2018年世界選手権:種目別跳馬の演技

2018 Worlds Doha (QAT) EF VT


2018年世界選手権・ドーハ大会:種目別跳馬の演技です。

RI Se-Gwang (PRK)


DEPenScore
1.リ・セグァン2Hdsp Double Front Pk 1/26.08.93314.933
2.リ・セグァンKasamatsu Double6.08.93314.933
Total:14.933

1本目はリ・セグァン2、いわゆる屈身ドラグレスクだが、かなり姿勢の乱れた跳越。1回目の宙返りからすでに膝が曲がっておりかかえ込みで取られてもおかしくない。脚も大きく開いている。着地は右に大きな1歩となったが、跳越が反れたのが幸いしたかラインは割らず。2本目のリ・セグァンは脚の開き、着地での動きもあるが、何より着手時の姿勢がEスコアに影響したか。


DALALOYAN Artur (RUS)


DEPenScore
1.シライ/キム・ヒフンYurchenko Lay 3/15.69.26614.866
2.ブラニクHdsp Double Front Pk5.69.30014.900
Total:14.883

1本目は本家の前でシライ/キム・ヒフン。低い着地になるが前に両足1歩で踏みとどまる。2本目は個人総合でも見せたブラニク。前に大きな1歩となるが勢いのある跳越を見せた。


白井健三 SHIRAI Kenzo (JPN)


DEPenScore
1.シライ/キム・ヒフンYurchenko Lay 3/15.69.15014.750
2.ドリッグスKasamatsu Lay 3/25.29.40014.600
Total:14.675

1本目、本家シライ/キム・ヒフンはかなり低い着地になるが1歩で堪える。2本目のドリッグスは微動だにしない着地で決めて見せた。


4th CUNNINGHAM Dominick (GBR)


DEPenScore
1.ロンダートひねり前転とび前方伸身宙返り2回ひねり RO 1/2 Hdsp Front Lay 2/15.49.13314.533
2.シライ/キム・ヒフンYurchenko Lay 3/15.69.20014.800
Total:14.666

ロンダートからの跳越を2本跳ぶ。1本目はひねって前方2回ひねりで前に両足1歩。2本目はシライ/キム・ヒフンで片足後ろに1歩。難度では白井を上回るがわずか0.009で及ばなかった。


5th NAGORNYY Nikita (RUS)


DEPenScore
1.ドラグレスクHdsp Double Front 1/25.69.20014.800
2.ロペスKasamatsu Lay 2/15.68.90014.500
Total:14.650

1本目はドラグレスク。わずかな跳ねに収める。2本目はロペス。着手姿勢、空中姿勢は素晴らしかったが、着地が乱れた。


6th SHEK Wai-Hung (HKG)


DEPenScore
1.ドラグレスクHdsp Double Front 1/25.69.13314.733
2.ロペスKasamatsu Lay 2/15.68.7000.314.000
Total:14.366

アジア競技大会のチャンピオン。1本目は脚を閉じた素晴らしいドラグレスクを見せるが、2本目のロペスの着地が乱れてしまう。こちらも着手姿勢、空中姿勢とも良かっただけに残念。


7th DAVTYAN Artur (ARM)


DEPenScore
1.ドラグレスクHdsp Double Front 1/25.68.83314.433
2.ロペスKasamatsu Lay 2/15.68.1330.313.433
Total:13.933

1本目、ドラグレスクの着地が低くなると、2本目、ロペスも大きく乱れてしまう。2本目のペナルティ0.3は演技終了時の審判への合図・礼か。


8th SOUZA Caio (BRA)


DEPenScore
1.ロペスKasamatsu Lay 2/15.69.03314.633
2.ドラグレスクHdsp Double Front 1/25.67.8330.313.133
Total:13.883

1本目、ロペスは大きめの1歩となるが踏みとどまる。しかし、2本目のドラグレスクでは突き手が入らなかったか、かなり低い跳越となり着地で潰れてしまった。



リ・セグァンがDスコア6.0の跳越を揃えて優勝しましたが、その実施には疑問が残ります。白井はDスコア5.6の跳越を2本揃えた選手を抑え、実施で堂々の3位。ディフェンディングチャンピオンの意地を見せました。

この記事へのコメント

  • 伸身ローチェ

     白井選手はDスコア5.2の跳躍がある中で見事銅メダルを勝ち取りましたね。ただダラロヤン選手の跳躍を見て「ああこれには勝てない……」と感嘆したのを覚えています。着地は動きましたがあの余裕のある体の開きはブラニクとは思えないものでした。
     リ・セグァン選手のリ・セグァン2の実施は率直に言って見苦しい感じでしたが最近はこんな足の開き、膝のゆるみのある実施が多かったような気が。それでもドラグレスクをにするメリットは感じていないのではないでしょうか、今の実施でも屈伸で認定され8.933のEスコアがもらえる上に今回Shek選手やナゴルニー選手のドラグレスクでEスコア9.3いかないわけです。あまり見たい演技ではないですが結果としては正しい戦略になっちゃうのが現状な気がします。
    2018年11月15日 22:46
  • Ka.Ki.

    着地で大過失をするようなことがなければある程度のEスコアが出てしまうので、ひねりや姿勢でDスコアが0.4も変わってくる現状では難度の高い跳越を跳ぶ選手がかなり有利になってしまいますね。かといってDスコアを大きく見直すのも難しい気がしますし、悩ましいところです。
    2018年11月16日 22:58
  • ユーマォ

    リ・セグヮンについては、6.0を二本揃えてくること自体は賞賛すべき事ですが、明らかに実施が劣っており、正直がっかりです。
    一本目は屈伸姿勢とは言い難く、抱え込みで判定して欲しいです。
    二本目も、着手時の脚の曲がりが酷いですね。
    これだけ素人目に違和感のある演技なのに、8.9出るのは納得いかないです。

    とは言え、6.0の技ですから、跳べること自体が驚異なのも事実。

    こうなったら、白井がシライ2とヤン・ハクソンを揃えて、完璧に跳ぶしかないですね(笑)
    2018年11月18日 01:55
  • Ka.Ki.

    リ・セグァン選手について、ほとんど屈身局面が見られないリ・セグァン2の難度認定には疑問ですが、Eスコアは妥当なのかなと感じます。

    白井選手をしてもシライ2は難しいようで、なかなか跳んできませんね。白井の跳越であれば6.0と5.6(シライ2とロペス)でも十分勝負ができると思います。
    2018年11月18日 20:56