2018年ヨーロッパ選手権:種目別ゆかの演技

2018 Europeans Glasgow (GBR) EF FX


体操競技のヨーロッパ選手権は例年4~5月に開催されてきましたが、2018年は複数のスポーツのヨーロッパ選手権をまとめて開催するという新たな試みの中で行われ、8月という異例の日程となりました。開催地は体操ファンにはおなじみのイギリス・グラスゴーで、他に水泳や自転車競技などのヨーロッパ選手権が行われたようです。今週はヨーロッパ選手権・グラスゴー大会、種目別決勝の演技を見ていきたいと思います。まずはゆかです。

CUNNINGHAM Dominick (GBR)


1.後方伸身2回宙返り2回ひねりDouble Back Lay 2/1FIII
2.前方かかえ込み2回宙返りひねりDouble Front 1/2EII
3.後方伸身宙返り3/2ひねりBack Lay 3/2CIII
4.~前方伸身宙返り2回ひねり+ Front Lay 2/1DII(CV:0.1)
5.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねりDouble Back 2/1EIII
6.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
7.~前方伸身宙返り3/2ひねり+ Front Lay 3/2CII(CV:0.1)
8.フェドルチェンコFedorchenkoCI
9.正面支持臥から伸腕屈身力倒立Prone Press to HdstBI
10.後方伸身宙返り3回ひねりBack Lay 3/1DIII

D:6.1
E:8.566
Score:14.666

伸身新月面から入る。2回宙返りとひねり系の連続をバランスよく組み込んだ構成で、2017年のヨーロッパ選手権と比べると前方ダブルにひねりを加えてDスコアを上げている。全体的に着地をよくまとめる。


DOLGOPYAT Artem (ISR)


1.サパタDouble Front 3/2GII
2.前方伸身宙返り1回ひねりFront Lay 1/1CII
3.~前方伸身宙返り5/2ひねり+ Front Lay 5/2EII(CV:0.1)
4.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねりDouble Back 2/1EIII
5.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
6.~前方伸身宙返り2回ひねり+ Front Lay 2/1DII(CV:0.2)
7.後方伸身宙返り3/2ひねりBack Lay 3/2CIII
8.~前方伸身宙返り3/2ひねり+ Front Lay 3/2CII
9.フェドルチェンコFedorchenkoCI
10.後方伸身宙返り3回ひねりBack Lay 3/1DIII

D:6.4
E:8.366
Pen:0.3
Score:14.466

予選1位。中盤にシライ/グエン(F)、終末技に伸身新月面を使うDスコア6.6の構成も持つが、今大会は難度を抑えている。前方1回~前方5/2で両足ラインオーバー。終末技の3回ひねりも片足が大きく前に出てしまった。


DALALOYAN Artur (RUS)


1.前方伸身宙返り1回ひねりFront Lay 1/1CII
2.~前方伸身宙返り5/2ひねり+ Front Lay 5/2EII(CV:0.1)
前方伸身宙返りFront LayBII
3.~前方屈身2回宙返り+ Double Front PkEII
4.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねりDouble Back 2/1EIII
5.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
6.~前方伸身宙返り2回ひねり+ Front Lay 2/1DII(CV:0.2)
7.後方伸身宙返り3/2ひねりBack Lay 3/2CIII
8.~前方伸身宙返り3/2ひねり+ Front Lay 3/2CII
9.開脚座から力十字倒立Split Press to Japanese HdstCI
10.後方伸身宙返り3回ひねりBack Lay 3/1DIII

D:6.2
E:8.266
Score:14.466

前方屈身ダブルの着地で大きく後ろに乱れてしまったが、それ以外は安定した実施を見せる。


4th NAGORNYY Nikita (RUS)


1.リューキンTriple BackHIII
2.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねりDouble Back 2/1EIII
3.前方伸身宙返り2回ひねりFront Lay 2/1DII
4.~前方かかえ込み2回宙返り+ Double FrontDII(CV:0.2)
5.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
6.~前方伸身宙返り1回ひねり+ Front Lay 1/1CII(CV:0.1)
7.~前方伸身宙返りひねり+ Front Lay 1/2BII
8.後方かかえ込み2回宙返り1回ひねりDouble Back 1/1DIII
9.開脚座から力十字倒立Split Press to Japanese HdstCI
10.後方伸身宙返り3回ひねりBack Lay 3/1DIII

D:6.4
E:8.333
Pen:0.3
Score:14.433

得意のリューキンは着地が後ろにかかり両足がラインを割ってしまう。2018年に入り中盤で使っている3連続は、ワールドカップ・バーミンガム大会では最後が前方3/2(C)だったが、今大会は前方1/2と抑え気味。全体的には着地をよく止めた。


5th SHATILOV Alexander (ISR)


