2019年世界選手権代表選考の結果について

2019 JPN Team for Worlds


全日本種目別選手権が終わり、2019年世界選手権・シュトゥットガルト大会の代表選手が決定しました。すでに代表に決まっていた谷川翔谷川航萱和磨の3人に加え、新たに決まったのは橋本大輝神本雄也の2人。選考の結果をあらためて確認しておきましょう。



代表選考の方法は先日記事にしたとおりです。おさらいになりますが、ベースとなる谷川翔、谷川航、萱の3試合のうち各種目上位2試合の平均得点は以下のとおり。前回同様、一番左列の数字はNHK杯順位です(以下、同じ)。

FXPHSRVTPBHB
1谷川翔14.56614.70013.86614.25014.58313.799
2谷川航14.86613.71614.26615.01614.73313.583
3萱和磨14.09914.29914.13314.18314.28314.116
Total43.03142.71542.26543.44943.59941.498256.557

そして全日本種目別を終え、NHK杯10位以内の選手とそれ以外の選手の5試合のうち各種目上位3試合の平均得点によるチーム得点を算出したところトップ3は以下のようになりました。Totalの下段()は加わった2人の選手が上昇させたチーム得点、いわゆる貢献度です。

1st
FXPHSRVTPBHB
1谷川翔14.56614.70014.25014.583
2谷川航14.36614.26615.01614.733
3萱和磨14.09914.29914.13314.116
6橋本大輝14.42214.82214.199
29神本雄也14.52215.23314.499
43.03143.42142.92144.08844.54942.814260.824
(0.706)(0.656)(0.639)(0.950)(1.316)(4.267)

2nd
FXPHSRVTPBHB
1谷川翔14.56614.70014.25014.583
2谷川航14.36614.26615.01614.733
3萱和磨14.09914.29914.13314.18314.116
10長谷川智将14.76614.122
29神本雄也14.52215.23314.499
43.03143.76542.92143.44944.54942.737260.452
(1.050)(0.656)(0.950)(1.239)(3.895)

3rd
FXPHSRVTPBHB
1谷川翔14.56614.70014.25014.583
2谷川航14.36614.26615.01614.733
3萱和磨14.09914.29914.13314.116
5野々村笙吾14.66614.81013.977
6橋本大輝14.42214.82214.199
43.03143.42143.06544.08844.12642.292260.023
(0.706)(0.800)(0.639)(0.527)(0.794)(3.466)

最上位は橋本大輝神本雄也の2人。NHK杯終了時点での3試合の単純平均を用いた計算でもトップだった2人がそのまま突っ走り代表を決めました。橋本はあん馬と跳馬、神本はつり輪と平行棒と得意種目を補完し合い、すでに決まっている3人が弱い鉄棒ではともに貢献できるという効果的な組合せです。

さらにこの2人は全日本種目別を通じて平均得点をどんどん上昇させ貢献度を上げていきました。NHK杯終了時点で2.820だった貢献度は、全日本種目別の予選終了時点で4.077に。最終的には4.267と終始他の組合せを寄せ付けませんでした。

次点の組合せは長谷川智将と神本。長谷川はあん馬と鉄棒で最大限の力を発揮すれば可能性がありましたが、あん馬の予選でミスが出て決勝進出を逃し、貢献度を伸ばせなかったことが響きました。続く組合せは野々村笙吾と橋本。野々村は神本と得意種目が被り、つり輪では上回るものの、平行棒と鉄棒で神本に及びませんでした。



橋本は市立船橋高校3年生。2013年の白井健三以来となる高校生代表となりました。神本は社会人3年目にして初の代表入りですが、2010年ユースオリンピックや2014年アジア競技大会の個人総合で優勝するなど国際大会の実績は十分です。2016年リオデジャネイロオリンピックの代表が一人も入らないというまかさの顔ぶれになった2019年の日本代表はシュトゥットガルトでどのような戦いを見せてくれるでしょうか。

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