サミュエル・ミクラック - 2018年パシフィックリム選手権:個人総合の演技

MIKULAK Samuel (USA)
2018 Pacific Rims Medellin (COL) AA


パシフィックリム選手権は日本も毎回出場している大会ですが、2018年は全日本選手権と重なったため選手の派遣がありませんでした。こうなるとアメリカが圧倒的で、男子シニアにおいては種目別跳馬を除いたすべての競技、種目を制しています。団体戦も兼ねた個人総合で優勝したサミュエル・ミクラックの演技を見ていきましょう。

#1 ゆか FX


1.前方伸身宙返り2回ひねりFront Lay 2/1DII
2.~前方かかえ込み2回宙返り+ Double FrontDII(CV:0.2)
3.前方伸身宙返りFront LayBII
4.~前方かかえ込み2回宙返りひねり+ Double Front 1/2EII(CV:0.1)
5.ゴゴラーゼGogoladzeCI
6.開脚座から伸腕屈身力倒立Split Press to HdstBI
7.後方伸身宙返り3/2ひねりBack Lay 3/2CIII
8.~前方伸身宙返り1回ひねり+ Front Lay 1/1CII
9.後方伸身宙返り2回ひねりBack Lay 2/1CIII
10.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII

D:5.6
E:8.650
Score:14.250

冒頭、2回宙返りを入れた連続技2本を上手く決めた。全体的に着地は少しずつ動くが、大きな乱れはなく演技をよくまとめる。


#2 あん馬 PH


1.ミクラックMikulakDI
2.正交差横移動ひねり逆交差入れFront Double Scissor Travel SdwCI
3.横向き旋回CircleAII
4.ブスナリBusnariFII
5.Dコンバイン2 Flops + R180DII
6.トン・フェイTong FeiDIII
7.馬端馬背ロシアン1080°転向Leather Russian 1080DII
8.縦向き前移動(1-2-5)Front Loop Travel 1-2-5DIII
9.シバドSivadoDIII
10.一把手上縦向き旋回倒立450°ひねり3/3移動下りP Loop to Hdst Travel 3/3 450EIV

D:5.9
E:9.250
Score:15.150

安定した旋回で演技を通す。ワールドカップ・東京大会では終末技がD難度となったが、今回は本来のE難度でしっかり下りた。


#3 つり輪 SR


1.後ろ振り上がり中水平支持Back Uprise to MalteseEIII
2.後ろ振り上がり上水平支持Back Uprise to PlancheDIII
3.十字懸垂CrossBII
4.ヤマワキYamawakiCI
5.ホンマ十字懸垂Whippet to CrossDIII
6.屈身ヤマワキYamawaki PkDI
7.後ろ振り上がり倒立Back Uprise to HdstCI
8.ほん転逆上がり倒立Felge to HdstCI
9.後方車輪倒立経過Back Giant thru HdstBI
10.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下りDouble Back 2/1EIV

D:5.5
E:8.850
Score:14.350

振動力技での肘の曲がりは減点対象になっていると思われるが、全体としては安定した演技。手を回したが着地も止める。


#4 跳馬 VT


DEPenScore
ドリッグスKasamatsu Lay 3/25.29.00014.200

着手時や空中姿勢での膝の曲がりがやや気になる。着地は両足1歩と手の回しがあったが、まずまずの跳越を見せる。


#5 平行棒 PB


1.後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持Back Uprise Front Pk to SupDII
2.ヒーリーHealyDI
3.棒下宙返りひねり倒立Basket 1/2 to HdstEIII
4.棒下宙返り倒立Basket to HdstDIII
5.懸垂前振り後方かかえ込み宙返りひねり腕支持Giant Back Toss 1/2DIII
6.ササキ5/4 Front Strd to HangEI
7.バブサーBhavsarEIII
8.チッペルトTippeltDIII
9.前振りひねり倒立Stützkehr to HdstCI
10.前方かかえ込み2回宙返り下りDouble FrontEIV

D:6.3
E:8.650
Score:14.950

得意の平行棒は安定した演技を見せるが、2つの棒下倒立技はしっかりはまらなかった。終末技は東京ではひねってF難度としたが今大会はE難度で下りる。


#6 鉄棒 HB


1.カッシーナCassinaGII
2.コールマンKolmanEII
3.伸身トカチェフTkatchev LayDII
4.トカチェフTkatchevCII
5.~リンチ+ LynchDII(CV:0.1)
6.ツォウ・リミンZou LiminCI
7.アドラーひねりJam 1/2DIII
8.後方とび車輪1回ひねりHop 1/1CI
9.シュタルダーStalderBIII
10.後方伸身2回宙返り2回ひねり下りDouble Back Lay 2/1EIV

D:6.1
E:8.700
Score:14.800

5つの手放し技をしっかり決める。特にキャッチした後の振り上がりで肘が一切曲がらないのは見習うべきところ。後半はひねり技になるが、比較的倒立にはまりやすい技が続き、減点を抑えている。着地も止めた。

Total Score:87.700 (Total D:34.6)
Rank:1st



ミクラックも東京で演技をした2週間後にはコロンビアというハードなスケジュールをこなしました。そんな中、このパシフィックリム選手権では87.700というハイスコアをマーク。Eスコアが甘めの大会ではありましたが、6種目を安定した実施で通し、その実力者ぶりをあらためて見せつけたと言っていいでしょう。

演技構成は東京とほぼ同じ。あん馬の終末技で0.1アップ、平行棒の終末技で0.1ダウンしているため、合計Dスコアは34.6と変わっていません。世界の個人総合戦線ではもう少しDスコアが欲しいところですが、まだ余裕が見られるだけにこのあたりは確実に攻めてくるでしょう。実に楽しみです。

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