FIG ニュースレター #35

FIG Newsletter #35


FIGのNewsletter #35が発行されましたので、ここで内容をまとめておきたいと思います。なお「⇒」以降は私のコメント(戯言)です。

一部の情報はすでに『男子体操競技情報第27号』、同『追加情報』、同『追加情報 Version 2』において通達されています。それ以外の内容は解釈に間違いがあるかもしれません。競技関係者の方は原本を直接確認するか、日本体操協会の公式な情報をお待ちください。

一般条項 General

● 審判はすべての審判研修会、ポディウムトレーニング、審判会議、大会終了までの全競技日程に参加しなければならない。

● 審判は採点規則5-1条 k)に基づく服装要件に従うこと。
⇒特に新しい事項ではありませんが、注意を促さなければならないような事案があったのでしょうか。

● 圧縮サポーターについて
・選手は競技中は圧縮サポーターの着用を控えなくてはならない。
・採点規則2-3条 服装規定 i)も参照すること。
・服装違反は0.3の減点である(2-4条)。
注:サポーターは関節や、平行棒における上腕のサポートのために装着することができる。前腕(または膝)の半分より下まで伸びていてはならない。色は肌の色が望ましい。
⇒Newsletterでは写真で例が示されています。

● 全ての演技に関する計時(演技開始及び演技時間)は1秒単位で行われる。
⇒すでに『情報27号 追加情報 Version 2』で通達され、分かりやすく例も示されています。「30.99は30秒となり、30秒を超えた減点には抵触しない」とのことです。


ゆか FX

● ゴゴラーゼ系の技は、旋回の後に正面支持になることが要求される。
⇒ニュースレターでも「リマインダ」となっており、特に新しい事項ではありません。前から気になってはいましたが、キリル・プロコピエフ(ロシア)のエアートラックスの実施などが抵触する可能性があります。



● 開脚の低い姿勢からの十字倒立はC難度で認定される。
⇒例としてトマス・ゴンサレス(チリ)の開脚前屈からの動画が示されています。



● エンドーでは両腕による支持を見せなければならない。胸部や腹部でコントロールされていない着地をした場合は不認定となる。
⇒すでに『情報27号 追加情報 Version 2』で通達されています。


あん馬 PH

● 交差倒立において不認定となった例を示す。




つり輪 SR

● 中水平支持と上水平支持の認定について
・肩が輪の頂点より完全に上にある場合は、上水平支持として判定される。
・中水平支持は完全な伸身姿勢かつ輪の底部のラインに肩の底部が収まるよう実施されなければならない。腕は広げられ、上半身に触れないようにしなければならない。
・上水平支持は完全な伸身姿勢かつ体が完全に輪の上になるよう実施されなければならない。わずかに腕が開く、あるいは手が外を向いていることは技の難度に影響しない。
⇒Newsletterでは写真で例が示されています。

● ホンマ支持の後、脚を上げ脚前挙になった場合は0.3の減点となる。


平行棒 PB

● ヒーリーやマクーツでバーを掴む際に極端に腕が曲がった場合(90°を超える)は不認定となる。



● 前方2回宙返りひねり下りは、ひねりのタイミングが早い場合または遅い場合でも難度を得ることができる。


鉄棒 HB

・順手背面車輪の終末局面における単純な浮腰回転からの抜きは、角度逸脱の減点はないが、難度も与えられない。
⇒ケステで倒立に収まらない捌きの扱いです。すでに『情報27号 追加情報』で通達されています。



通達にあたり写真や動画が豊富に用意されるようになり分かりやすくなったと思います。



新たに名前が付いた技が6技掲載されています。

あん馬 PH

ケイハ6 発表者:KEIKHA Saeedreza (IRI)
・馬端中向き支持から両把手を越えて上向き転向
・D難度(II-52「ケイハ3」と同一枠)
・2018年種目別ワールドカップ・コトブス大会で発表

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当ブログではこちらの記事で演技を紹介しました。グループIIIになるかと思われましたが、横向きのケイハ3と同一枠となったためグループIIの技として扱われます。対称的な構造を持つ「馬端外向き支持から下向き逆移動で反対の馬端外向き支持(D)」はグループIIIであり、技の考え方や難度表の整理が求められます。


イェッセン 発表者:JESSEN David (CZE)
・DSA直接背面とび横移動倒立下り
・D難度(IV-16)(すでに難度表にあり)
・2019年種目別ワールドカップ・ドーハ大会で発表

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すでに難度表にあった終末技ですが、実施例がなかったようです。動画では450°ひねり3/3移動下りで実施しておりF難度になります。


つり輪 SR

タロック2 発表者:TULLOCH Courtney (GBR)
・懸垂から伸腕で引き上げ上向き中水平支持(2秒)
・F難度(II-66)
・2018年ヨーロッパ選手権・グラスゴー大会で発表

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2018年ヨーロッパ選手権で発表して以来使い続けていましたが、晴れて名前が付きました。


跳馬 VT

ヨネクラ 発表者:米倉英信 YONEKURA Hidenobu (JPN)
・伸身カサマツ5/2ひねり
・D:6.0(II-77)(すでに難度表にあり)
・2019年種目別ワールドカップ・メルボルン大会で発表

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いわゆるロペスハーフにもやっと名前が付きました。2018年のコトブス大会ではなく、2019年のメルボルン大会の実施により認められたとのことです。


平行棒 PB

エスパルサ 発表者:ESPARZA Orlando (MEX)
・懸垂前振りひねり前方屈身2回宙返り腕支持
・G難度(III-66)
・2018年ワールドチャレンジカップ・パリ大会で発表

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屈身タナカです。2018年アジア競技大会で鄧書弟(中国)も実施していましたが、こちらの名前が付いたようです。


鉄棒 HB

サミログ 発表者:SAMILOGLU Umit (TUR)
・屈身トカチェフひねり片大逆手後ろ振り上がり倒立
・D難度(II-16「リンチ」と同一枠)
・2018年ワールドチャレンジカップ・メルスィン大会で発表

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屈身リンチが2018年に発表されていたとは知りませんでした。リンチと同一枠であり実施するメリットは少なそうです。

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