萱和磨 - 2018年ブルーメ・メモリアル:個人総合の演技

KAYA Kazuma (JPN)
2018 Memorial Joaquim Blume Barcelona (ESP) AA


2018年ブルーメ・メモリアル、2位の萱和磨の演技です。

Dスコア、Eスコア、ペナルティ(ND)の内訳が判っていません。よってDスコアとペナルティは手元の計算による非公式、Eスコアは決定点からの逆算となっています。ご注意ください。

#1 ゆか FX


1.前方かかえ込み2回宙返りひねりDouble Front 1/2EII
2.前方屈身2回宙返りDouble Front PkEII
3.前方伸身宙返り2回ひねりFront Lay 2/1DII
4.~前方伸身宙返り1回ひねり+ Front Lay 1/1CII(CV:0.1)
5.フェドルチェンコFedorchenkoCI
6.開脚座から力十字倒立Split Press to Japanese HdstCI
7.後方伸身宙返り2回ひねりBack Lay 2/1CIII
8.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
9.~前方伸身宙返りひねり+ Front Lay 1/2BII(CV:0.1)
10.後方伸身宙返り3回ひねりBack Lay 3/1DIII

D:5.8
E:8.550
Score:14.350

1本目がかかえ込みではあるが、ほぼ本来構成となるDスコア5.8。完全に止まった着地はないが演技をおおむねまとめる。


#2 あん馬 PH


1.逆交差倒立Back Scissor to HdstDI
2.ショーンSohnEII
3.Eフロップ4 FlopsEII
4.Dコンバイン2 Flops + R180DII
5.ウ・グォニアンRussian Travel 3/3 720EIII
6.ロスRussian Travel 3/3 360DIII
7.トン・フェイTong FeiDIII
8.開脚マジャールFlair MagyarEIII
9.開脚シバドFlair SivadoEIII
10.一把手上縦向き旋回倒立3/3移動下りP Loop to Hdst Travel 3/3DIV

D:6.5
E:8.450
Score:14.950

ブスナリ(F)は抜いているものの、今大会新たにショーンを取り入れてきた。実施では腰が曲がってしまったが初めて試合で使った技としては上出来ではないか。後半、トン・フェイの後処理や開脚シバドの角度は気になる。技は豊富なので最適な構成を模索することが重要になるだろう。


#3 つり輪 SR


1.後方伸腕伸身逆上がり中水平支持Back Roll to MalteseFII
2.後ろ振り上がり中水平支持Back Uprise to MalteseEIII
3.アザリアンBack Roll to CrossDII
4.ヤマワキYamawakiCI
5.屈身ヤマワキYamawaki PkDI
6.ホンマ十字懸垂Whippet to CrossDIII
7.後ろ振り上がり開脚上水平支持Back Uprise to Strd PlancheCIII
8.ほん転逆上がり倒立Felge to HdstCI
9.後ろ振り上がり倒立Back Uprise to HdstCI
10.後方伸身2回宙返り2回ひねり下りDouble Back Lay 2/1FIV

D:6.1
E:7.300
Score:13.400

2つの中水平は認定されたようだが少なからず減点を伴っていると思われる。F・E難度が取れることは大きいが決定点を最大化するためには、別の技に変えることも含め対策が必要かもしれない。他の技はよく決めている。終末技も着地こそ大きく跳ねたが、伸身新月面で果敢に下りてみせた。


#4 跳馬 VT


DEPenScore
ドリッグスKasamatsu Lay 3/25.28.9000.114.000

着地大きめの1歩でラインも割ったか。跳馬も世界クラスの個人総合ではDスコア5.6が欲しいところ。5.2の跳越であれば少なくとも完璧に決めたい。


#5 平行棒 PB


1.後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持Back Uprise Front Pk to SupDII
2.ヒーリーHealyDI
3.棒下宙返りひねり倒立Basket 1/2 to HdstEIII
4.棒下宙返り倒立Basket to HdstDIII
5.前方開脚5/4宙返り腕支持5/4 Front StrdDI
6.バブサーBhavsarEIII
7.チッペルトTippeltDIII
8.ピータースBack Toss 1/4 to HdstDI
9.単棒横向き閉脚浮腰上がり倒立Side Glide L Up to HdstCIII
10.前方かかえ込み2回宙返りひねり下りDouble Front 1/2FIV

D:6.3
E:8.800
Score:15.100

ヒーリーや棒下ひねり倒立の後には減点要素もあるが、全体としては雄大で正確な実施を目指していることがうかがえる良好な実施を見せた。バブサーやチッペルトにも高さが出るとさらに良い。終末技の姿勢も課題。伸びしろは多い。


#6 鉄棒 HB


コールマン〈落下〉Kolman
1.アドラーひねりJam 1/2DIII
2.伸身トカチェフTkatchev LayDII
3.トカチェフTkatchevCII
4.後方浮腰回転後ろ振り出し順手背面懸垂Stoop in to Back TossCIII
5.順手背面車輪Czech GiantDI
6.ケステKosteCIII
7.アドラー1回ひねり片逆手Jam 1/1 to MGDIII
8.ヤマワキYamawakiDII
9.後方とび車輪1回ひねりHop 1/1CI
10.後方伸身2回宙返り2回ひねり下りDouble Back Lay 2/1EIV

D:5.7
E:7.550
Score:13.250

最初に新たに取り入れたコールマン(E)で落下。姿勢も良くあと1歩というチャレンジで今後に期待が持てる。順手背面車輪の実施は悪くはないが、ケステの決めは課題。

Total Score:85.050 (Total D:35.6)
Rank:2nd



世界チャンピオンのアルトゥール・ダラロヤン(ロシア)に2つの大過失が出たことで最終種目までリードするという善戦を見せましたが、最後の最後に鉄棒で逆転を許してしまいました。しかし、その差はわずか0.200。堂々の戦いぶりを見せたと言えるでしょう。

特筆すべきはダラロヤンもそうでしたが、新たな技を取り入れDスコアアップを図ってきたこと。合計Dスコアは35.6で、抜いてきた技や失敗した技がありながら、すでに今年のNHK杯などと並ぶ水準です。その積極姿勢は高く評価したいと思います。

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