孫煒 - 2019年ワールドカップ・シュトゥットガルト大会:個人総合の演技

SUN Wei (CHN)
2019 Individual All-Around World Cup Stuttgart (GER)


2019年個人総合ワールドカップ・シュトゥットガルト大会、2位の孫煒(中国)の演技です。

#1 ゆか FX


1.前方屈身2回宙返りDouble Front PkEII
2.後転とびBack HdspAIII
3.後方伸身2回宙返りDouble Back LayDIII
4.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
5.~前方伸身宙返りひねり+ Front Lay 1/2BII(CV:0.0)
6.前方伸身宙返り1回ひねりFront Lay 1/1CII
7.~前方伸身宙返り3/2ひねり+ Front Lay 3/2CII
8.フェドルチェンコFedorchenkoCI
9.開脚座から力十字倒立Split Press to Japanese HdstCI
10.後方伸身宙返り3回ひねりBack Lay 3/1DIII

D:5.2
E:7.066
Score:12.266

後方5/2~前方1/2で手を突いてしまい組合せ加点を得られなかったが、予定どおりだとしてもDスコア5.3は抑えめの構成。伸身ダブルなど見事な着地もあった一方、乱れも出た。


#2 あん馬 PH


1.逆交差倒立Back Scissor to HdstDI
2.正交差倒立Front Scissor to HdstDI
3.横向き旋回CircleAII
4.Eフロップ4 FlopsEII
5.Eコンバイン2 Flops + R360EII
6.ウ・グォニアンRussian Travel 3/3 720EIII
7.ロスRussian Travel 3/3 360DIII
8.マジャールMagyarDIII
9.シバドSivadoDIII
10.一把手上縦向き旋回倒立450°ひねり3/3移動下りP Loop to Hdst Travel 3/3 450EIV

D:6.1
E:8.300
Score:14.400

あん馬でも馬端馬背ロシアン1080°転向(D)を抜いているが、コンバインをE難度まで回すなど難度アップの取り組みも見られる。ウ・グォニアンで乱れが出たがそれ以外はおおむね良好な実施を見せた。


#3 つり輪 SR


1.後ろ振り上がり中水平支持Back Uprise to MalteseEIII
2.押し上げ上水平支持Press to PlancheDII
3.け上がり支持Kip to SupAI
4.中水平支持MalteseDII
5.ヤマワキYamawakiCI
6.屈身ヤマワキYamawaki PkDI
7.ホンマ十字懸垂Whippet to CrossDIII
後ろ振り上がり開脚上水平支持〈不認定〉Back Uprise to Strd Planche
8.ほん転逆上がり倒立Felge to HdstCI
9.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下りDouble Back 2/1EIV

D:5.3
E:7.666
Score:12.966

2018年からかなり構成を変えているが、全体としては抑え気味。Dスコアから、後ろ振り上がり開脚上水平(C)が認定されなかったものと思われる。着地は止める。


#4 跳馬 VT


DEPenScore
ロペスKasamatsu Lay 2/15.69.40015.000

跳馬はいつもどおりのロペス。姿勢は良好、着地も小さく跳ねる程度で高いEスコアを出す。


#5 平行棒 PB


1.前振り上がりFront UpriseAII
2.棒下宙返りひねり倒立Basket 1/2 to HdstEIII
3.棒下宙返り倒立Basket to HdstDIII
4.後方車輪倒立Back Giant to HdstCIII
5.前方開脚5/4宙返り腕支持5/4 Front StrdDI
6.バブサーBhavsarEIII
7.伸腕屈身力倒立Pike Press to HdstBI
8.チッペルトTippeltDIII
9.ヒーリーHealyDI
10.前方かかえ込み2回宙返りひねり下りDouble Front 1/2FIV

D:5.8
E:8.700
Score:14.500

2018年と比べると、ドミトリエンコ(E)を抜き、バブサーを入れるなどして構成を変えている。全体的には良好な実施。着地は跳ねる。


#6 鉄棒 HB


1.アドラー1回ひねり逆手Jam 1/1 to UGEIII
2.伸身トカチェフTkatchev LayDII
3.~リンチ+ LynchDII(CV:0.2)
4.アドラーひねりJam 1/2DIII
5.モズニクMoznikEII
6.前方車輪1回ひねり大逆手1/1 to ElCI
7.ヤマワキYamawakiDII
8.エンドーEndoBIII
9.シュタルダーStalderBIII
10.後方伸身2回宙返り2回ひねり下りDouble Back Lay 2/1EIV

D:6.0
E:8.333
Score:14.333

鉄棒は従来構成。ひねり技の角度減点は避けられないが全体としては良好な実施を見せる。着地は堪えきれず動いてしまった。

Total Score:83.465 (Total D:34.0)
Rank:2nd



ゆかとつり輪で大きなミスが出たため、4種目目までの暫定順位は7~9位と低迷していましたが、最後の平行棒と鉄棒で一気にジャンプアップ。結果としては2位に食い込んできました。

ミスで予定の難度が得られなかったほか、元から構成を抑えていた部分もあり、合計Dスコアは34.0。2018年世界選手権の個人総合では35.0だったためずいぶんDスコアを下げたことになりますが、もちろん本来であればDスコア、Eスコアともに高いものをもつ選手です。

この記事へのコメント

  • 伸身ローチェ

     おっしゃる通りトップクラスの選手としては、想定外の不認定がなされたであろう吊り輪以外の3種目、床、あん馬、平行棒でも10技にA難度が入る構成と難度が抑えめでしたね(それでもあん馬はDスコア6.1と高レベルですが)。もっと重要な大会にピークを持ってくるピーキング、というものでしょうか。
     少し気になったのがあん馬のウ・グォニアンです。わたしにはロスをしてから馬端でロシアン転向360°をしているように見えました。それ以外の演技でも3部分移動でちょうどロシアン転向720°を終える演技は少ない印象ですが、今回はことさらそのように見えたのです。記憶違いかもしれませんがウ・グォニアンはロシアン転向の度合いと移動の度合いについて通達されていなかったでしょうか。その点から言ってあまりいい実施に見えませんでした。
    2019年04月03日 04:03
  • こっこ

    >伸身ローチェさん
    確かに体操情報に
    「ウ・グォニアンは、あん部馬背支持に達するまでに 360°の転向を完了し、残りの 360°の転向を馬端馬背支持に達するまでに完了しなければならない。3 部分移動が完了した時点で 360°を転向し、続けて馬端馬背支持で 360°の転向をするような捌きは 2 技と見なす(ロス+ロシアン360°転向)」
    と記述がありますし、正しく実施できていない人も見受けられます。
    しかし、私にはSUN WEI選手のウ・グォニアンはきちんと馬背までに360°転向しているように見えますが...
    2019年04月03日 11:37
  • 伸身ローチェ

    >こっこさん
    時間が空いてしまいましたが、見直してみました。
     ウ・グォニアンは画面左奥の馬端上の下向き支持から始まっています。ここから
    ・左奥馬端では脚は左手前向き
    ・馬背部では脚は右奥向き
    ・右手前馬端に移動し終わったときには脚は左手前向き(厳密には馬端とポメル上で支持?)
    正確には3/3移動で450°弱ほどしかロシアン転向をしていないと思います。いかがでしょうか。
    2019年04月06日 20:11