2020 Individual All-Around World Cup Series
個人総合ワールドカップシリーズがいよいよ今週のアメリカンカップから始まります。例年行われている個人総合ワールドカップですが、2020年のシリーズは東京オリンピックの出場資格が懸かってきます。どのような大会になっているのか確認しておきましょう。
2020年の個人総合ワールドカップシリーズは以下の4大会が開催されることになっています。
・2020年3月7日 | アメリカンカップ(アメリカ大会) |
・2020年3月21日 | シュトゥットガルト大会 |
・2020年3月28日 | バーミンガム大会 |
・2020年4月5日 | 東京大会 |
足かけ3年に渡ってオリンピック出場資格を競う種目別ワールドカップシリーズと異なり、わずか1か月の間に4大会が開催される短期決戦となっています。
個人総合ワールドカップシリーズは例年開催されており、従来はおおむね8か国程度がエントリーしていました。しかし、2020年のシリーズは12か国がエントリーできます。出場できる国は2019年世界選手権の団体12位までの国で、ロシア、中国、日本、ウクライナ、イギリス、スイス、アメリア、台湾、韓国、ブラジル、スペイン、ドイツとなっています。
また、個人総合ワールドカップシリーズは、種目別ワールドカップシリーズとは異なり、オリンピックの団体出場を得るために団体メンバーとして競技した選手も出場することができます。一方、出場資格は国に対して与えられることとなっています。
個人総合ワールドカップシリーズを通じてのオリンピック出場は、ポイントによるランキングによって決まります。各国には各大会の順位により以下のようなポイントが与えられます。
順 位 Rank 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 ポイント Point 60 55 50 45 40 35 30 25 20 15 10 5
最終的なポイント合計が同点の場合は、以下のようにタイブレイクされます。
1. シリーズの最後の大会の順位が高い方を上位とする。
2. それでも同点の場合は、シリーズ4大会の決定点の合計が高い方。
3. それでも同点の場合は、シリーズ4大会のEスコアの合計が高い方。
というわけで、個人総合ワールドカップシリーズを通じてのオリンピック出場は、すでに団体出場資格を持っている国が追加の出場枠を得るための枠と言うことができると思います。
日本からは2019年個人総合スーパーファイナルの1位、2位である橋本大輝と萱和磨が出場。アメリカンカップと東京大会に橋本が、シュトゥットガルト大会とバーミンガム大会に萱がエントリーしています。
さらにこの個人総合ワールドカップシリーズで一定以上の成績を収めた場合、最速で東京オリンピックの団体代表に選出されます。このシリーズで出場枠を得た場合は「4大会の得点を並べ日本人最上位かつ全体3位以内の1名」が代表に決定。出場枠を逃した場合でも「4大会の得点を並べ日本人最上位かつ全体3位以内のうえ86.973点以上の得点を獲得した1名」が代表に決定します。86.973点は2019年世界選手権における個人総合3位のオレグ・ベルニャイエフ(ウクライナ)の得点と思われます。
新型コロナウィルスの影響もあり状況はまだ何とも言えませんが、日本が出場枠を得る可能性は高いと思われます。全体3位以内の条件を満たせるかは微妙なところかもしれません。一方、出場枠を得られなかった場合は86.973点以上という条件が加わるため、かなりハードになります。橋本はこの得点を出したことがなく、萱も2019年ユニバーシアードの個人総合で87.000を出したことが1回あるだけです。
この個人総合ワールドカップシリーズで日本は出場枠を得ることができるのか。そして、最初の代表選手が決定するのか。注目の1か月が始まります。
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