1.前方屈身2回宙返りひねりDouble Front Pk 1/2FII
2.前方伸身宙返り1回ひねりFront Lay 1/1CII
3.~前方伸身宙返り5/2ひねり+ Front Lay 5/2EII(CV:0.1)
4.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
5.~前方伸身宙返り2回ひねり+ Front Lay 2/1DII(CV:0.2)
6.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねりDouble Back 2/1EIII
7.後方伸身宙返り3/2ひねりBack Lay 3/2CIII
8.~前方伸身宙返り3/2ひねり+ Front Lay 3/2CII
9.フェドルチェンコFedorchenkoCI
10.後方伸身宙返り3回ひねりBack Lay 3/1DIII

D:6.3
E:7.933
Score:14.233

前方5/2を使い、Dスコア6.0だった2017年のヨーロッパ選手権と比べるとかなり難度を上げている。終末技は月面(D)を使い続けていたが、2018年に入り3回ひねりになっている。着地は新月面が低くなり前に大きく出てしまったほか、全体的に少しづつ動いてしまう。


6th NGUYEN Marcel (GER)


1.前方屈身2回宙返りひねりDouble Front Pk 1/2FII
2.後方伸身2回宙返り1回ひねりDouble Back Lay 1/1EIII
3.前方伸身宙返り2回ひねりFront Lay 2/1DII
4.~前方伸身宙返り1回ひねり+ Front Lay 1/1CII(CV:0.1)
5.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねりDouble Back 2/1EIII
6.後方伸身宙返り2回ひねりBack Lay 2/1CIII
7.開脚座から力十字倒立Split Press to Japanese HdstCI
8.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
9.~前方伸身宙返りひねり+ Front Lay 1/2BII(CV:0.1)
10.後方かかえ込み2回宙返り1回ひねりDouble Back 1/1DIII

D:6.1
E:7.966
Score:14.066

格上げになって流行している前方屈身ダブルひねりから入る。全体的に着地は決まらない。終末技は月面で意地を見せる。


7th ZAPATA Rayderley (ESP)


1.後方伸身宙返り3/2ひねりBack Lay 3/2CIII
2.~前方屈身2回宙返り+ Double Front PkEII(CV:0.1)
3.前方屈身2回宙返りひねりDouble Front Pk 1/2FII
4.前方かかえ込み2回宙返りひねりDouble Front 1/2EII
5.後ろとびひねり前方かかえ込み2回宙返りひねりArabian Double 1/2DIII
6.後方伸身宙返り2回ひねりBack Lay 2/1CIII
7.正面支持臥から伸腕屈身力倒立Prone Press to HdstBI
8.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
9.~前方伸身宙返りひねり+ Front Lay 1/2BII(CV:0.1)
10.後方伸身2回宙返りDouble Back LayDIII

D:6.0
E:6.966
Score:12.966

2018年に入り本家本元サパタ(G)が見られていないのが少し寂しい。替わりに入っているのがD難度のアラビアンダブルひねりのためDスコアは0.3ほどのダウンとなっている。終末技、得意の伸身ダブルが低くなり、前に両手両膝を突いてしまった。


8th ONDER Ahmet (TUR)


1.前方屈身2回宙返りひねりDouble Front Pk 1/2FII
2.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねりDouble Back 2/1EIII
3.前方伸身宙返り2回ひねりFront Lay 2/1DII
4.~前方伸身宙返りひねり+ Front Lay 1/2BII(CV:0.1)
5.後方かかえ込み2回宙返り1回ひねりDouble Back 1/1DIII
6.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
7.~前方伸身宙返り1回ひねり+ Front Lay 1/1CII(CV:0.1)
8.フェドルチェンコFedorchenkoCI
9.開脚座から力十字倒立Split Press to Japanese HdstCI
10.後方伸身宙返り3回ひねりBack Lay 3/1DIII

D:6.0
E:6.600
Pen:0.1
Score:12.500

この構成で6月のタラゴナ地中海競技大会で2位、7月のワールドカップ・メルスィン大会では優勝と好調だったが、今回は最初の前方屈身ダブルひねりで前につぶれてしまった。0.1のペナルティはタイムオーバーと思われる。



格上げになった前方屈身ダブルひねりが流行しており、これを最初に持ってくる構成がよく見られます。0.2の加点が得られるD+Dの組合せを実施しているのは4人。上位に集中しており、ゆかの種目別では必須の要素になりつつあるようです。

実施をまとめて高いEスコアを出したカニンガムが予選6位からのジャンプアップで優勝。Dスコアで上回る他の選手にはミスが伴いました。特にDスコア6.4のドルゴプヤットとナゴルニーの2人には両足ラインオーバーが出てしまい痛い減点となりました。

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