白井健三 - 2018年アメリカンカップ:個人総合の演技

SHIRAI Kenzo (JPN)
2018 American Cup Chicago, IL (USA) AA


2018年アメリカンカップ、6位の白井健三の演技です。2017年世界選手権:個人総合3位の実績を引っ提げての初出場でしたが、アメリカ製の器械に苦しむ結果となりました。

#1 ゆか FX


1.シライ3Double Back Lay 3/1HIII
2.リ・ジョンソンDouble Back 3/1GIII
3.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
4.~前方伸身宙返り5/2ひねり+ Front Lay 5/2EII(CV:0.2)
5.前方かかえ込み宙返り1回ひねりFront 1/1BII
6.~シライ2+ Front Lay 3/1FII(CV:0.1)
7.伸膝前転脚前挙支持経過倒立Endo Roll Pk to HdstCI
8.後方伸身宙返り7/2ひねりBack Lay 7/2EIII
9.~前方伸身宙返りひねり+ Front Lay 1/2BII
10.シライ/グエンBack Lay 4/1FIII

D:7.1
E:7.866
Score:14.966

2017年は後方7/2~前方1回をよく使っていたが、今大会では前方1/2に抑えておりDスコアは0.1下がった7.1。シライ2や最後のシライ/グエンもひねり不足気味で厳しいEスコアとなる。全体1位ではあるが、15点台後半を出せるゆかだけに苦しいスタートとなる。


#2 あん馬 PH


1.逆交差倒立Back Scissor to HdstDI
2.横向き旋回CircleAII
3.Eフロップ〈この後、落下〉4 FlopsEII
4.シュテクリB〈この後、落下〉DSBBII
5.Dコンバイン2 Flops + R180DII
6.マジャールMagyarDIII
7.シバドSivadoDIII
8.一把手上縦向き旋回Pommel LoopBII
9.縦向き後ろ移動(2/3)Back Loop Travel 2/3BIII
10.一把手上縦向き旋回倒立450°ひねり3/3移動下りP Loop to Hdst Travel 3/3 450EIV

D:5.3
E:5.800
Score:11.100

フロップで旋回が乱れ何とか成立はさせるものの落下。さらに再び落下してしまう。転向系の新たな技に挑んだようにも見えたが…。その後はほぼ従来どおりの演技を見せDスコアを確保するが、スコアは11点台と大きく後退してしまう。


#3 つり輪 SR


1.後ろ振り上がり中水平支持Back Uprise to MalteseEIII
2.中水平支持MalteseDII
3.アザリアンBack Roll to CrossDII
4.ヤマワキYamawakiCI
5.屈身ヤマワキYamawaki PkDI
6.後ろ振り上がり開脚上水平支持Back Uprise to Strd PlancheCIII
7.ほん転逆上がり倒立Felge to HdstCI
8.後ろ振り上がり倒立Back Uprise to HdstCI
9.グチョギーGuczoghyCI
10.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下りDouble Back 2/1EIV

D:5.7
E:8.000
Score:13.700

つり輪は2017年と同じ構成。静止時間がやや短い印象がある。振動倒立の決めは良い。着地は少し崩れ気味だが何とか止める。


#4 跳馬 VT


DEPenScore
シライ/キム・ヒフンYurchenko Lay 3/15.69.46615.066

跳馬では安定した跳越を見せ、Eスコア9.466という高得点を出す。


#5 平行棒 PB


1.後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持Back Uprise Front Pk to SupDII
2.棒下宙返り倒立Basket to HdstDIII
3.後方車輪倒立Back Giant to HdstCIII
4.ベーレBelleDIII
5.チッペルトTippeltDIII
6.ヒーリーHealyDI
7.前振りひねり倒立Stützkehr to HdstCI
8.懸垂前振り後方かかえ込み宙返りひねり腕支持Giant Back Toss 1/2DIII
9.前方開脚5/4宙返り腕支持5/4 Front StrdDI
10.前方かかえ込み2回宙返りひねり下りDouble Front 1/2FIV

D:6.0
E:8.500
Score:14.500

平行棒も2017年と同じ構成。最初の倒立で反ってしまった以外は安定した実施を見せ、着地も堪える。


#6 鉄棒 HB


1.ヤマワキYamawakiDII
2.エンドーひねりEndo 1/2BIII
3.屈身コバチKovacs PkEII
4.アドラー〈落下して再試技〉JamCIII
5.ポゴレロフPogolerovFII
6.シュタルダーStalderBIII
7.コバチKovacsDII
8.後方とび車輪1回ひねりHop 1/1CI
9.シュタルダーとび1回ひねりStalder Hop 1/1CIII
10.後方伸身2回宙返り2回ひねり下りDouble Back Lay 2/1EIV

D:5.7
E:6.766
Pen:0.3
Score:12.166

屈身コバチが近くなり車輪につなげられない。さらにアドラーで振り上がれず落下してしまう。従来、後半に入れていたアドラーひねりは急遽抜いたか。落下後の演技再開に時間がかかったためか0.3のペナルティ(ND)が付いている。

Total Score:81.498 (Total D:35.4)
Rank:6th



個人総合の安定感も日に日に増していた白井がまさかの3回落下。アメリカで使用されているAAIの器械で6種目を演技するのは初めてだったでしょうか。他にも落下や大きなミスをする選手が多く、結果は9人中の6位となりました。

それでも演技は最後まで諦めずに行い、合計Dスコアは全体トップの35.4。世界でも十分に高い水準であることは間違いありません。この雪辱は4月の個人総合ワールドカップ・東京大会で是非とも果たしてもらいたいものです。

この記事へのコメント

  • こっこ

    白井選手がここまでミスを連発するのは珍しいですね。その分モルダウワー選手の安定感が目立った印象です。

    あん馬で新しく取り入れてるのはウルジカでしょうか? 少し入りの縦向きが強いようにも思えますが。
    2018年03月07日 13:23
  • Ka.Ki.

    ウルジカあるいはモギルニーまでかもしれませんね。これらは縦向き支持からの90°転向で技に入ってもOKとされています。
    2018年03月07日 20:49
  • こっこ

    返答ありがとうございます。
    そうだったのですね、教えていただきありがとうございます。
    2018年03月08日 10:30
  • tokubay

    以前から少し気になっているのですが、
    白井選手の床の演技での着地後の「止め」の短さはEスコアの減点につながっているのでしょうか?

    コレオグラフィ等で着地をごまかしているようには全く見えないですけれども、
    去年から厳しくなったルールを厳格に適用しているのかなと・・・
    2018年03月11日 18:18
  • Ka.Ki.

    ご指摘のとおり着地をごまかそうとしているこなしには見えないと思いますし、これによる減点はないのではと個人的には感じます。今大会のEスコアはひねり不足によるものが大きいのではないでしょうか。

    ただ、無用の心配を避けるため、もう少し落ち着いたこなしでもいいのではというのももっともかと思います。これが本人のペースということであれば仕方ないところではありますが。
    2018年03月12日 20:36