Front Stoop to Strd Cut on HB
鉄棒には「前方浮腰回転開脚抜き」という系統の技群があります。
日本ではチューリップカットとも呼ばれる技です。グループIIIでA難度からE難度まで技が並びますが、今日ほとんど実施されることがありません。どういった技になるのか動画を見ていきましょう。
前方浮腰回転開脚抜き懸垂(支持)(A) Front Stoop to Strd Cut to Hang or Sup
このようにアドラーの要領でバーと上半身の間に下半身を入れ、振り出すタイミングで開脚抜きをする技ということになります。動画は懸垂ですが、支持も同枠。この技がA難度です。
前方浮腰回転開脚抜き倒立経過(B) Front Stoop to Strd Cut thru Hdst
バーを越えて前方車輪に持ち込めばB難度になります。動画はクリスチャン・イワノフ(ブルガリア)。倒立局面が表現されているかは微妙ですが。
前方浮腰回転開脚抜きひねり懸垂(カルバロ)(C) Front Stoop to Strd Cut 1/2
1/2ひねりでC難度となり、カルバロの名が付いています。動画は本家本元ヘスス・カルバージョ〔カルバロ〕(スペイン)。続けて実施しており、この演技で1997年の世界選手権を制しています。片手で懸垂していますが、1996年まではこれで難度も1つ上がっていました。
前方浮腰回転開脚抜き1回ひねり片大逆手(キンテロ)(D) Front Stoop to Strd Cut 1/1 to MG
1回ひねりでD難度、キンテロという技になります。動画はダネル・レイバ(アメリカ)です。
前方浮腰回転開脚抜き1回ひねり大逆手(E) Front Stoop to Strd Cut 1/1 to El
1回ひねりを大逆手で掴んでE難度。キンテロ大逆手と呼ぶことができるでしょう。この系統の技の頂点となります。動画は同じくレイバ。得意なように見えますが、世界選手権等で使われることはありませんでした。
実はこの技群は2016年まではグループIIの手放し技として扱われていました。A難度の前方浮腰回転開脚抜き懸垂(支持)は唯一のA難度の手放し技でもあったわけです。2017年のルール改訂でグループIIIとなり、初心者の拠りどころの手放し技という位置付けも失われました。今日の体操では見事なまでに見かけることはありません。
しかし、個人的にはとてもかっこいい技群だと思っています。まさかこれらの技が消えてなくなることはないと思っていますが、もう少し試合で見られるようなると嬉しいとも思う今日この頃だったりします。
この記事へのコメント
moi
自分が高校生の時は、
前方浮腰回転開脚抜き倒立経過(B)
が、離れ技でなお且つE難度の時代でした(笑)
当時、難度表をコーチと見ながらお得なE何度ってことで練習した
のが良い思い出です。
Ka.Ki.
現在B難度の倒立経過がE難度とは確かにお得ですね。E難度が設置された1993-1996年ルールの頃でしょうか。
マイコ
1996~2000のルールではまだ高難度だった記憶があるので
2001年以降でガツンと難度が下げられたのかもです。
ちなみにヨブチェフ選手が使っていてこの技を知りました。
懐かしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=zxu0AESAarM
Ka.Ki.
ヨブチェフ選手も使っていましたね。2001年のルール改訂はかなり大規模で、技の削除なども多かったようですね。
ロン
Ka.Ki.