タイブレイクについて

FIG Tie-Breaking Rules


2月のワールドカップ・メルボルン大会:種目別跳馬において安里圭亮が4位とお伝えしましたが、日本体操協会公式サイトにおいて正式には3位であったことが報告されています。

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競技終了後の順位表示。安里は4位(なぜか国が台湾になっている)。

表彰式まで開催されていたため確定した結果だと思っていましたが、協会の記事によれば「組織委員会側がタイブレイク規則を間違えて跳馬の表彰を実施。」「その後、(中略)表彰式が間違いで開催された旨、謝罪とともに報告され、銅メダルが手渡された」とのことで、非常に珍しい事例と言えるでしょう。今回はこのタイブレイクルールについて確認しておきたいと思います。



FIGのタイブレイクルールは、競技規則(Technical Regulations)に記載されており、採点規則(Code of Points)と同様にFIG公式サイトで公開されています。内容を簡単にまとめると以下のとおりとなります。

個人総合 All-Around

1. 5種目の合計得点が最も高い選手を上位とする(それでも同点の場合は、4種目の合計、3種目の合計…とする)。
2. それでも同点の場合は、全ての種目のEスコアの合計が高い方。
3. それでも同点の場合は、全ての種目のDスコアの合計が高い方。それでも同点の場合は同じ順位とする。

種目別 Apparatus

● 跳馬以外
1. Eスコアが高い選手を上位とする。
2. それでも同点の場合は、Dスコアが高い選手を上位とする。それでも同点の場合は同じ順位とする。

● 跳馬
1. 2本の跳越のうち、得点の高い跳越を跳んだ選手を上位とする。
2. それでも同点の場合は、いずれかの跳越のEスコアが高い方。
3. それでも同点の場合は、いずれかの跳越のDスコアが高い方。それでも同点の場合は同じ順位とする。

団体 Team

1. 5種目の合計得点が最も高いチームを上位とする(それでも同点の場合は、4種目の合計、3種目の合計…とする)。それでも同点の場合は同じ順位とする。

なお、従来、決勝におけるタイブレイクはオリンピックにのみ適用され、世界選手権ではタイブレイクなしとされていましたが、2017年からは世界選手権の決勝でもタイブレイクが適用されることとなっています。これは、2015年世界選手権・グラスゴー大会:種目別段違い平行棒で同点1位に4人もの選手が並んでしまったことが影響していると思われます。



あらためてワールドカップ・メルボルン大会:種目別跳馬で同点だった安里とカルロス・ユーロ(フィリピン)の得点を確認しておきましょう。

DEPenScoreTotal
安里圭亮 ASATO Keisuke (JPN)6.07.9000.313.60014.233
5.69.26614.866

YULO Carlos Edriel (PHI)5.29.30014.50014.233
4.89.16613.966

種目別跳馬における決定点である2本の平均はともに14.233ですが、タイブレイクルールにある「2本の跳越のうち、得点の高い跳越」は安里の2本目の14.866であり、安里が上位になることが分かります。

跳馬以外の種目別では単に「Eスコアが高い選手」を上位と定めているため、今回の事例では「いずれかの跳越のEスコアが高い方」(ユーロの1本目の9.300)あるいは「2本の跳越のEスコアの平均が高い方」(ユーロのEスコア平均9.233)を誤って一旦上位としてしまったのではないかと推測されます。

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