勝。アメリカはこのまま出場枠を獲得できるでしょうか。

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