2017年ヨーロッパ選手権:種目別ゆかの演技

2017 Europeans Cluj-Napoca (ROU) EF FX


2017年ヨーロッパ選手権・クルジュナポカ大会:種目別ゆかの演技です。

DRAGULESCU Marian (ROU)


1.前方かかえ込み2回宙返りひねりDouble Front 1/2EII
2.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
3.~前方伸身宙返り2回ひねり+ Front Lay 2/1DII(CV:0.2)
~前方伸身宙返りひねり+ Front Lay 1/2BII(CV:0.1)
4.後方伸身宙返り3/2ひねりBack Lay 3/2CIII
5.~前方伸身宙返り5/2ひねり+ Front Lay 5/2EII
6.開脚座から力十字倒立Split Press to Japanese HdstCI
7.後方伸身宙返り3回ひねりBack Lay 3/1DIII
8.前方伸身宙返り1回ひねりFront Lay 1/1CII
9.~前方伸身宙返り3/2ひねり+ Front Lay 3/2CII
10.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねりDouble Back 2/1EIII

D:6.2
E:8.300
Score:14.500

格上げになった前方ダブルのひねりから入る。後方5/2~前方2回の後の前方1/2は着地を取るためだけに入れていると思われる。後半、短いラインで3回ひねりを入れ、終末技は往年と変わらぬ新月面。地元の大声援を受けて見事な優勝。


LANKIN Dmitrii (RUS)


1.リューキンTriple BackHIII
2.後方伸身宙返り7/2ひねりBack Lay 7/2EIII
3.~前方伸身宙返り1回ひねり+ Front Lay 1/1CII(CV:0.1)
4.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
5.~前方伸身宙返り2回ひねり+ Front Lay 2/1DII(CV:0.2)
6.後方かかえ込み2回宙返り1回ひねりDouble Back 1/1DIII
7.開脚座から力十字倒立Split Press to Japanese HdstCI
8.前方伸身宙返りFront LayBII
9.~前方かかえ込み2回宙返り+ Double FrontDII
10.後方伸身宙返り3回ひねりBack Lay 3/1DIII

D:6.4
E:8.066
Score:14.466

ロシア選手権でも見せていた盛りだくさんの構成。リューキン(後方かかえ込み3回宙返り)の着地をほぼ収める。ひねり系の連続で着地が安定しなかったのが惜しい。


SHATILOV Alexander (ISR)


1.前方屈身2回宙返りひねりDouble Front Pk 1/2FII
2.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
3.~前方伸身宙返り2回ひねり+ Front Lay 2/1DII(CV:0.2)
4.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねりDouble Back 2/1EIII
5.後方伸身宙返り3/2ひねりBack Lay 3/2CIII
6.~前方伸身宙返り1回ひねり+ Front Lay 1/1CII
7.~前方伸身宙返り3/2ひねり+ Front Lay 3/2CII
8.後方伸身宙返り2回ひねりBack Lay 2/1CIII
9.フェドルチェンコFedorchenkoCI
10.後方かかえ込み2回宙返り1回ひねりDouble Back 1/1DIII

D:6.0
E:8.400
Score:14.400

シャティロフも格上げになった技から入る。後方3/2~前方1回~前方3/2の3連続は2006-2008年ルールの時に非常に流行った組合せ。現在は加点は付かない。終末技は月面を使い続けており実施も安定している。


4th DOLGOPYAT Artem (ISR)


1.前方屈身2回宙返りひねりDouble Front Pk 1/2FII
2.前方伸身宙返り1回ひねりFront Lay 1/1CII
3.~前方伸身宙返り5/2ひねり+ Front Lay 5/2EII(CV:0.1)
4.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねりDouble Back 2/1EIII
5.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
6.~前方伸身宙返り2回ひねり+ Front Lay 2/1DII(CV:0.2)
7.後方伸身宙返り3/2ひねりBack Lay 3/2CIII
8.~前方伸身宙返り3/2ひねり+ Front Lay 3/2CII
9.フェドルチェンコFedorchenkoCI
10.後方伸身宙返り3回ひねりBack Lay 3/1DIII

D:6.3
E:8.133
Pen:0.1
Score:14.333

F難度となった前方屈身ダブルひねりの着地はピタリと止めたが、新月面が乱れラインオーバーとなってしまった。大技も得意だが、ひねり系も難度の高い技を使いこなしている。


5th CUNNINGHAM Dominick Adam (GBR)


1.後方伸身2回宙返り2回ひねりDouble Back Lay 2/1FIII
2.後方伸身宙返り3/2ひねりBack Lay 3/2CIII
3.~前方伸身宙返り2回ひねり+ Front Lay 2/1DII(CV:0.1)
4.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねりDouble Back 2/1EIII
5.前方かかえ込み2回宙返りDouble FrontDII
6.フェドルチェンコFedorchenkoCI
7.正面支持臥から伸腕屈身力倒立Prone Press to HdstBI
8.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
9.~前方伸身宙返り3/2ひねり+ Front Lay 3/2CII(CV:0.1)
10.後方伸身宙返り3回ひねりBack Lay 3/1DIII

D:6.0
E:8.300
Score:14.300

伸身新月面から入る。この選手も大技、ひねり系ともにいけるタイプだが、あの新月面ひねりからの連続技もまた見てみたい。予選ではC難度の十字倒立を入れていたが、決勝では難度を下げている。


