肖若騰 - 2018年中国選手権:個人総合の演技

XIAO Ruoteng (CHN)
2018 CHN Nationals Zhaoqing AA


2018年中国選手権の個人総合は世界チャンピオンの肖若騰が88点台という高得点を出して優勝しました。演技構成を見ていきましょう。

#1 ゆか FX


1.後方伸身宙返り7/2ひねりBack Lay 7/2EIII
2.~前方伸身宙返りひねり+ Front Lay 1/2BII(CV:0.1)
3.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
4.~前方伸身宙返り3/2ひねり+ Front Lay 3/2CII(CV:0.1)
5.後方伸身2回宙返りDouble Back LayDIII
6.前方伸身宙返り5/2ひねりFront Lay 5/2EII
7.シュピンデル・ゴゴラーゼ1/1 Spindle to GogoladzeDI
8.ゴゴラーゼGogoladzeCI
9.後方伸身宙返り2回ひねりBack Lay 2/1CIII
10.後方伸身宙返り3回ひねりBack Lay 3/1DIII

D:5.9
E:8.450
Score:14.350

予選、団体決勝は難度を抑えていたが、個人総合では、優勝した2017年世界選手権と同じ構成を持ってきた。着地は少しずつ動くが、大きな乱れはなく演技を通す。


#2 あん馬 PH


1.マジャール・シュピンデルLoop 1/1 SpindleDII
2.トン・フェイTong FeiDIII
3.開脚マジャールFlair MagyarEIII
4.開脚シバドFlair SivadoEIII
5.Eフロップ4 FlopsEII
6.正交差倒立Front Scissor to HdstDI
7.逆交差倒立Back Scissor to HdstDI
8.Dコンバイン2 Flops + R180DII
9.馬端馬背ロシアン720°転向Leather Russian 720CII
10.一把手上縦向き旋回倒立450°ひねり3/3移動下りP Loop to Hdst Travel 3/3 450EIV

D:6.3
E:8.650
Score:14.950

開脚マジャールとシバドを入れ、終末技もE難度で下りて難度を上げている。ロシアン転向が720°のC難度となっており、予定のDスコアは6.4までであったかもしれない。ブスナリ(F)を入れていた頃と同等のDスコアということになる。


#3 つり輪 SR


1.後ろ振り上がり上水平支持Back Uprise to PlancheDIII
2.中水平支持MalteseDII
3.アザリアンBack Roll to CrossDII
4.ヤマワキYamawakiCI
5.後ろ振り上がり中水平支持Back Uprise to MalteseEIII
6.屈身ヤマワキYamawaki PkDI
7.後ろ振り上がり十字懸垂Back Uprise to CrossCIII
8.ほん転逆上がり倒立Felge to HdstCI
9.後方車輪倒立経過Back Giant thru HdstBI
10.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下りDouble Back 2/1EIV

D:5.7
E:8.500
Score:14.200

つり輪のDスコアは2017年以降5.7で変わっていないが、構成は試行錯誤を繰り返している。今大会は後ろ振り上がり上水平、アザリアン、後ろ振り上がり十字懸垂などを取り入れている。着地はわずかに跳ねる。


#4 跳馬 VT


DEPenScore
ロペスKasamatsu Lay 2/15.69.2500.114.750

跳馬は安定したロペスだが、片足が1歩動きラインを割ってしまった。


#5 平行棒 PB


1.前振り上がりひねり倒立Front Uprise 1/2 to HdstEII
2.ドミトリエンコDimitrenkoEII
3.ヒーリーHealyDI
4.棒下宙返りひねり倒立Basket 1/2 to HdstEIII
5.後方車輪倒立Back Giant to HdstCIII
6.棒下宙返り倒立Basket to HdstDIII
7.ベーレBelleDIII
8.前方開脚5/4宙返り腕支持5/4 Front StrdDI
9.チッペルトTippeltDIII
10.後方屈身2回宙返り下りDouble Back PkDIV

D:6.2
E:8.850
Score:15.050

前振り上がりひねり倒立を入れてDスコアを6.2にまで上げている。着地は少し乱れてしまった。


#6 鉄棒 HB


1.リューキンLiukinFII
2.エンドー1回ひねり大逆手Endo 1/1 to ElDIII
3.伸身トカチェフTkatchev LayDII
4.トカチェフTkatchevCII
5.リンチLynchDII
6.アドラー1回ひねり片逆手Jam 1/1 to MGDIII
7.ヤマワキYamawakiDII
8.アドラーひねりJam 1/2DIII
9.後方とび車輪1回ひねりHop 1/1CI
10.後方伸身2回宙返り2回ひねり下りDouble Back Lay 2/1EIV

D:6.1
E:8.650
Bonus:0.1
Score:14.850

2017年世界選手権では抜いていたリューキンを入れているが、一方でモズニク(E)は使っておらず鉄棒でも構成の試行錯誤が見られる。終末技はフェドルチェンコ(F)ではなく伸身新月面で着地を取りに行く。余裕を持ってひねり切り、狙いどおり着地を決めて加点を得た。

Total Score:88.150 (Total D:35.8)
Rank:1st



予選を1位通過し、団体決勝でも6種目を演技して87点台を出すなど好調の世界チャンピオンが、個人総合ではなんと88.150というハイスコアをたたき出しました。中国選手権は終末技で着地を止めると0.1の内規加点が適用されていますが、それを考慮しても驚異的なスコアです。

演技構成は2017年からかなり変えてきています。全体的には難度を上げており合計Dスコアは35.8と世界トップクラスの水準。2017年世界選手権の個人総合は35.3でしたからかなり上げていることになりますが、この時はDスコアを抑えEスコアを重視する作戦でした。今年の世界選手権に向けてディフェンディングチャンピオンがどのようなどのような作戦を取るのか、非常に興味深いものがあります。

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