2017年ヨーロッパ選手権:種目別つり輪の演技

2017 Europeans Cluj-Napoca (ROU) EF SR


2017年ヨーロッパ選手権・クルジュナポカ大会:種目別つり輪の演技です。

PETROUNIAS Eleftherios (GRE)


1.後方伸腕伸身逆上がり上水平支持Back Roll to PlancheEII
2.後方伸腕伸身逆上がり中水平支持Back Roll to MalteseFII
3.後ろ振り上がり中水平支持Back Uprise to MalteseEIII
4.ほん転逆上がり倒立Felge to HdstCI
5.後ろ振り上がり上水平支持Back Uprise to PlancheDIII
6.ナカヤマBack Lever to CrossDII
7.ホンマ十字懸垂Whippet to CrossDIII
8.屈身ヤマワキYamawaki PkDI
9.後ろ振り上がり倒立Back Uprise to HdstCI
10.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下りDouble Back 2/1EIV

D:6.3
E:9.133
Score:15.433

今大会もいつものDスコア6.3の構成を素晴らしい実施で見せる。着地は珍しくわずかに動く。得点が出るのに少し時間がかかっていたようだったが…。


TULLOCH Courtney (GBR)


1.バランディン2Vertical Pull Up to Inv-CrossFII
2.バランディン3Vertical Pull Up to PlancheEII
3.後方伸腕伸身逆上がり中水平支持Back Roll to MalteseFII
4.後ろ振り上がり倒立Back Uprise to HdstCI
5.後ろ振り上がり上水平支持Back Uprise to PlancheDIII
6.ナカヤマBack Lever to CrossDII
7.屈身ヤマワキYamawaki PkDI
8.後ろ振り上がり中水平支持Back Uprise to MalteseEIII
9.ほん転逆上がり倒立Felge to HdstCI
10.後方伸身2回宙返り1回ひねり下りDouble Back Lay 1/1DIV

D:6.4
E:8.666
Score:15.066

現時点で世界最高となるDスコア6.4でペトロウニアスに挑むが、終末技の腰の曲がりがどうしても気になる。バランディン系の持ち込みや十字倒立でも少しずつ減点を受けているか。


RADIVILOV Igor (UKR)


1.後方伸腕伸身逆上がり上水平支持Back Roll to PlancheEII
2.後方伸腕伸身逆上がり中水平支持Back Roll to MalteseFII
3.ナカヤマBack Lever to CrossDII
4.後ろ振り上がり倒立Back Uprise to HdstCI
5.屈身ヤマワキYamawaki PkDI
6.後ろ振り上がり十字倒立Back Uprise to Inv-CrossDIII
7.後ろ振り上がり中水平支持Back Uprise to MalteseEIII
8.後ろ振り上がり上水平支持Back Uprise to PlancheDIII
9.ほん転逆上がり倒立Felge to HdstCI
10.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下りDouble Back 2/1EIV

D:6.3
E:8.733
Score:15.033

2016年まではDスコア6.9を実施していたこともあるが、アザリアン(D)の替わりになる技がまだ入れられていないようで、実質的にDスコア0.1ダウンの構成となっている。力技の姿勢はいいが、ところどころ静止時間が短い印象がある。着地はほぼ止める。


4th DAVTYAN Vahagn (ARM)


1.バランディン3Vertical Pull Up to PlancheEII
2.後方伸腕伸身逆上がり中水平支持Back Roll to MalteseFII
3.後ろ振り上がり十字懸垂Back Uprise to CrossCIII
4.後ろ振り上がり倒立Back Uprise to HdstCI
5.屈身ヤマワキYamawaki PkDI
6.後ろ振り上がり中水平支持Back Uprise to MalteseEIII
7.ナカヤマBack Lever to CrossDII
8.後ろ振り上がり上水平支持Back Uprise to PlancheDIII
9.ほん転逆上がり倒立Felge to HdstCI
10.後方伸身2回宙返り1回ひねり下りDouble Back Lay 1/1DIV

D:6.1
E:8.758
Score:14.858

予選ではDスコア6.3を出していたが、決勝ではC難度の後ろ振り上がり十字懸垂が入っており難度を落としたか。着地は上体こそ動いたが何とか止める。


5th COLAK Ibrahim (TUR)


1.後方伸腕伸身逆上がり上水平支持Back Roll to PlancheEII
2.後方伸腕伸身逆上がり中水平支持Back Roll to MalteseFII
3.後ろ振り上がり上水平支持Back Uprise to PlancheDIII
4.ヤマワキYamawakiCI
5.屈身ヤマワキYamawaki PkDI
6.後ろ振り上がり中水平支持Back Uprise to MalteseEIII
7.ナカヤマBack Lever to CrossDII
8.ホンマ十字懸垂Whippet to CrossDIII
9.後ろ振り上がり倒立Back Uprise to HdstCI
10.前方屈身2回宙返り下りDouble Front PkDIV

D:6.2
E:8.633
Score:14.833

せっかく自身の名前の付いた技ができたのだからもっと使ってほしい気がする。終末技は前方系を使う。


6th KONSTANTINIDIS Konstantinos (GRE)


