Kovacs 1/2 on HB
近年の鉄棒では、リンチ(D)やモズニク(E)のようにバーを掴もうとするタイミングでひねりを加える手放し技がよく実施されていますが、コバチ(D)でそれを行うとこうなるという技です。
実施しているのは自由ケ丘高校3年生の前田楓丞。2018年のインターハイ種目別鉄棒優勝、国体ではミヤチも実施したという鉄棒得意の選手です。
コバチひねり Kovacs 1/2
気になる難度ですが、懸垂前振りから後方かかえ込み2回宙返りをしてひねるというその構造から、かかえ込みゲイロード2(D)と同一枠と判定される可能性があると思います。E難度だとコールマンと同じ価値になってしまうというのもあるでしょう。
とは言え、このようなひねりが加わる手放し技はトカチェフ系なら1段階の難度アップ、ゲイロード系なら2段階のアップ。扱いにかなりばらつきがあり、その難度設定には悩ましいものがあります。
早速フォロワーも現れています。こちらの実施はニコラス・クラニティス(ギリシャ)。実施に試合で発表されることはあるでしょうか。
この記事へのコメント
マイコ
この技はゲイロード2と同枠、Dが妥当と思います。
本来リンチもモズニクも本来はひねりきって両逆手で持つのが正当であり
ひねりきらず片大逆手でもつのは若干邪道な技と感じています。
今回の「ひねりきらず片大逆手でもつ」コバチひねりが
本来の「ひねりきって両逆手でもつ」ゲイロード2と難度が逆転するのは
あってはならないことというのが私的な意見です。
Ka.Ki.
ダイヤモンド
タージマハル
Ka.Ki.
いつもご覧いただきありがとうございます。
手放し技については、採点規則では「常に両手でバーを持ち明確な懸垂局面を示して難度認定となる」とありますが、ご指摘のとおりリンチ、モズニク系は後ろ振り上がり倒立までが要件になったり、一方、コバチ系のような宙返りを伴いバーを越える手放し技は車輪までつなげないと中欠点を伴うなど、まとまりがない感がありますね。
伸身ローチェ
理由については思い当たる節があります。それは実施中、特につかむときのバーの見やすさです。
トカチェフはバーを飛び越すときにバーに正面を向けており、コバチはつかむ直前まで背を向けています。これがリンチのひねりはバーをつかむ直前、ゲイロード2は早い段階、という捌きになる理由だと思います。ある話ではコールマンはバーがコバチより見やすくその部分はコバチより簡単とも言っていました。リンチのひねりが「腕を交差して懸垂しているだけ」という風になりやすいのもそのためと思います。
なので今回の技は従来の「コバチひねり」である抱え込みゲイロード2より難しいのでしょう。「Cぐらい簡単」というのは前田選手の技術の高さを感じます。
ただゲイロード2と区別した新しい技となるかというと難しい気がします。ひねりの回数だけではなくひねりのタイミングを限定している技は床のコリバノフや跳馬のアリカンなどありますが、バーの見やすさを考慮して技の認定を行うか?というと……