2019年ワールドカップ・バクー大会:種目別鉄棒の演技

2019 Individual Apparatus World Cup Baku (AZE) EF HB


2019年種目別ワールドカップ・バクー大会(AGFトロフィー):鉄棒の上位選手と日本人選手の演技です。

ZONDERLAND Epke (NED)


1.懸垂振り出し倒立StemAIII
2.エンドー1回ひねり大逆手Endo 1/1 to ElDIII
3.カッシーナCassinaGII
4.~コバチ+ KovacsDII(CV:0.2)
5.コールマンKolmanEII
6.~ゲイロード2+ Gaylord2EII(CV:0.2)
7.アドラーひねりJam 1/2DIII
8.シュタルダーStalderBIII
9.後方とび車輪1回ひねりHop 1/1CI
10.後方伸身2回宙返り2回ひねり下りDouble Back Lay 2/1EIV

D:6.4
E:8.233
Score:14.633

2つ手放し技の連続をしっかり決める。シートリバルコ(E)はメルボルン大会や今大会の予選では入れていたがこの決勝では抜いている。状況に応じて構成を調整できる余裕があるのはかなりの強み。


SRBIC Tin (CRO)


1.前方車輪1回ひねり大逆手1/1 to ElCI
2.ピアッティPiattiDII
3.~トカチェフ+ TkatchevCII(CV:0.1)
4.~伸身トカチェフ+ Tkatchev LayDII(CV:0.1)
5.~リンチ+ LynchDII(CV:0.2)
6.アドラーひねりJam 1/2DIII
7.モズニクMoznikEII
8.アドラー1回ひねり逆手Jam 1/1 to UGEIII
9.シュタルダーStalderBIII
10.後方伸身2回宙返り1回ひねり下りDouble Back Lay 1/1DIV

D:6.2
E:8.400
Score:14.600

世界選手権で見せたトカチェフ系の4連続を決める。一方、最近はエンドー1回ひねり大逆手(D)を抜いており、Dスコアは高くてもこの6.2に留まっている。採点に少し時間がかかっていたようだが…。


HEGI Oliver (SUI)


1.ムニョス/ポッツォMunoz - PozzoEII
2.アドラーひねりJam 1/2DIII
3.デフDeffFII
4.コールマンKolmanEII
5.アドラー1回ひねり片逆手Jam 1/1 to MGDIII
6.ヤマワキYamawakiDII
7.エンドー1回ひねり大逆手Endo 1/1 to ElDIII
8.逆手背面車輪Russian GiantCI
9.後方とび車輪1回ひねりHop 1/1CI
10.後方伸身2回宙返り1回ひねり下りDouble Back Lay 1/1DIV

D:6.2
E:8.166
Score:14.366

構成は2017年から変わっていない。手放し技がヤマワキ系、デフ、コールマンとバラエティに富み見応えがある。


6th 宮地秀享 MIYACHI Hidetaka (JPN)


1.懸垂振り出し倒立StemAIII
2.後ろ振り上がりひねり倒立Back Uprise 1/2AI
3.ミヤチMiyachiIII
4.ブレットシュナイダーBretschneiderHII
5.カッシーナ〈この後、落下〉CassinaGII
6.コールマンKolmanEII
7.シュタルダーStalderBIII
8.ヤマワキYamawakiDII
9.エンドーEndoBIII
10.後方伸身2回宙返り1回ひねり下りDouble Back Lay 1/1DIV

D:6.3
E:7.433
Score:13.733

ミヤチは安定しており余裕すら感じさせる。そして久々にブレットシュナイダーを決める! しかしカッシーナの後で落下。カッシーナ自体は認定された模様。予選は今回も1位通過と順調だっただけに残念。


暫定ランキング Standing
2018/20192019/2020
GERAUSAZEQATGERAUSAZEQATT
1.ZONDERLAND Epke (NED)30253085
2.宮地秀享 (JPN)20301464
3.SRBIC Tin (CRO)25122562
4.MORGANS Mitchell (AUS)-181836
5.LIKHOVITSKIY Andrey (BLR)16-1632
5.張成龍 ZHANG Chenglong (CHN)-201232