1.後方伸腕伸身逆上がり上水平支持Back Roll to PlancheEII
2.後方伸腕伸身逆上がり中水平支持Back Roll to MalteseFII
3.後ろ振り上がり十字倒立Back Uprise to Inv-CrossDIII
4.前方車輪倒立経過Front Giant thru HdstBI
5.ヤマワキYamawakiCI
6.後ろ振り上がり上水平支持Back Uprise to PlancheDIII
7.後ろ振り上がり中水平支持Back Uprise to MalteseEIII
8.ナカヤマBack Lever to CrossDII
9.後ろ振り上がり倒立Back Uprise to HdstCI
10.後方伸身2回宙返り1回ひねり下りDouble Back Lay 1/1DIV

D:6.0
E:8.666
Score:14.666

素晴らしい十字倒立の姿勢を見せる。トップ10技にB難度技が入っておりDスコアは6.0に留まっている。さらなる難度アップが期待される。


7th TOVMASYAN Artur (ARM)


1.ザネッティBack Lever Press to PlancheFII
2.後方伸腕伸身逆上がり中水平支持Back Roll to MalteseFII
3.後ろ振り上がり倒立Back Uprise to HdstCI
4.ヤマワキYamawakiCI
5.屈身ヤマワキYamawaki PkDI
6.後ろ振り上がり中水平支持Back Uprise to MalteseEIII
7.ナカヤマBack Lever to CrossDII
8.後ろ振り上がり上水平支持Back Uprise to PlancheDIII
9.ほん転逆上がり倒立Felge to HdstCI
10.後方伸身2回宙返り1回ひねり下りDouble Back Lay 1/1DIV

D:6.2
E:8.466
Score:14.666

ザネッティ(背面水平懸垂から引き上げ上水平支持)は上水平でF難度が取れる重要な技。着地が大きく前に跳ねる。


8th LANKIN Dmitrii (RUS)


1.後方伸腕伸身逆上がり中水平支持Back Roll to MalteseFII
2.後方け上がり中水平支持Back Kip to MalteseEIII
3.ホンマ十字懸垂Whippet to CrossDIII
4.屈身ヤマワキYamawaki PkDI
5.ヤマワキYamawakiCI
6.後ろ振り上がり開脚上水平支持Back Uprise to Strd PlancheCIII
7.アザリアンBack Roll to CrossDII
8.後ろ振り上がり倒立Back Uprise to HdstCI
9.ほん転逆上がり倒立Felge to HdstCI
10.前方屈身2回宙返り下りDouble Front PkDIV

D:5.9
E:8.566
Score:14.466

つり輪のスペシャリストというわけではなく、後半はC難度技が続きDスコアも5.9と高くはない。しかし、ヤマワキ系の雄大な実施は目を引き、健闘を見せる。



つり輪もルール改訂の影響はあまり出ていません。格上げになった技もまだ使い手は限られています。同じ姿勢の力静止技が各グループ1回までになったことで、端的にはナカヤマとアザリアンを同時に使えなくなり、ホンマ十字懸垂を見ることが増えているような印象がありましたが、今回の決勝進出者にはあまり当てはまっていないようです。グループの統合により振動技を多く使っていた選手にも影響が出ていましたが、もともとが力技主体の構成であるスペシャリストたちにとってはこれも関係ありません。

現在無敵の王者ペトロウニアスが、ヨーロッパ選手権では3連覇を達成。Dスコア6.3の構成を見事な実施で通し、今回も他者を寄せ付けませんでした。力技もさることながら、つり輪のスペシャリストにとって課題となりがちな終末技が安定していることも強みだと思います。

この記事へのコメント

  • jack

    少し疑問に思ったのですが、このヨロ選と全日本種目別の採点基準ってどれくらい違うんですかね…
    単純にEスコアの出具合を見ると自分としてはほぼ同じだと思うのですがどう思いますか?
    2017年07月26日 00:02
  • Ka.Ki.

    そうですね。全日本は全体的にEスコアが甘い印象がありますが、このヨーロッパ選手権も8点台後半がよく出ていますし、それほど大きな差はないかもしれません。世界選手権にまでなるとまた分かりませんが。

    力技の決めや振動技の大きさ、技の間の静止時間など海外の選手とまだまだ差がある部分もありますが、先日の全日本種目別ではDスコア6.3が4人もいるなど、日本のつり輪もずいぶん強くなってきたものだと思います。
    2017年07月26日 20:32
  • jack

    確かに世界選手権となるとより厳しくなりそうですね。
    6.3が4人ですか。その中でもEがちゃんと残せてる武田選手が世界でどこまで通用するのか…
    願わくば2011年の山室選手以来のつり輪のメダルがみたいものですね。
    2017年07月26日 23:27
  • jack

    武田選手は6.1でしたか
    失礼しました。
    2017年07月26日 23:30
  • Ka.Ki.

    武田選手はDスコア6.1ながら素晴らしい実施で全日本優勝と代表候補の座を手にしましたね。世界との差を考えると簡単なことではないと思いますが、代表目指して頑張ってほしいと思います。
    2017年07月27日 22:51