アルトゥール・ダラロヤン - 2019年ロシアカップ:個人総合の演技

DALALOYAN Artur (RUS)
2019 Russian Cup Penza AA


2019年ロシアカップ、個人総合3位のアルトゥール・ダラロヤンの演技です。

DスコアとEスコアの内訳が判っていません。よってDスコアは手元の計算による非公式、Eスコアは決定点からの逆算となっています。ご注意ください。

#1 ゆか FX


1.前方伸身宙返り1回ひねりFront Lay 1/1CII
2.~前方屈身2回宙返り+ Double Front PkEII(CV:0.1)
前方伸身宙返りFront LayBII
3.~前方屈身2回宙返りひねり+ Double Front Pk 1/2FII
4.後方伸身宙返り3/2ひねりBack Lay 3/2CIII
5.~前方伸身宙返り5/2ひねり+ Front Lay 5/2EII
6.後方伸身宙返り2回ひねりBack Lay 2/1CIII
7.開脚座から力十字倒立Split Press to Japanese HdstCI
8.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
9.~前方伸身宙返り2回ひねり+ Front Lay 2/1DII(CV:0.2)
10.後方伸身宙返り3回ひねりBack Lay 3/1DIII

D:6.3
E:7.233
Score:13.533

ゆかは構成を変えてきた。最初のタンブリング、前方1回からは前方5/2やシライ2(F)といったひねり系につないでいたが、今回は前方屈身ダブルにつなげている。続く2本目、前方伸身からは前方屈身ダブルひねりに連続するが、ここで手を突いてしまった。後半、後方5/2~前方2回のD+Dも着地が乱れている。中盤、後方2回のところが本来は新月面(E)であり、この構成が完成すればDスコア6.5まで狙っていることになる。


#2 あん馬 PH


1.逆交差倒立Back Scissor to HdstDI
2.Dフロップ3 FlopsDII
3.ブスナリBusnariFII
4.横向き旋回1回ひねりFlair 1/1 SpindleDII
5.正面横移動連続(あん部馬背着手)Front Travel 3/3 Hands btw PCIII
6.シュテクリBDSBBII
7.縦向き後ろ移動(2/3)Back Loop Travel 2/3BIII
8.マジャール〈落下して再試技〉MagyarDIII
9.シバドSivadoDIII
10.一把手上縦向き旋回倒立450°ひねり3/3移動下りP Loop to Hdst Travel 3/3 450EIV

D:5.8
E:7.200
Score:13.000

あん馬でもシュピンデルを入れて難度を上げている。手を突く位置が危なかったが、何とか堪えた。しかし後半、マジャールでまさかの落下。終末技はE難度でDスコアは自己ベストと思われる5.8を確保する。


#3 つり輪 SR


1.後方伸腕伸身逆上がり中水平支持Back Roll to MalteseFII
2.後方け上がり中水平支持Back Kip to MalteseEIII
3.ナカヤマBack Lever to CrossDII
4.屈身ヤマワキYamawaki PkDI
5.ヤマワキYamawakiCI
6.ホンマ十字懸垂Whippet to CrossDIII
7.後ろ振り上がり開脚上水平支持Back Uprise to Strd PlancheCIII
8.ほん転逆上がり倒立Felge to HdstCI
9.後ろ振り上がり倒立Back Uprise to HdstCI
10.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下りDouble Back 2/1EIV

D:6.0
E:8.400
Score:14.400

つり輪でも終末技を新月面にしてDスコアを0.1上げてきた。実施も良好で、着地もほぼ止める。


#4 跳馬 VT


DEPenScore
ブラニクHdsp Double Front Pk5.69.20014.800

ブラニクを両足1歩跳ねる程度に収める。素晴らしい跳越を見せた。


#5 平行棒 PB


1.横向き逆上がり1/4ひねり倒立Shoot Up 1/4 to HdstDIII
2.リチャードFront Uprise DiamidovEII
3.前振り上がりひねり倒立Front Uprise 1/2 to HdstEII
4.チッペルトTippeltDIII
5.バブサーBhavsarEIII
6.前方開脚5/4宙返り腕支持5/4 Front StrdDI
7.ヒーリーHealyDI
8.前振りひねり倒立Stützkehr to HdstCI
9.後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持Back Uprise Front Pk to SupDII
10.前方かかえ込み2回宙返りひねり下りDouble Front 1/2FIV

D:6.4
E:9.000
Score:15.400

ヨーロッパ選手権では新技の前方屈身ダブルひねり下り(G)を見せたが、今大会は封印。従来のDスコア6.4の構成を持ってきた。実施は非常に安定しており、Eスコア9.000を出す。


#6 鉄棒 HB


1.カッシーナCassinaGII
2.伸身コバチKovacs LayEII
3.伸身トカチェフTkatchev LayDII
4.モズニクMoznikEII
5.アドラーひねりJam 1/2DIII
6.アドラーJamCIII
7.大逆手車輪Giant ElBI
8.ヤマワキYamawakiDII
9.シュタルダーStalderBIII
10.後方伸身2回宙返り1回ひねり下りDouble Back Lay 1/1DIV

D:6.0
E:8.500
Score:14.500

技の順番は変わっているが内容はヨーロッパ選手権で見せた構成と同じ。手放し技はどれも雄大に決めた。着地は片足1歩後ろに動く。

Total Score:85.633 (Total D:36.1)
Combined Total:171.231
Rank:3rd



予選、決勝ともにミスが出ましたが、それでもともに85点台後半を出してしまうのは地力のなせる技でしょう。決勝においてゆか、あん馬と序盤に大きなミスが出たにも関わらず、集中力を切らさず残り4種目で挽回してみせたのもさすがです。

何より素晴らしいのはDスコアを上げ続ける積極姿勢。合計Dスコアはついに36点台に乗せてきました。2017年は34点台前半、2018年は35点台前半の構成だった選手です。複数種目でまだDスコアを上げる余地がありますが、特に跳馬でリ・セグァン2(D:6.0)を跳んできた日にはとんでもないことになりそうです。

この記事へのコメント

  • マイコ

    今回、手をついてはしまいましたが
    床の屈伸ダブルハーフの実施がかなり改善されていることに驚きました。

    床、跳馬、平行棒のいずれのダブルハーフでも
    足のゆるみが散見され、せっかくの綺麗な演技が台無しだと感じていたのですが
    オリンピックに向け確実に改善してきていますね。
    まだまだ完全ではないのでしょうが流石、と感じました。
    2019年09月05日 13:42
  • Ka.Ki.

    難度も上げつつ、実施も改善となると本当に凄いです。末恐ろしい、手が付けられないと言った感じですかね。
    2019年09月05日 23:58
  • マイコ

    床で1点、鞍馬で1点のロスがある中での85点後半
    万全であれば87点後半が狙えることになります。

    今までの彼を見ていると来年までには
    十分に修正してくると期待できますからね。

    おっしゃる通り「末恐ろしい」ですね。
    末楽しみでもありますが。
    2019年09月07日 11:03