SHIRAI Kenzo (JPN)
2017 Individual Apparatus World Cup Melbourne (AUS) QF VT
種目別ワールドカップ・メルボルン大会では予選において注目すべき演技がいくつかありました。最大のトピックは何と言ってもこれでしょう。白井健三の跳馬、シェルボとび2回ひねり(ロンダート、1回ひねり後転とび後方伸身宙返り2回ひねり)です。
1本目にシライ/キム・ヒフンをわずかな跳ねに抑える上々の跳越を見せると、2本目に実施してきたのがまさかのこの技。これが見られる日が来るとは思っていませんでした。
2017年のルール改訂で跳馬は大部分の跳越技のDスコアが0.4下がりました。例外もありますが、トップ選手が跳ぶ難度の高い技は一律0.4ダウンと思って問題ありません。そんな中、シェルボとび系は0.2のダウンに留まり、実質的に格上げとなった技です。
とはいえ、この2回ひねりでもD:5.4。見るからに難しそうな技で、さすがの白井もラインオーバーのうえ、着地もやや大きく乱れています。決勝ではいつものドリッグス(D:5.2)に戻し、着地を完璧に決めてE:9.533を出しているので、今後シェルボとびを本格的に使っていくのは難しいかもしれませんが、素晴らしいチャレンジだと思います。
なお、この技もゆかのシライ/グエンなどと同様、難度表に載ってはいるものの過去に実施例がない技だった可能性があり、それが確認された場合シライ3の名が付くかもしれないと報じられています。シェルボとび2回ひねりが最初に掲載されたのは1997年版採点規則ですが、おそらくこの時、各グループに10.0点の跳越を設定するために掲載されたものと考えられ、これまで実施した選手はいないのではないかと思います。
D | E | Pen | Score | |||
1. | シライ/キム・ヒフン | Yurchenko Lay 3/1 | 5.6 | 9.333 | 14.933 | |
2. | シェルボとび2回ひねり | Scherbo 2/1 | 5.4 | 8.866 | 0.1 | 14.166 |
Total: | 14.549 |
この記事へのコメント
伸身ローチェ
しかしシェルボとびですか、まだ優遇措置が足りてないんじゃないかとも思っていましたがどうなんでしょうね。白井選手がやったのだから十分割の合う技なんでしょうか。
この技第一局面のひねりを半分第二局面に持ってくれば0.4点が上がりますよね…そういう簡単な問題では解けないものなんでしょうか?
Ka.Ki.
確かにひねり数の絶対値はリ・シャオペンと同じなのですが、構造が全然違うと思うんですよね。シェルボとびは本当に不可解な跳び方で、いったい何なのかを以前からずっと考えています。
伸身ローチェ
しかし突き手がかなり難しくなると思うので、半ひねり着手と一回ひねり着手で、第二局面が同じなら同じ点数というのはなにか不思議な感じ。
もしかしたら2021-2024年でも改正か統廃合があるのかも…
とどのつまりよくわからないです。
Ka.Ki.
跳馬において後方の2回ひねりと比較されうるのは前方の3/2ひねりなので、その意味ではすでに優位にあるとも言えます。希求されるべきは第2局面の雄大さであり、そのための着手技法であると考えると…本当に難しいです。
にゃーす
574キーナンバー1
技番号下2桁が異なるので、この組み合わせは許されるということでいいんですかね?跳馬はなかなかルール読むのが難しいです、
Ka.Ki.