2017年ワールドチャレンジカップ・パリ大会:種目別鉄棒の演技

2017 World Challenge Cup Paris (FRA) EF HB


2017年ワールドチャレンジカップ・パリ大会(フランス国際):鉄棒の演技です。

ZONDERLAND Epke (NED)


1.懸垂振り出し倒立StemAIII
2.エンドー1回ひねり大逆手Endo 1/1 to ElDIII
3.カッシーナCassinaGII
4.~コバチ+ KovacsDII(CV:0.2)
5.コールマンKolmanEII
6.~ゲイロード2+ Gaylord2EII(CV:0.2)
7.アドラーひねりJam 1/2DIII
8.シュタルダーStalderBIII
9.後方とび車輪1回ひねりHop 1/1CI
10.後方伸身2回宙返り2回ひねり下りDouble Back Lay 2/1EIV

D:6.4
E:8.400
Score:14.800

カッシーナ~コバチ、コールマン~ゲイロード2と得意の連続技を決める。まだA難度技が残っているが、いずれはここに5つ目の手放し技、おそらくは伸身コバチ(E)が加わるだろう。その場合、単発でもDスコア6.8、連続技に組み入れた場合は7.0に達する。もちろんシュタルダー系でもまだ難度を上げられ、7.3くらいまでは射程内にあるだろう。


DEURLOO Bart (NED)


1.アドラー1回ひねり逆手Jam 1/1 to UGEIII
2.アドラーひねりJam 1/2DIII
3.コバチKovacsDII
4.~カッシーナ+ CassinaGII(CV:0.2)
5.コールマンKolmanEII
6.ヤマワキYamawakiDII
7.エンドーEndoBIII
8.シュタルダーStalderBIII
9.後方とび車輪1回ひねりHop 1/1CI
10.後方伸身2回宙返り2回ひねり下りDouble Back Lay 2/1EIV

D:6.3
E:8.450
Score:14.750

最初にアドラー系2つ、コバチ~カッシーナの連続と独特の構成を見せる。着地をピタリと決める。


田中佑典 TANAKA Yusuke (JPN)


1.コールマンKolmanEII
2.シュタルダーとび3/2ひねり大逆手Stalder Hop 3/2 to ElEIII
3.コバチKovacsDII
4.リバルコRybalkoDI
5.ヤマワキYamawakiDII
6.エンドー1回ひねり大逆手Endo 1/1 to ElDIII
7.アドラー1回ひねり逆手Jam 1/1 to UGEIII
8.アドラーひねりJam 1/2DIII
9.後方とび車輪1回ひねりHop 1/1CI
10.後方伸身2回宙返り2回ひねり下りDouble Back Lay 2/1EIV

D:6.3
E:8.150
Score:14.450

カッシーナ(G)は抜いた構成。安定した演技を見せていたが、着地が大きく乱れてしまった。


4th AUGIS Axel (FRA)


1.アドラーひねりJam 1/2DIII
2.カッシーナCassinaGII
3.コールマンKolmanEII
4.後方とび車輪1回ひねりHop 1/1CI
5.シュタルダーひねりStalder 1/2BIII
6.ヤマワキYamawakiDII
7.エンドーEndoBIII
8.アドラー1回ひねり逆手Jam 1/1 to UGEIII
9.シュタルダーStalderBIII
10.後方伸身2回宙返り2回ひねり下りDouble Back Lay 2/1EIV

D:5.9
E:8.450
Score:14.350

アドラー1回ひねりを逆手にして、優勝したユニバーシアードよりも難度を上げる。着地は動いたがEスコアはかなり出た。


5th SUGINO Takaaki (JPN)


1.アドラー1回ひねり片逆手Jam 1/1 to MGDIII
2.アドラーひねりJam 1/2DIII
3.コールマンKolmanEII
4.コバチKovacsDII
5.シュタルダーStalderBIII
6.シュタルダーひねりStalder 1/2BIII
7.ヤマワキYamawakiDII
8.エンドーEndoBIII
9.後方とび車輪1回ひねりHop 1/1CI
10.後方伸身2回宙返り2回ひねり下りDouble Back Lay 2/1EIV

D:5.5
E:8.400
Score:13.900

アドラーひねりで振り戻りかけたが堪える。まだB難度技が多くDスコアは高くはないが安定した技運びで着地まで決めて健闘を見せた。


6th SRBIC Tin (CRO)


1.前方車輪1回ひねり大逆手1/1 to ElCI
2.シュタルダーとび3/2ひねり大逆手Stalder Hop 3/2 to ElEIII
3.トカチェフTkatchevCII
4.~伸身トカチェフ+ Tkatchev LayDII(CV:0.1)
5.~リンチ+ LynchDII(CV:0.2)
6.アドラーひねりJam 1/2DIII
7.モズニクMoznikEII
8.アドラー1回ひねり逆手Jam 1/1 to UGEIII
9.エンドー1回ひねり大逆手Endo 1/1 to ElDIII
10.後方伸身2回宙返り1回ひねり下りDouble Back Lay 1/1DIV

D:6.4
E:7.350
Score:13.750

トカチェフ系の連続でDスコアを稼ぐ。大逆手系の技も巧く、いい演技を見せていたが着地で膝を突いてしまった。


7th BRETSCHNEIDER Andreas (GER)


