ニキータ・ナゴルニー - 2019年ヨーロッパ選手権:個人総合の演技

NAGORNYY Nikita (RUS)
2019 Europeans Szczecin (POL) AA


2019年のヨーロッパ選手権はポーランドのシュチェチンという街で開催されました。奇数年のヨーロッパ選手権は団体戦がなく、個人総合と種目別による大会。個人総合はニキータ・ナゴルニー(ロシア)が優勝しています。

#1 ゆか FX


1.リューキンTriple BackHIII
2.前方屈身2回宙返りひねりDouble Front Pk 1/2FII
3.前方伸身宙返り2回ひねりFront Lay 2/1DII
4.~前方かかえ込み2回宙返り+ Double FrontDII(CV:0.2)
5.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
6.~前方伸身宙返り1回ひねり+ Front Lay 1/1CII(CV:0.1)
7.~前方伸身宙返りひねり+ Front Lay 1/2BII
8.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねりDouble Back 2/1EIII
9.開脚座から力十字倒立Split Press to Japanese HdstCI
10.後方かかえ込み2回宙返り1回ひねりDouble Back 1/1DIII

D:6.6
E:8.266
Pen:0.1
Score:14.766

動画が2本目のタンブリングから始まるが、スローで確認できるとおり1本目はリューキン。前半は着地が動き、前方2回~前方ダブルの連続でラインオーバー。後半は安定して最後の月面も止める。


#2 あん馬 PH


1.逆交差倒立Back Scissor to HdstDI
2.ショーンSohnEII
3.Eフロップ4 FlopsEII
4.Dコンバイン2 Flops + R180DII
5.シュテクリBDSBBII
6.一把手上縦向き旋回Pommel LoopBII
7.ウ・グォニアンRussian Travel 3/3 720EIII
8.マジャールMagyarDIII
9.シバドSivadoDIII
10.一把手上縦向き旋回倒立3/3移動下りP Loop to Hdst Travel 3/3DIV

D:5.9
E:8.433
Score:14.333

フロップで少し旋回が揺れたが全体としては安定した演技を見せる。


#3 つり輪 SR


1.後方伸腕伸身逆上がり中水平支持Back Roll to MalteseFII
2.後方け上がり中水平支持Back Kip to MalteseEIII
3.ナカヤマBack Lever to CrossDII
4.屈身ヤマワキYamawaki PkDI
5.ヤマワキYamawakiCI
6.ホンマ十字懸垂Whippet to CrossDIII
7.後ろ振り上がり開脚上水平支持Back Uprise to Strd PlancheCIII
8.ほん転逆上がり倒立Felge to HdstCI
9.後ろ振り上がり倒立Back Uprise to HdstCI
10.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下りDouble Back 2/1EIV

D:6.0
E:8.733
Score:14.733

つり輪も、ほん転逆上がり倒立の決めが気になったくらいで全体としては良好な実施。着地も止める。


#4 跳馬 VT


DEPenScore
ドラグレスクHdsp Double Front 1/25.69.30014.900

ナゴルニーのドラグレスクは非常に安定している。今回も両足1歩小さく跳ねる程度に収める。


#5 平行棒 PB


1.後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持Back Uprise Front Pk to SupDII
2.シャルロBasket to 1 Rail HdstEIII
3.単棒ヒーリー1 Rail HealyEI
4.棒下宙返りひねり倒立Basket 1/2 to HdstEIII
5.後方車輪倒立Back Giant to HdstCIII
6.マクーツMakutsEI
7.ヒーリーHealyDI
8.ディアミドフDiamidovCI
9.ディアミドフひねり5/4 Diamidov to 1/4DI
10.前方かかえ込み2回宙返りひねり下りDouble Front 1/2FIV

D:6.4
E:9.000
Score:15.400

平行棒も安定した実施。着地も止めてEスコアを9点台に乗せる。


#6 鉄棒 HB


1.ヤマワキYamawakiDII
2.伸身トカチェフTkatchev LayDII
3.モズニクMoznikEII
4.アドラー1回ひねり片逆手Jam 1/1 to MGDIII
5.アドラーひねりJam 1/2DIII
6.トカチェフTkatchevCII
7.リンチLynchDII
8.ツォウ・リミンZou LiminCI
9.シュタルダーStalderBIII
10.後方伸身2回宙返り2回ひねり下りDouble Back Lay 2/1EIV

D:5.8
E:8.733
Score:14.533

手放し技はいずれもいい位置で掴み申し分のない実施。着地も止めてみせた。

Total Score:88.665 (Total D:36.3)
Rank:1st



構成は3月の個人総合ワールドカップ・バーミンガム大会とまったく同じですが、今回は6種目すべてで安定した実施を見せ88.665という高得点で優勝。2017年以降の個人総合では最高点ではないでしょうか。

合計Dスコアは36.3でさらに0.1~0.3くらいはいつでも上げてくる可能性があります。世界選手権、さらには2020年東京オリンピックの個人総合における最有力選手の筆頭に躍り出たと言っていいでしょう。

この記事へのコメント

  • マイコ

    まさに個人総合の優勝候補筆頭ですね。
    驚異の88点越えですが採点が甘めというわけでもなく
    世界選手権でも今回の実施ならば同程度の得点になるかと思います。

    また、双璧をなすダラロヤン選手がいることで
    チーム自体が強くなるだけでなく、
    それぞれにかかる期待、プレッシャーも緩和されると思いますので
    東京五輪の4-4-3団体においても
    現時点で中国を自力で上回り金メダルの最有力と感じています。

    最も個人総合ではダラロヤン選手が最大のライバルになるでしょうね。
    2019年04月16日 13:11
  • Ka.Ki.

    本当にすごい点が出ました。予選はダラロヤン選手が1位であり、この二人はまさに両雄、双璧と言っていいと思います。中国勢はまだ孫煒選手以外の個人総合が見られていないため、今後が楽しみです。
    2019年04月16日 23:09
  • タミ

    ナゴルニー選手もダラロヤン選手も凄まじいですね…マイコさんのおっしゃる通り、東京五輪では個人総合も団体もロシア勢が優勝候補筆頭だと思います。対抗は中国でしょうね。現状況では日本チームは、団体戦では大過失、中過失が0の演技をして、ロシアや中国のミスありきでなんとか銀メダルを狙えるかなという気がしています。本番は4-3-3なので、どうなるか分かりませんが…ロシアのこの2人に完璧な演技をされたら厳しいなぁと。
    2019年04月19日 12:34
  • Ka.Ki.

    オリンピック前年のこの時点でここまで仕上げていることがすごいと思います。ナゴルニー、ダラロヤンの両選手がこのまま本来どおりであれば東京オリンピックの団体、個人総合はロシアがかなり有力でしょうね。日本としてはあまり悲観的にはなりたくないところですが。
    2019年04月20日 21:05