ハンビュヘンの金銀銅

Hambuechen in Oympics


ドイツのファビアン・ハンビュヘンは日本でも人気の高い選手です。怪我とも戦いながら長年に渡り世界の第一線でオールラウンダーとして活躍してきました。

オリンピックは2004年アテネから4大会連続出場。特に得意の鉄棒では毎回種目別決勝に進出し、2008年北京で銅メダル、2012年ロンドンで銀メダル、そして2016年のリオで金メダルという素晴らしい結果を残しています。

旧サイトでも大会ごとの記事で紹介してきた演技ではありますが、今回はオリンピック種目別決勝におけるハンビュヘンの鉄棒をまとめて見ていきたいと思います。


2004年アテネオリンピック 2004 Olympics Athens (GRE)


難度加点組合せ加点
伸身トカチェフD+C→EII0.2
~トカチェフII
~ギンガーC→DII0.10.2
エンドーBIII
閉脚シュタルダー3/2ひねり大逆手EIII0.2
~大逆手振り上がり1回ひねり大逆手DIV0.10.2
大逆手振り上がりひねりBIV
後方とび車輪1回ひねりBI
後方伸身2回宙返り2回ひねり下りEV0.2

SV:10.0(加点:1.2/1.2)
Score:9.700
Rank:7th

まずは16歳で出場したアテネオリンピック。団体決勝では9.775を出したが、その演技と比べるとひねり技のぶれ、そして何より着地の1歩があり、得点は伸びなかった。10人が進出した決勝で7位に終わったが、メガネをかけた少年はファンに強い印象を与えた。


2008年北京オリンピック 2008 Olympics Beijing (CHN)


1.コールマンKolmanFII
2.シュタルダーとび3/2ひねり片大逆手Stalder Hop 3/2 to MGDIII
3.アドラー1回ひねりJam 1/1EIV
4.ヤマワキYamawakiDII
5.伸身トカチェフTkatchev LayDII
6.~トカチェフ+ TkatchevCII(CV:0.1)
7.リバルコRybalkoDI
8.アドラーひねりJam 1/2DIV
9.後方とび車輪1回ひねりHop 1/1CI
10.後方伸身2回宙返り2回ひねり下りDouble Back Lay 2/1EV

A:6.8
B:9.075
Score:15.875
Rank:3rd

2007年の世界選手権・シュトゥットガルト大会で優勝し、鉄棒のチャンピオンとして臨んだオリンピック。予選も1位通過で大いに期待された。しかし、アドラー1回ひねりなどでミスが出て予定のAスコアが出せず。地元の鄒凱(中国)、そしてジョナサン・ホートン(アメリカ)に次ぐ銅メダルとなる。


2012年ロンドンオリンピック 2012 Olympics London (GBR)

動画の埋め込みができないので画像をクリックしてください。
20170112_01.jpg

1.アドラーひねりJam 1/2DIV
2.コールマンKolmanFII
3.伸身トカチェフTkatchev LayDII
4.~リバルコ+ RybalkoDI(CV:0.2)
5.~ポゴレロフ+ PogolerovEII(CV:0.2)
6.シュタルダーとび3/2ひねり大逆手Stalder Hop 3/2 to ElEIII
7.アドラー1回ひねり片逆手Jam 1/1 to MGDIV
8.~ヤマワキ+ YamawakiDII(CV:0.2)
9.後方とび車輪1回ひねりHop 1/1CI
10.後方伸身2回宙返り2回ひねり下りDouble Back Lay 2/1EV

D:7.5
E:8.900
Score:16.400
Rank:2nd

伸身トカチェフからの3連続を取り入れたDスコア7.5で挑む。素晴らしい演技を見せるが、Dスコア7.9を叩きだしたユプケ・ゾンダーランド(オランダ)に0.133及ばす銀メダルとなった。


2016年リオデジャネイロオリンピック 2016 Olympics Rio de Janeiro (BRA)