1.カッシーナCassinaGII
2.ブレットシュナイダーBretschneiderHII
3.コールマンKolmanEII
4.ヤマワキYamawakiDII
5.アドラー1回ひねり逆手Jam 1/1 to UGEIII
6.ワイラーWeilerBIII
7.アドラーひねりJam 1/2DIII
8.後方とび車輪1回ひねりHop 1/1CI
9.後方とび車輪3/2ひねりHop 3/2 to MGCI
10.後方伸身2回宙返り2回ひねり下りDouble Back Lay 2/1EIV

D:6.6
E:7.050
Score:13.650

本家本元ブレットシュナイダーを見事に決めるが、ひねり技では倒立からの角度逸脱が気になる。惜しくも着地で転倒してしまった。


8th BOULET Edgar (FRA)


1.懸垂振り出し倒立StemAIII
2.アドラーひねりJam 1/2DIII
3.カッシーナ〈落下して再試技〉CassinaGII
4.コバチKovacsDII
5.コールマンKolmanEII
6.後方とび車輪1回ひねりHop 1/1CI
7.シュタルダーStalderBIII
8.アドラー1回ひねり片逆手Jam 1/1 to MGDIII
9.ヤマワキYamawakiDII
10.後方伸身2回宙返り2回ひねり下りDouble Back Lay 2/1EIV

D:5.9
E:6.600
Score:12.500

カッシーナで落下するが、地元の大声援に支えられ果敢に再挑戦する。



Dスコアは6.3~6.4の選手が中心。ルール改訂で組み合わせ加点が手放し技の連続に限られ、徐々に取り入れる選手が増えており、トカチェフ系とコバチ系に大別される傾向があります。

コバチ系連続技の代表的な使い手、ゾンダーランドが優勝。Dスコアは平均的な水準でしたが、貫録の実施を見せました。デューローも安定した鉄棒の実力を見せ、オランダ勢がワンツーフィニッシュを飾っています。

この記事へのコメント

  • 十兵衛

    ゾンダーランド選手の演技は高難度の技が沢山あって連続技もあり、手放し技以外の改良余地もあってDスコアは文句ないですが、足の開きが多すぎて美しさという点ではワーストと言いたいです。
    これは高Dスコアで低Eスコアか、低Dスコアで高Eスコアのどちらかを選択するしかない、という考えがあるなら最も極端な前者の例だと思います。
    もちろん、日々研鑽してより高難度でより美しい演技を練習しているとは思いますが、人間ですし大会では両方取ることは難しいと思います。
    しかし、そもそもDスコアは加点方式、Eスコアは減点方式であることによって難度と美しさの両立を阻んでいる気がします。
    減点されたくないから難しい技はやめよう、減点されてもいいから高難度
    技で点数稼ごうと考えている選手もいると思います。
    Eスコアにも加点があれば、より高難度でより美しくしようという意識が増えるのではないでしょうか。
    Eスコアの加点をどう採点するかという問題がありますが…
    長文すみません。
    2017年09月24日 04:15
  • 伸身ローチェ

    確かに離れ技では必ず大なり小なり足割れをしていますね。
    ただその代わりゾンダーランド選手が離れ技からの車輪で力を使うのを見たことはそんなに多くありません。
    おそらく連続技を意識して車輪に綺麗につなげようとしているんだと思うんです。足割れはその副産物なんじゃないでしょうか。
    それに数字上ではありますが鉄棒のEスコア8.450はそれほど悪くない数値だと思います。落下の関係もありますが今回の選手の中で見ても高いほうでしょう。
    また、Eスコアは離れ技ばかりで決まるわけではないので、それ以外の技での失点が比較的少なくしているのがゾンダーランド選手の強みとも感じます。
    2017年09月24日 05:51
  • 体操大好き人間

    さすがゾンダーランド選手!
    昨年のリオでは残念な思いをされたと思いますので
    今回は良かったんじゃないでしょうか。
    もともと、離れ業の連続は以前から実施していましたし、
    安定感抜群ですね。
    ただ、迫力のあるシュタルダーリバルコとアドラー1回ひねり逆手を
    抜いてこの点数ですから・・・。
    言われるように、今後のDスコアの伸びしろが楽しみになってきます。
    2017年09月25日 14:50
  • Ka.Ki.

    >十兵衛さん
    伸身ローチェさんも書かれていますが、ゾンダーランド選手は意外とEスコアが出ます。Eスコアは足割れだけが減点項目ではありません。さらに言えば美しさだけが評価されているわけではなく、実施の正確性や雄大性も重要なポイントです。ただ、私も含め日本のファンがどうしても足割れや美しさにこだわってしまうのも理解はできます。

    そういった意味でもEスコアの加点は個人的には難しいと思っていますし、否定的です。比較的判断がしやすい着ピタですら(内規で適用されることもありますが)国際大会で運用するのは現実的には難しいのではないでしょうか。
    2017年09月27日 22:38
  • Ka.Ki.

    >伸身ローチェさん
    これだけ連続技をする選手ですから、バーを掴む位置や振り上がりはとても上手いですよね。ゲイロード2はいつも強引に振り上がっている感もありますが。
    2017年09月27日 22:43
  • Ka.Ki.

    >体操大好き人間さん
    大一番ではシュタルダーはE難度にしてくるでしょうね。手放し技が5つまでになったのでアドラー1回ひねりは角度減点も考えるともう入れないかもしれません。今後の構成が楽しみですね。
    2017年09月27日 22:48