6th ZAPATA SANTANA Rayderley Miguel (ESP)


1.サパタDouble Front 3/2GII
2.後方伸身宙返り3/2ひねりBack Lay 3/2CIII
3.~前方屈身2回宙返り+ Double Front PkEII(CV:0.1)
4.前方屈身2回宙返りひねりDouble Front Pk 1/2FII
5.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねりDouble Back 2/1EIII
6.後方伸身宙返り2回ひねりBack Lay 2/1CIII
7.開脚座から伸腕屈身力倒立Split Press to HdstBI
8.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
9.~前方かかえ込み宙返り1回ひねり+ Front 1/1BII(CV:0.1)
10.後方伸身2回宙返りDouble Back LayDIII

D:6.3
E:8.000
Score:14.300

自身の名前が付いたG難度技、前方かかえ込み2回宙返り3/2ひねりから入る。シーズン当初はまだA難度技が入っていたが、今大会では10技揃えて勝負に来た。しかし、タンブリングが7本になりやや慌ただしい印象は否めない。予選ではDスコア6.4が出ていたが決勝は6.3の判定で、ここでは後方5/2からの前方1回が伸身で取られなかったものとした。


7th VERNIAIEV Oleg (UKR)


1.後方伸身宙返り7/2ひねりBack Lay 7/2EIII
2.~前方伸身宙返りひねり+ Front Lay 1/2BII(CV:0.1)
3.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
4.~前方かかえ込み宙返りひねり+ Front 1/2AII
5.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねりDouble Back 2/1EIII
6.前方伸身宙返り5/2ひねりFront Lay 5/2EII
7.シュピンデル・ゴゴラーゼ1/1 Spindle to GogoladzeDI
8.ゴゴラーゼGogoladzeCI
9.後方伸身宙返り2回ひねりBack Lay 2/1CIII
10.後方伸身宙返り3回ひねりBack Lay 3/1DIII

D:5.7
E:8.333
Score:14.033

最初の2本のタンブリングがともに上手く連続技につなげなかった。E+C(CV:0.1)とD+D(CV:0.2)の予定だったと思われるため、ここで0.6もDスコアを落としたことになる。その後は演技をまとめていただけに残念。


8th BULAUSKI Pavel (BLR)


1.前方伸身宙返り2回ひねりFront Lay 2/1DII
2.~前方かかえ込み2回宙返り+ Double FrontDII(CV:0.2)
3.前方伸身宙返り1回ひねりFront Lay 1/1CII
4.~前方かかえ込み2回宙返りひねり+ Double Front 1/2EII(CV:0.1)
5.前方屈身2回宙返りDouble Front PkEII
6.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねりDouble Back 2/1EIII
7.フェドルチェンコFedorchenkoCI
8.正面支持臥から伸腕屈身力倒立Prone Press to HdstBI
9.後方伸身宙返り2回ひねりBack Lay 2/1CIII
10.後ろとびひねり前方かかえ込み2回宙返りArabian DoubleDIII

D:6.1
E:7.666
Score:13.766

前方2回~前方ダブルのD+D、さらには前方1回~前方ダブルひねりと独特の連続を見せる。その後も前方屈身ダブル、新月面と2回宙返りのオンパレードで、ひねり系の組合せが全くない特異な構成。新月面が大きく乱れた他、着地があまり決まらずEスコアが伸びなかった。



2017年のルール改訂で格上げになった技を早速取り入れている選手が多くいます。また組合せ加点の適用が2回までとなったため、0.2の加点が得られるD+Dの組合せを使う選手も半数を超えています。2回宙返りの実施も確実に増えているようです。

Dスコアの分布は6.0~6.4(ベルニャイエフは6.3を予定していたものとします)。6.4のランキンはEスコアとの合計でわずかにドラグレスクに及びませんでした。大ベテラン、ドラグレスクのヨーロッパ選手権のゆかでの優勝は2005年以来なんと12年ぶりということになります。

この記事へのコメント

  • 体操好きのY

    いつも楽しい記事をありがとうございます。

    ダイナミックな演技構成が多く、見るほうとしては華が合ってとても良いと感じます。ルール改定のお陰ですかね。

    そんな猛者たちの中で、ドラグレスク選手の優勝は本当にすばらしいと思います。宙返りのキレが健在で老いを感じさせないですね。フィニッシュにE難度の新月面を持ってくるのも驚愕です。
    2017年04月26日 19:13
  • Ka.Ki.

    いつもご覧いただきありがとうございます。

    地域性のようなものもあるかもしれませんが、ルール改訂によっていわゆるビッグタンブリングが増えているのはいい傾向ではないかと思います。

    ドラグレスク選手は地の利もあったとは思いますが素晴らしかったですね。終末技の新月面もそうですが、1本目も格上げになった技を早速取り入れてくるあたりベテランとは思えない対応力だと思います。
    2017年04月26日 23:45
  • 伸身ローチェ

    ドラグレスク選手は初めの技が新たに取り入れた技だと思いますが、本当に今でも進化しているんですね。
    もしかしたら跳馬のドラグレスクの第二局面と同じなので案外楽に覚えることができたのかもしれませんが。
    2017年05月02日 21:39
  • Ka.Ki.

    確かに跳馬のドラグレスクと同じですね。この動きなら、というのがあったかもしれませんね。
    2017年05月02日 22:57