オレグ・ベルニャイエフ - 2017年ヨーロッパ選手権:個人総合の演技

VERNIAIEV Oleg (UKR)
2017 Europeans Cluj-Napoca (ROU) AA


2017年のヨーロッパ選手権がルーマニアのクルジュナポカという街で開催されています。奇数年のヨーロッパ選手権は団体戦がなく、個人総合と種目別による大会。個人総合は2015年のモンペリエ大会に続きオレグ・ベルニャイエフ(ウクライナ)が優勝しています。

#1 ゆか FX


1.後方伸身宙返り7/2ひねりBack Lay 7/2EIII
2.~前方伸身宙返り1回ひねり+ Front Lay 1/1CII(CV:0.0)
3.後方伸身宙返り5/2ひねりBack Lay 5/2DIII
4.~前方伸身宙返り2回ひねり+ Front Lay 2/1DII(CV:0.2)
5.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねりDouble Back 2/1EIII
6.前方伸身宙返り5/2ひねりFront Lay 5/2EII
7.シュピンデル・ゴゴラーゼ1/1 Spindle to GogoladzeDI
8.力十字倒立Press to Japanese HdstBI
9.後方伸身宙返り2回ひねりBack Lay 2/1CIII
10.後方伸身宙返り3回ひねりBack Lay 3/1DIII

D:6.1
E:7.366
Score:13.466

前方ダブル(D)を抜いている程度で、ほぼ現時点でのフル構成に近い内容。しかし、最初の後方7/2~前方1回の着地で後ろに手を突いてしまう。大過失を伴う組合せには加点が与えられない。その後は演技をまとめる。


#2 あん馬 PH


1.正交差倒立Front Scissor to HdstDI
2.一把手上縦向き旋回倒立1回ひねり3/3移動下ろして開脚支持P Loop to Hdst 3/3 360 Lower to SupEII
3.シュテクリBDSBBII
4.Eコンバイン2 Flops + R360EII
5.あん部馬背ロシアン1080°転向Russian 1080 btw PommelsEII
シュテクリB〈繰り返し〉DSB
6.ウ・グォニアンRussian Travel 3/3 720EIII
7.馬端馬背ロシアン1080°転向Leather Russian 1080DII
8.マジャールMagyarDIII
9.シバドSivadoDIII
10.一把手上縦向き旋回倒立3/3移動下りP Loop to Hdst Travel 3/3DIV

D:6.2
E:8.300
Score:14.500

あん馬もほぼフル構成で来たが、フロップでバランスを崩してしまった。Dフロップまで成立しているようにも見えるが、シュテクリBの3回連続と判定されたものと思われる。


#3 つり輪 SR


1.後方伸腕伸身逆上がり中水平支持Back Roll to MalteseFII
2.後ろ振り上がり中水平支持Back Uprise to MalteseEIII
3.ナカヤマBack Lever to CrossDII
4.ヤマワキYamawakiCI
5.屈身ヤマワキYamawaki PkDI
6.ホンマ十字懸垂Whippet to CrossDIII
7.後ろ振り上がり開脚上水平支持Back Uprise to Strd PlancheCIII
8.ほん転逆上がり倒立Felge to HdstCI
9.後ろ振り上がり倒立Back Uprise to HdstCI
10.後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下りDouble Back 2/1EIV

D:6.0
E:8.700
Score:14.700

上水平を開脚にしてこれまでの大会よりDスコアを0.1抑えている。実施は良好で、着地もほぼ止めて高いEスコアを出す。


#4 跳馬 VT


DEPenScore
ドラグレスクHdsp Double Front 1/25.69.10014.700

着地は上体こそ大きく傾いてしまったが片足がわずかに動く程度に収め、こちらも高いEスコアを出す。


#5 平行棒 PB


1.後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持Back Uprise Front Pk to SupDII
2.棒下宙返りひねり倒立Basket 1/2 to HdstEIII
3.シャルロBasket to 1 Rail HdstEIII
4.単棒ヒーリー1 Rail HealyEI
5.チッペルトTippeltDIII
6.バブサーBhavsarEIII
7.ヒーリーHealyDI
8.ピータースBack Toss 1/4 to HdstDI
9.前振りひねり倒立Stützkehr to HdstCI
10.前方かかえ込み2回宙返りひねり下りDouble Front 1/2FIV

D:6.5
E:8.000
Score:14.500

マクーツ(E)は抜いているが十分に難度の高い構成。さらに予選ではチッペルトの替わりに屈膝モイ(B)を入れてDスコアを6.3まで抑えていた。シャルロで大きく倒立が乱れるが堪えて単棒ヒーリーにつなげる。着地は1歩動く。


#6 鉄棒 HB


1.ムニョス/ポッツォMunoz - PozzoEII
2.アドラーひねりJam 1/2DIII
3.リンチLynchDII
4.アドラー1回ひねり片逆手Jam 1/1 to MGDIII
5.ヤマワキYamawakiDII
6.後方とび車輪1回ひねりHop 1/1CI
7.エンドー1回ひねり大逆手Endo 1/1 to ElDIII
8.エンドーEndoBIII
9.エンドーひねりEndo 1/2BIII
10.後方伸身2回宙返り2回ひねり下りDouble Back Lay 2/1EIV

D:5.7
E:8.300
Score:14.000

モズニク(E)など抜いている技はあるが、Dスコア5.7という今シーズンの鉄棒としてはまずまずの構成を大きなミスなく通す。

Total Score:85.866 (Total D:36.1)
Rank:1st



2週間前のワールドカップ・ロンドン大会ではかなり調子が悪かったベルニャイエフですが、今大会ではある程度難度を戻してきています。一方でつり輪や平行棒のようにこれまでずっと同じ構成だった種目で難度を抑えており、6種目全体のバランスを整えてきたということかもしれません。それでも合計Dスコアは36.1とハイレベル。ゆかの組合せ加点とあん馬のEフロップが取れていないことから、36.5もの合計Dスコアを予定したということになります。

ゆかのミスで出遅れ、あん馬のミスなどもあり首位に立ったのは4種目目でした。2位のアルトゥール・ダラロヤン(ロシア)との最終的な点差は0.368。鉄棒でミスがあったら分からないところでしたが、最後は今シーズン初めての鉄棒14点台を出して逃げ切りました。2年に一度のヨーロッパ選手権の個人総合で見事な2連覇達成です。

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