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20170112_02.jpg

1.カッシーナCassinaGII
2.コールマンKolmanFII
3.伸身トカチェフTkatchev LayDII
4.~リバルコ+ RybalkoDI(CV:0.1)
5.アドラー1回ひねり片逆手Jam 1/1 to MGDIV
6.~ヤマワキ+ YamawakiDII(CV:0.1)
7.シュタルダーとび3/2ひねり大逆手Stalder Hop 3/2 to ElEIII
8.アドラーひねりJam 1/2DIV
9.後方とび車輪1回ひねりHop 1/1CI
10.後方伸身2回宙返り2回ひねり下りDouble Back Lay 2/1EV

D:7.3
E:8.466
Score:15.766
Rank:1st

2013年から新たにカッシーナを取り入れた。リオでは最初の演技者でその後の7人の演技を待つ展開。ゾンダーランドは落下してしまったが、最終演技者にダネル・レイバ(アメリカ)が控える。同じDスコアの争いだったが、実施で上回り見事金メダルを手にした。



このように4年ごとの演技を見ていくのも面白いものです。もう29歳、オリンピックで集大成とも言える結果を出して引退という話もあったようですが、国内では演技をしていたとも。もう少しそのダイナミックな演技が見られると嬉しいです。

この記事へのコメント

  • おんちっち

    こんにちは。

    ハンビュヘン選手は、雄叫びを挙げながらのガッツポーズが
    印象的な選手ですね!

    手放し技のバリエーションが多くってお気に入りの選手です。

    それにしても、アテネの時の風貌は初々しいですね(苦笑)
    眼鏡を掛けている姿は初めて見ました。
    16歳で五輪の種目別に出場するとは凄いですね。
    2017年01月13日 08:07
  • Ka.Ki.

    このメガネ君を貼りたかっただけだろ、と言われても仕方ない記事ですが(笑)。

    アテネでは予選で6種目演技、団体決勝でもチーム最多の4種目をこなすなど、最年少ながらすでにエース級の活躍でしたね。
    2017年01月13日 22:16
  • あき

    素晴らしまとめ。ありがとうございます。
    私は、アテネが最も切れがあるように感じるます。若さも新鮮。
    ドイツ・鉄棒と言うとシルビオ・クロル(東ドイツ)を思い出します。古い世代なので・・・
    2017年01月14日 10:11
  • Ka.Ki.

    こちらこそ、ご覧くださりありがとうございます。アテネの演技は切れがありますね。

    私はその少し後のヴェッカ―ですかね。鯖江、アトランタの覇者。コバチが印象的でした。
    2017年01月14日 22:11
  • 昔、体操少年

    アテネのとき、メガネにストッパーのかわいい少年を見て、高校時代の同僚を思い出しました。ヤツも同じようにメガネにストッパーで演技していたからです。苦手の跳馬のときだけメガネを外し、ロイター版の脇にマネージャーを立たせて踏切の目印にしてましたっけ…。古くは日体大出身の五日市享児さんが同じスタイルで…。
    ハンビュヘン、あのとき16歳と知って改めて驚きました。キレのある技、外国選手にありがちな腰のシメの甘さも見られません。ケガやなんかで苦労したみたいですが、五輪の金、本当におめでとうです。
    日本のTV,日本選手が鉄棒決勝に残らなかったためか、種目別の映像が録画に入っていませんでした。後で他でそれを知り、PCで映像を探して見入ってしました。
    ドイツの若手の手本として、現役を続けてもらいたいものです。
    2017年01月15日 00:44
  • Ka.Ki.

    ハンビュヘンは本当に良かったですね。

    鉄棒は地上波の放送なかったんでしたね。日本の選手が出ないと途端にこうなるのは、競技を放送するものの姿勢として本当にどうかと思います。ファンとしては、今はネットなどで見られるのでまだいいんですが…。
    2017年01月15日 20:23