鉄棒は同じような顔ぶれによる同じような順位が続いています。ポイントではゾンダーランドが独走しているように見えますが、まだまだ分かりません。宮地は日本では唯一2018/2019年の4大会全てに出場する選手。ドーハ大会でも期待がかかります。

この記事へのコメント

  • ヨッシー

    いつも楽しく拝見しております。
    ゾンダーランドのホップターンなどの捌きは美しくて良いなぁと思うのですが、コバチ系の手放し技の足の割れが毎回気になってしまいます…
    彼は、安定した実施のためにわざとやってるのでしょうか?
    2019年03月24日 04:11
  • 伸身ローチェ

    >ヨッシーさん
     ゾンダーランド選手は離れ技以外も得意ですよね。
    >彼は、安定した実施のためにわざとやってるのでしょうか?
     私はそうだと思っています。単独でコバチをやるときでも車輪を何回か回して加速をつけてから行うのが普通ですが、組み合わせに入れるとバーを掴んですぐそのスピードを出さなければなりません。なのでよりよい体制で懸垂に入るため脚の形が崩れるのだと思います。
     私としては脚割れが残念だ、というマイナスのイメージと連続技を実現するために減点はありつつも調整する方法を会得したというプラスのイメージの両方があります。
     また私はゾンダーランド選手の脚割れが批判されることが多いイメージも持っていますが、これにはあまり賛成できません。なぜなら技を成立させるためにEスコアの減点を前提とするような実施は跳馬のローチェ、ドラグレスク、床のリューキンでは開脚姿勢として当たり前のように見られますが、それに対しての批判は一切聞いたことがないからです。
     さらにゾンダーランド選手は全盛期では離れ技以外の難度も世界最高峰でしたが、そちらが注目されることも少なかったと感じています。その上Eスコアもそう低いものではありませんでした(これについては当時と現行でのEスコアのルールの良し悪しも考えるべきところかもしれないですが)。目立つ離れ技ばかり取り上げられてその実施に批判が集まるのは不合理だと思ってしまいます。

    >Ka.Ki.さん
    >状況に応じて構成を調整できる余裕があるのはかなりの強み。
     たしかにゾンダーランド選手は今回の構成で難度を最大限のものから大きく落としていますね。最大限の構成はこの記事のものから
     シュタルダーをシュタルダーリバルコに変える(Dスコア+0.3)
     伸身コバチを入れる(Dスコア+0.4)
     伸身コバチを組み合わせに入れる(Dスコア+0.2)
    としたD7.3でしょうか、ただこれは見たことがありませんので試合で使えるほどの完成度ではないのでしょう。とはいっても今回ほど抑えめなのも見たことがない気がします。演技順は分かりませんがそれほど余裕のある状況だったのでしょうか。一人の審判が0.1評価を変えただけでメダルの色が変わる僅差の勝負だったので安全策でこの構成を選んだとは考えづらいのですが……
    2019年03月24日 13:11
  • ヨッシー

    >伸身ローチェさん
    ドラグレスクやリューキンの話は、言われてみれば確かにそーですね。とても納得しました。ゾンダーランドは何才まで現役を貫くのかも楽しみにしつつ、彼のスタイルの鉄棒を応援したいと思います。
    2019年03月24日 17:55
  • Ka.Ki.

    >ヨッシーさん
    >伸身ローチェさん
    わざとやっていると言うと語弊があるような気がしますが、より確実に掴んで連続技につなげるため、脚を揃えることについては優先していない、というところかなと思っています。日本では脚を揃えることが特に徹底されているので、見る側としてどうしても気になってしまうのは仕方のないところだと思います。

    ドラグレスクやゆかのリューキンでの脚の開きについては、確かに閉じた実施は今日ほとんど見られず、それ故にそのような実施は称賛されるべきです。しかし、多くのトップ選手が閉じて行っている手放し技において脚を開くことが気になるのとは別の問題でしょう。採点規則でも別個の減点項目となっていますし、同列に考えるのは不適当なように思います。
    2019年03月24日 23:31
  • 伸身ローチェ

    >Ka.Ki.さん
     お分かりいただけると思っていたのですが
    >多くのトップ選手が閉じて行っている手放し技において脚を開くことが気になるのとは別の問題でしょう。
     これは私の論旨と違っていると言わなければなりません。いままでコメント欄で取り上げられていたのは高難度の離れ技の連続に関するものでしょう。ここで「多くのトップ選手が閉じて行っている」と論ずるのは「そんなに多くの選手がカッシーナ+コバチレベルの『組み合わせ』を、脚を閉じながら実施しているのか」と誤解を招きます。
     ゾンダーランド選手の脚割れに関しては比較する演技が少なすぎるのです。比較できるのは内村選手が以前取り入れていたカッシーナ+コールマンくらいなものではないでしょうか。スルビッチ選手の4連続は減点の少なさそうないい演技だと思いますがもともと1技しか閉脚で行うものはありません。
     もし先の持論を続けていくのであればゾンダーランド選手が単独で行うカッシーナなどの離れ技でも脚割れがある。ということを見つけていただかなければならないでしょう。ただ実際の試合で連続で実施している以上意味のあるものとは思えませんが。
     それともKa.Ki.さんは「連続で実施すると脚割れをする、と分かっているなら連続で実施しなければいいのでは?」とお考えですか?だとすれば今までの話の多くに納得がいく気がします。
    2019年03月25日 01:25
  • 名無し

    ゾンダーランド選手がコバチ系の連続が得意なのはキャッチしたあとのスイングの作り方が天才的に上手いからであって、脚割れの有無はそんなに関係ないと考えています。そもそもカッシーナを単独で行うときも脚割れはありますし、内転筋が弱くて単純に脚が閉じれないだけだと思います。
    2019年03月25日 19:47
  • 伸身ローチェ

    >名無しさん
    >ゾンダーランド選手がコバチ系の連続が得意なのはキャッチしたあとのスイングの作り方が天才的に上手いからであって、脚割れの有無はそんなに関係ないと考えています。
     やはりキャッチからの振り方が上手いんですね。そして
    >そもそもカッシーナを単独で行うときも脚割れはありますし、内転筋が弱くて単純に脚が閉じれないだけだと思います。
     これは知りませんでした。ずっとキャッチするときのバーとの距離や体勢の調節のためと思っていました。興味深いお話をありがとうございます。
    2019年03月25日 21:37
  • taku

    色々なコメントがあり非常に興味深い内容でした。
    技術の為にEスコアを捨てて脚を割る。私はこの行為には納得できません。
    日本人の感覚なのかもしれませんが、理解し難い事です。
    Eスコアを残しつつ、技を磨く、ロシアや中国のような体操が、理想とされていくようになってほしいものです。
    2019年03月27日 23:50
  • 太一

    ゾンダーランドに関しては通常の選手ではなく、体操競技というスポーツにおける鉄棒の世界チャンピオンとして一般的にもみられるので、不完全な実施があれば求められる水準が高いのは仕方のないことかなと感じます。
    彼を目指すジュニア選手いることを考えると、やはり理想的な技捌きを追及していってもらいたいですね。

    内村選手により姿勢欠点のない連続技(カッシーナ・コールマン)が既に披露された以上は、既にゾンダーランドの実施レベルはスタンダード足り得ない状況ではないかと感じます。

    リューキンが床の3回宙を発表した頃、NHKの特番でその実施について国際審判員の方が(いかに高難度とはいえ)「あれだけ足が開いた捌きをどのように評価するかだが、それを許していってはいけないのではないか。」と述べられていたのを思い出しました。

    2019年03月28日 21:48